内閣総理大臣は、重要施設の敷地の周囲おおむね千メートルの区域内 及び国境離島等の区域内の区域で、その区域内にある土地等が当該重要施設の施設機能 又は当該国境離島等の離島機能を阻害する行為の用に供されることを特に防止する必要があるものを、注視区域として指定することができる。
重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律
第三章 注視区域
内閣総理大臣は、注視区域を指定する場合には、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、土地等利用状況審議会の意見を聴かなければならない。
内閣総理大臣は、注視区域を指定する場合には、その旨 及びその区域を官報で公示しなければならない。
注視区域の指定は、前項の規定による公示によってその効力を生ずる。
内閣総理大臣は、第三項の規定による公示をしたときは、速やかに、その指定された区域 その他内閣府令で定める事項を関係地方公共団体の長に通知しなければならない。
第二項から前項までの規定は、注視区域の指定の解除 及びその区域の変更について準用する。
この場合において、注視区域の指定の解除について準用するときは、
第三項中
「その旨 及びその区域」とあり、
及び前項中
「その指定された区域 その他内閣府令で定める事項」とあるのは、
「その旨」と
読み替えるものとする。
内閣総理大臣は、注視区域内にある土地等の利用の状況についての調査(次条第一項 及び第八条において「土地等利用状況調査」という。)を行うものとする。
内閣総理大臣は、土地等利用状況調査のために必要がある場合においては、関係行政機関の長 及び関係地方公共団体の長 その他の執行機関に対して、当該土地等利用状況調査に係る注視区域内にある土地等の利用者 その他の関係者に関する情報のうちその者の氏名 又は名称、住所 その他政令で定めるものの提供を求めることができる。
関係行政機関の長 及び関係地方公共団体の長 その他の執行機関は、前項の規定による求めがあったときは、同項に規定する情報を提供するものとする。
内閣総理大臣は、前条第一項の規定により、同項に規定する情報の提供を求めた結果、土地等利用状況調査のためなお必要があると認めるときは、注視区域内にある土地等の利用者 その他の関係者に対し、当該土地等の利用に関し報告 又は資料の提出を求めることができる。
内閣総理大臣は、注視区域内にある土地等の利用者が当該土地等を重要施設の施設機能 又は国境離島等の離島機能を阻害する行為の用に供し、又は供する明らかなおそれがあると認めるときは、土地等利用状況審議会の意見を聴いて、当該土地等の利用者に対し、当該土地等を当該行為の用に供しないこと その他必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。
内閣総理大臣は、前項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由がなく、当該勧告に係る措置をとらなかったときは、当該者に対し、当該措置をとるべきことを命ずることができる。
内閣総理大臣は、前条第一項の規定による勧告 又は同条第二項の規定による命令(以下 この項 及び次条第一項において「勧告等」という。)を受けた者が当該勧告等に係る措置をとったことによりその者が損失を受け、又は他人に損失を与えた場合においては、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償する。
ただし、当該勧告等に係る行為をするについて、他の法律(法律に基づく命令 及び条例を含む。)で行政庁の許可 その他の処分を受けるべきことを定めているもの(当該許可 その他の処分を受けることができないために損失を受けた者に対して、その損失を補償すべきことを定めているものを除く。)がある場合において、当該許可 その他の処分の申請が却下されたとき、又は却下されるべき場合に該当するときにおける当該勧告等に係る措置については、この限りでない。
前項の規定による損失の補償については、内閣総理大臣と損失を受けた者が協議しなければならない。
前項の規定による協議が成立しない場合においては、内閣総理大臣 又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。
内閣総理大臣は、注視区域内にある土地等について、その所有者から勧告等に係る措置によって当該土地等の利用に著しい支障を来すこととなることにより当該土地等に関する権利(土地の所有権 又は建物の所有権(当該建物の所有を目的とする地上権 又は土地の賃借権を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を買い入れるべき旨の申出があった場合においては、第三項の規定による買入れが行われる場合を除き、特別の事情がない限り、これを買い入れるものとする。
内閣総理大臣は、前項の申出があった場合において、当該権利の買入れを希望する国の行政機関があるときは、当該国の行政機関の長を当該権利の買入れの相手方として定めることができる。
前項の場合においては、当該権利の買入れの相手方として定められた国の行政機関の長が、当該権利を買い入れるものとする。
第一項 又は前項の規定による買入れをする場合における権利の価額は、時価によるものとする。