農業用ため池の管理及び保全に関する法律

# 平成三十一年法律第十七号 #

第三章 特定農業用ため池の指定等

分類 法律
カテゴリ   災害対策
最終編集日 : 2024年 05月09日 13時07分


1項

都道府県知事は、農業用ため池であってその決壊による水害 その他の災害によりその周辺の区域に被害を及ぼすおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものを、特定農業用ため池として指定することができる。

2項

都道府県知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ関係市町村長の意見を聴くものとする。

3項

都道府県知事は、第一項の規定による指定をしたときは、その旨を公示するものとする。

4項

農業用ため池の所在地を管轄する市町村長 又は農業用ため池の所有者等、農業用ため池から農業用水の供給を受ける者 その他の利害関係人は、当該農業用ため池が第一項に規定する要件に該当し、同項の規定による指定をする必要があると思料するときは、その旨を都道府県知事に申し出ることができる。

5項

第二項 及び第三項の規定は、第一項の規定による指定の解除について準用する。

1項

特定農業用ため池について、土地の掘削、盛土 又は切土、竹木の植栽 その他当該特定農業用ため池の保全に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるものをしようとする者は、あらかじめ都道府県知事の許可を受けなければならない。


ただし次の各号いずれかに該当する場合は、この限りでない。

一 号

土地改良法昭和二十四年法律第百九十五号第二条第二項に規定する土地改良事業(次条第一項において単に「土地改良事業」という。)の施行として行う場合

二 号

次条第一項 若しくは第三項の規定による届出 又は第十条第一項の規定による命令に係る防災工事の施行として行う場合

三 号
非常災害のため必要な応急措置として行う場合
四 号
当該特定農業用ため池の保全に支障を及ぼすおそれが少ない行為として農林水産省令で定めるものを行う場合
2項

都道府県知事は、前項の許可の申請があった場合において、当該申請に係る行為が当該特定農業用ため池の保全上支障があると認めるときは、同項の許可をしてはならない。

3項

又は地方公共団体第一項の許可を受けなければならない行為をしようとするときは、あらかじめ都道府県知事に協議することをもって足りる。

4項

前条第一項の規定による指定の際現に特定農業用ため池について第一項の許可を受けなければならない行為をしている者は、当該行為について同項の許可を受けたものとみなす。

1項

特定農業用ため池の所有者等は、当該特定農業用ため池について防災工事(土地改良事業の施行として行うものその他農林水産省令で定めるものを除く第三項 及び次条第二項において同じ。)を施行しようとするときは、当該防災工事に着手する日の三十日前までに、農林水産省令で定めるところにより、当該防災工事に関する計画について都道府県知事に届け出なければならない。

2項

都道府県知事は、前項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る計画が当該特定農業用ため池の決壊による水害 その他の災害を防止する上で十分でないと認めるときは、当該届出を受理した日から三十日以内に限り、当該届出を行った者に対し、当該計画の変更を命ずることができる。

3項

第七条第一項の規定による指定の際現に特定農業用ため池について防災工事を施行している当該特定農業用ため池の所有者等は、当該指定のあった日から三十日以内に、農林水産省令で定めるところにより、当該防災工事に関する計画について都道府県知事に届け出なければならない。

1項

都道府県知事は、第六条の勧告を受けた特定農業用ため池の所有者等が正当な理由がなくて当該勧告に係る防災工事の施行をしないときは、当該特定農業用ため池の所有者等に対し、相当の期限を定めて、当該防災工事の施行を命ずることができる。

2項

都道府県知事は、前条第一項の規定による届出のあった計画に従って防災工事を施行していないと認めるときは、当該届出を行った者に対し、相当の期限を定めて、当該計画に従って防災工事を施行すべきことを命ずることができる。

1項

都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、自らその防災工事の全部 又は一部を施行することができる。


この場合において、第二号該当すると認めるときは、相当の期限を定めて、当該防災工事を施行すべき旨 及びその期限までに当該防災工事を施行しないときは、自ら当該防災工事を施行し、当該防災工事の施行に要した費用を徴収することがある旨を、あらかじめ、公告するものとする。

一 号

前条の規定により防災工事を施行すべきことを命ぜられた特定農業用ため池の所有者等が、当該命令に係る期限までに当該命令に係る防災工事を施行しないとき、施行しても十分でないとき、又は施行する見込みがないとき。

二 号

相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお特定農業用ため池の所有者等を確知することができないため第六条の勧告をすることができないとき。

三 号

緊急に防災工事を施行する必要がある場合において、第六条の勧告 又は前条の規定による命令をするいとまがないとき。

2項

都道府県知事は、前項の規定により防災工事の全部 又は一部を施行したときは、当該防災工事の施行に要した費用について、農林水産省令で定めるところにより、当該特定農業用ため池の所有者等から徴収することができる。

3項

前項の規定による費用の徴収については、行政代執行法昭和二十三年法律第四十三号第五条 及び第六条の規定を準用する。

1項

市町村長は、その区域内に存する特定農業用ため池の決壊に関する情報の伝達方法、避難施設 その他の避難場所 及び避難路 その他の避難経路に関する事項 その他水害 その他の災害時における円滑な避難を確保する上で必要な事項について、これらを記載した印刷物の配布 その他の必要な措置を講ずることにより、住民に周知させるよう努めるものとする。