障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

# 平成十七年法律第百二十三号 #
略称 : 障害者総合支援法 

第二款 支給決定等

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百四号による改正
最終編集日 : 2024年 05月02日 08時39分

1項

介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費 又は特例訓練等給付費(以下「介護給付費等」という。)の支給を受けようとする障害者 又は障害児の保護者は、市町村の介護給付費等を支給する旨の決定(以下「支給決定」という。)を受けなければならない。

2項

支給決定は、障害者 又は障害児の保護者の居住地の市町村が行うものとする。


ただし、障害者 又は障害児の保護者が居住地を有しないとき、又は明らかでないときは、その障害者 又は障害児の保護者の現在地の市町村が行うものとする。

3項

前項の規定にかかわらず第二十九条第一項 若しくは第三十条第一項の規定により介護給付費等の支給を受けて 又は身体障害者福祉法第十八条第二項 若しくは知的障害者福祉法第十六条第一項の規定により入所措置が採られて障害者支援施設、のぞみの園 又は第五条第一項 若しくは第六項の主務省令で定める施設に入所している障害者、生活保護法昭和二十五年法律第百四十四号第三十条第一項ただし書の規定により同法第三十八条第二項に規定する救護施設(以下この項において「救護施設」という。)、同条第三項に規定する更生施設(以下この項において「更生施設」という。)又は同法第三十条第一項ただし書に規定するその他の適当な施設(以下この項において「その他の適当な施設」という。)に入所している障害者、介護保険法第八条第十一項に規定する特定施設(以下この項 及び次項において「介護保険特定施設」という。)に入居し、又は同条第二十五項に規定する介護保険施設(以下この項 及び次項において「介護保険施設」という。)に入所している障害者 及び老人福祉法昭和三十八年法律第百三十三号第十一条第一項第一号の規定により入所措置が採られて同法第二十条の四に規定する養護老人ホーム(以下この項において「養護老人ホーム」という。)に入所している障害者(以下この項において「特定施設入所等障害者」と総称する。)については、その者が障害者支援施設、のぞみの園、第五条第一項 若しくは第六項の主務省令で定める施設、救護施設、更生施設 若しくはその他の適当な施設、介護保険特定施設 若しくは介護保険施設 又は養護老人ホーム(以下「特定施設」という。)への入所 又は入居の前に有した居住地(継続して二以上の特定施設に入所 又は入居をしている特定施設入所等障害者(以下この項において「継続入所等障害者」という。)については、最初に入所 又は入居をした特定施設への入所 又は入居の前に有した居住地)の市町村が、支給決定を行うものとする。


ただし、特定施設への入所 又は入居の前に居住地を有しないか、又は明らかでなかった特定施設入所等障害者については、入所 又は入居の前におけるその者の所在地(継続入所等障害者については、最初に入所 又は入居をした特定施設の入所 又は入居の前に有した所在地)の市町村が、支給決定を行うものとする。

4項

前二項の規定にかかわらず児童福祉法第二十四条の二第一項 若しくは第二十四条の二十四第一項 若しくは第二項の規定により障害児入所給付費の支給を受けて又は同法第二十七条第一項第三号 若しくは第二項の規定により措置(同法第三十一条第五項 又は第三十一条の二第三項の規定により同法第二十七条第一項第三号 又は第二項の規定による措置とみなされる場合を含む。)が採られて第五条第一項の主務省令で定める施設に入所していた障害者等が、継続して、第二十九条第一項 若しくは第三十条第一項の規定により介護給付費等の支給を受けて、身体障害者福祉法第十八条第二項 若しくは知的障害者福祉法第十六条第一項の規定により入所措置が採られて、生活保護法第三十条第一項ただし書の規定により、若しくは老人福祉法第十一条第一項第一号の規定により入所措置が採られて特定施設(介護保険特定施設 及び介護保険施設を除く)に入所した場合 又は介護保険特定施設 若しくは介護保険施設に入所 若しくは入居をした場合は、当該障害者等が満十八歳となる日の前日に当該障害者等の保護者であった者(以下この項において「保護者であった者」という。)が有した居住地の市町村が、支給決定を行うものとする。


ただし、当該障害者等が満十八歳となる日の前日に保護者であった者がいないか、保護者であった者が居住地を有しないか、又は保護者であった者の居住地が明らかでない障害者等については、当該障害者等が満十八歳となる日の前日におけるその者の所在地の市町村が支給決定を行うものとする。

5項

前二項の規定の適用を受ける障害者等が入所し、又は入居している特定施設は、当該特定施設の所在する市町村 及び当該障害者等に対し支給決定を行う市町村に、必要な協力をしなければならない。

1項

支給決定を受けようとする障害者 又は障害児の保護者は、主務省令で定めるところにより、市町村に申請をしなければならない。

2項

市町村は、前項の申請があったときは、次条第一項 及び第二十二条第一項の規定により障害支援区分の認定 及び同項に規定する支給要否決定を行うため、主務省令で定めるところにより、当該職員をして、当該申請に係る障害者等 又は障害児の保護者に面接をさせ、その心身の状況、その置かれている環境 その他主務省令で定める事項について調査をさせるものとする。


この場合において、市町村は、当該調査を第五十一条の十四第一項に規定する指定一般相談支援事業者 その他の主務省令で定める者(以下この条において「指定一般相談支援事業者等」という。)に委託することができる。

3項

前項後段の規定により委託を受けた指定一般相談支援事業者等は、障害者等の保健 又は福祉に関する専門的知識 及び技術を有するものとして主務省令で定める者に当該委託に係る調査を行わせるものとする。

4項

第二項後段の規定により委託を受けた指定一般相談支援事業者等の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役 又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問 その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役 又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。第百九条第一項除き、以下同じ。)若しくは前項の主務省令で定める者 又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、当該委託業務に関して知り得た個人の秘密を漏らしてはならない。

5項

第二項後段の規定により委託を受けた指定一般相談支援事業者等の役員 又は第三項の主務省令で定める者で、当該委託業務に従事するものは、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

6項

第二項の場合において、市町村は、当該障害者等 又は障害児の保護者が遠隔の地に居住地 又は現在地を有するときは、当該調査を他の市町村に嘱託することができる。

1項

市町村は、前条第一項の申請があったときは、政令で定めるところにより、市町村審査会が行う当該申請に係る障害者等の障害支援区分に関する審査 及び判定の結果に基づき、障害支援区分の認定を行うものとする。

2項

市町村審査会は、前項の審査 及び判定を行うに当たって必要があると認めるときは、当該審査 及び判定に係る障害者等、その家族、医師 その他の関係者の意見を聴くことができる。

1項

市町村は、第二十条第一項の申請に係る障害者等の障害支援区分、当該障害者等の介護を行う者の状況、当該障害者等の置かれている環境、当該申請に係る障害者等 又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向 その他の主務省令で定める事項を勘案して介護給付費等の支給の要否の決定(以下この条 及び第二十七条において「支給要否決定」という。)を行うものとする。

2項

市町村は、支給要否決定を行うに当たって必要があると認めるときは、主務省令で定めるところにより、市町村審査会 又は身体障害者福祉法第九条第七項に規定する身体障害者更生相談所(第七十四条 及び第七十六条第三項において「身体障害者更生相談所」という。)、知的障害者福祉法第九条第六項に規定する知的障害者更生相談所、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第六条第一項に規定する精神保健福祉センター 若しくは児童相談所(以下「身体障害者更生相談所等」と総称する。)その他主務省令で定める機関の意見を聴くことができる。

3項

市町村審査会、身体障害者更生相談所等 又は前項の主務省令で定める機関は、同項の意見を述べるに当たって必要があると認めるときは、当該支給要否決定に係る障害者等、その家族、医師 その他の関係者の意見を聴くことができる。

4項

市町村は、支給要否決定を行うに当たって必要と認められる場合として主務省令で定める場合には、主務省令で定めるところにより、第二十条第一項の申請に係る障害者 又は障害児の保護者に対し、第五十一条の十七第一項第一号に規定する指定特定相談支援事業者が作成するサービス等利用計画案の提出を求めるものとする。

5項

前項の規定によりサービス等利用計画案の提出を求められた障害者 又は障害児の保護者は、主務省令で定める場合には、同項のサービス等利用計画案に代えて主務省令で定めるサービス等利用計画案を提出することができる。

6項

市町村は、前二項のサービス等利用計画案の提出があった場合には、第一項の主務省令で定める事項 及び当該サービス等利用計画案を勘案して支給要否決定を行うものとする。

7項

市町村は、支給決定を行う場合には、障害福祉サービスの種類ごとに月を単位として主務省令で定める期間において介護給付費等を支給する障害福祉サービスの量(以下「支給量」という。)を定めなければならない。

8項

市町村は、支給決定を行ったときは、当該支給決定障害者等に対し、主務省令で定めるところにより、支給量 その他の主務省令で定める事項を記載した障害福祉サービス受給者証(以下「受給者証」という。)を交付しなければならない。

1項

支給決定は、主務省令で定める期間(以下「支給決定の有効期間」という。)内に限り、その効力を有する。

1項

支給決定障害者等は、現に受けている支給決定に係る障害福祉サービスの種類、支給量 その他の主務省令で定める事項を変更する必要があるときは、主務省令で定めるところにより、市町村に対し、当該支給決定の変更の申請をすることができる。

2項

市町村は、前項の申請 又は職権により、第二十二条第一項の主務省令で定める事項を勘案し、支給決定障害者等につき、必要があると認めるときは、支給決定の変更の決定を行うことができる。


この場合において、市町村は、当該決定に係る支給決定障害者等に対し受給者証の提出を求めるものとする。

3項

第十九条第一項除く)、第二十条第一項除く)及び第二十二条第一項除く)の規定は、前項の支給決定の変更の決定について準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

4項

市町村は、第二項の支給決定の変更の決定を行うに当たり、必要があると認めるときは、障害支援区分の変更の認定を行うことができる。

5項

第二十一条の規定は、前項の障害支援区分の変更の認定について準用する。


この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。

6項

市町村は、第二項の支給決定の変更の決定を行った場合には、受給者証に当該決定に係る事項を記載し、これを返還するものとする。

1項

支給決定を行った市町村は、次に掲げる場合には、当該支給決定を取り消すことができる。

一 号

支給決定に係る障害者等が、第二十九条第一項に規定する指定障害福祉サービス等及び第三十条第一項第二号に規定する基準該当障害福祉サービスを受ける必要がなくなったと認めるとき。

二 号

支給決定障害者等が、支給決定の有効期間内に、当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるとき(支給決定に係る障害者が特定施設に入所 又は入居をすることにより当該市町村以外の市町村の区域内に居住地を有するに至ったと認めるときを除く)。

三 号

支給決定に係る障害者等 又は障害児の保護者が、正当な理由なしに第二十条第二項前条第三項において準用する場合を含む。)の規定による調査に応じないとき。

四 号
その他政令で定めるとき。
2項

前項の規定により支給決定の取消しを行った市町村は、主務省令で定めるところにより、当該取消しに係る支給決定障害者等に対し受給者証の返還を求めるものとする。

1項

都道府県は、市町村の求めに応じ、市町村が行う第十九条から第二十二条まで第二十四条 及び前条の規定による業務に関し、その設置する身体障害者更生相談所等による技術的事項についての協力 その他市町村に対する必要な援助を行うものとする。

2項

地方自治法第二百五十二条の十四第一項の規定により市町村の委託を受けて審査判定業務(第二十一条第二十四条第五項において準用する場合を含む。第四項において同じ。)、第二十二条第二項 及び第三項これらの規定を第二十四条第三項において準用する場合を含む。第四項において同じ。)並びに第五十一条の七第二項 及び第三項これらの規定を第五十一条の九第三項において準用する場合を含む。)の規定により市町村審査会が行う業務をいう。以下この条 及び第九十五条第二項第一号において同じ。)を行う 都道府県に、当該審査判定業務を行わせるため、介護給付費等の支給に関する審査会(以下「都道府県審査会」という。)を置く。

3項

第十六条 及び第十八条の規定は、前項の都道府県審査会について準用する。


この場合において、

第十六条第二項
市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)」とあるのは、
「都道府県知事」と

読み替えるものとする。

4項

審査判定業務を都道府県に委託した市町村について第二十一条 並びに第二十二条第二項 及び第三項の規定を適用する場合においては、

これらの規定中
市町村審査会」とあるのは、
「都道府県審査会」と

する。

1項

この款に定めるもののほか、障害支援区分に関する審査 及び判定、支給決定、支給要否決定、受給者証、支給決定の変更の決定 並びに支給決定の取消しに関し必要な事項は、政令で定める。