都市再開発法

# 昭和四十四年法律第三十八号 #

第四款 土地の明渡し

分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2024年 10月22日 11時43分

1項

権利変換期日において、第八十七条の規定により失つた権利に基づき施行地区内の土地 又は建築物を占有していた者 及びその承継人は、第九十六条第一項の規定により施行者が通知した明渡しの期限までは、従前の用法に従い、その占有を継続することができる。


ただし第六十六条の規定の適用を妨げない。

1項

権利変換期日以後個別利用区内の宅地 又はその使用収益権を取得した者は、第百条第一項の規定による公告があるまでは、当該宅地について使用し、又は収益することができない。


ただし前条の規定により当該宅地の占有を継続することができる場合は、この限りでない。

1項

施行者は、権利変換期日後第一種市街地再開発事業に係る工事のため必要があるときは、施行地区内の土地 又は当該土地に存する物件を占有している者に対し、期限を定めて、土地の明渡しを求めることができる。


ただし第九十五条の規定により従前指定宅地であつた土地を占有している者 又は当該土地に存する物件を占有している者に対しては、第百条第一項の規定による通知をするまでは、土地の明渡しを求めることができない。

2項

前項の規定による明渡しの期限は、同項の請求をした日の翌日から起算して三十日を経過した後の日でなければならない。

3項

第一項の規定による明渡しの請求があつた土地(従前指定宅地であつた土地を除く)又は当該土地に存する物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。


ただし第九十一条第一項 又は次条第三項の規定による支払がないときは、この限りでない。

4項

第一項の規定による明渡しの請求があつた土地(従前指定宅地であつた土地に限る)又は当該土地に存する物件を占有している者は、明渡しの期限までに、施行者に土地を引き渡し、又は物件を移転し、若しくは除却しなければならない。


ただし次条第三項の規定による支払がないときは、この限りでない。

5項

第九十五条の規定により建築物を占有する者が施行者に当該建築物を引き渡す場合において、当該建築物に、第六十六条第七項の承認を受けないで改築、増築 若しくは大修繕が行われ、又は物件が付加増置された部分があるときは、第八十七条第二項の規定により当該建築物の所有権を失つた者は、当該部分 又は物件を除却して、これを取得することができる。

6項

第一項に規定する処分については、行政手続法第三章の規定は、適用しない

1項

施行者は、前条の規定による土地 若しくは物件の引渡し 又は物件の移転により同条第一項の土地の占有者 及び物件に関し権利を有する者が通常受ける損失を補償しなければならない。

2項

前項の規定による損失の補償額については、施行者と前条第一項の土地の占有者 又は物件に関し権利を有する者とが協議しなければならない。

3項

施行者は、前条第二項の明渡しの期限までに第一項の規定による補償額を支払わなければならない。


この場合において、その期限までに前項の協議が成立していないときは、審査委員の過半数の同意を得、又は市街地再開発審査会の議決を経て定めた金額を支払わなければならないものとし、その議決については、第七十九条第二項後段の規定を準用する。

4項

第二項の規定による協議が成立しないときは、施行者 又は損失を受けた者は、収用委員会に土地収用法第九十四条第二項の規定による補償額の裁決を申請することができる。

5項

第八十五条第二項 及び第三項第九十一条第二項 及び第三項第九十二条 並びに第九十三条の規定は、第二項の規定による損失の補償について準用する。

1項

第九十六条第三項の場合において次の各号の一に該当するときは、市町村長は、施行者の請求により、土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者に代わつて、土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転しなければならない。

一 号

土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその責めに帰することができない理由によりその義務を履行することができないとき。

二 号

施行者が過失がなくて土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者を確知することができないとき。

2項

第九十六条第三項の場合において土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者がその義務を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても明渡しの期限までに完了する見込みがないときは、都道府県知事等は、施行者の請求により、行政代執行法昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

3項

前項の場合において、都道府県知事等は、義務者 及び施行者にあらかじめ通知した上で、当該代執行に要した費用に充てるため、その費用の額の範囲内で、義務者が施行者から受けるべき前条第一項の補償金を義務者に代わつて受けることができる。

4項

施行者が前項の規定に基づき補償金の全部 又は一部を都道府県知事等に支払つた場合においては、この法律の適用については、施行者が都道府県知事等に支払つた金額の限度において、前条第一項の補償金を支払つたものとみなす。

1項

市町村長は、前条第一項の規定により土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転するに要した費用を第九十六条第三項の規定により土地 若しくは物件を引き渡し、又は物件を移転すべき者から徴収するものとする。

2項

前条第三項 及び第四項の規定は、市町村長が前項の規定によつて費用を徴収する場合に準用する。

3項

市町村長は、第一項に規定する費用を前項において準用する前条第三項の規定によつて徴収することができないとき、又は徴収することが適当でないと認めるときは、第一項に規定する者に対し、あらかじめ、納付すべき金額、納付の期限 及び場所を通知して、これを納付させるものとする。

4項

市町村長は、前項の規定によつて通知を受けた者が同項の規定によつて通知された期限を経過しても同項の規定により納付すべき金額を完納しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。

5項

前項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに第三項の規定により納付すべき金額を納付しないときは、市町村長は、国税滞納処分の例によつて、これを徴収することができる。


この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。