ハンセン病問題の解決の促進に関する法律

# 平成二十年法律第八十二号 #
略称 : ハンセン病問題基本法  ハンセン病問題解決促進法  ハンセン病基本法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 和元年十一月二十二日
@ 最終更新 : 令和元年法律第五十六号による改正
最終編集日 : 2023年 04月20日 10時40分


1項

この法律は、国によるハンセン病の患者に対する隔離政策に起因して生じた問題であって、ハンセン病の患者であった者等 及び その家族の福祉の増進、名誉の回復等に関し現在もなお存在するもの(以下「ハンセン病問題」という。)の解決の促進に関し、基本理念を定め、並びに国 及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、ハンセン病問題の解決の促進に関し必要な事項を定めるものとする。

1項

この法律において「国立ハンセン病療養所」とは、厚生労働省設置法平成十一年法律第九十七号)第十六条第一項に規定する国立ハンセン病療養所をいう。

2項

この法律において「国立ハンセン病療養所等」とは、国立ハンセン病療養所 及び本邦に設置された厚生労働大臣が定めるハンセン病療養所をいう。

3項

この法律において「入所者」とは、らい予防法の廃止に関する法律(平成八年法律第二十八号。以下本則において「廃止法」という。)によりらい予防法(昭和二十八年法律第二百十四号。以下「予防法」という。)が廃止されるまでの間に、ハンセン病を発病した後も 相当期間日本国内に住所を有していた者であって、現に国立ハンセン病療養所等に入所しているものをいう。

1項

ハンセン病問題に関する施策は、国によるハンセン病の患者に対する隔離政策によりハンセン病の患者であった者等 及び その家族が受けた身体 及び財産に係る被害その他の社会生活全般にわたる被害に照らし、その被害を可能な限り回復することを旨として行われなければならない。

2項

ハンセン病問題に関する施策を講ずるに当たっては、入所者が、現に居住する国立ハンセン病療養所等において、その生活環境が地域社会から孤立することなく、安心して豊かな生活を営むことができるように配慮されなければならない。

3項

何人も、ハンセン病の患者であった者等に対して、ハンセン病の患者であったこと 若しくはハンセン病に罹患していることを理由として、又はハンセン病の患者であった者等の家族に対して、ハンセン病の患者であった者等の家族であることを理由として、差別すること その他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。

1項

国は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、ハンセン病の患者であった者等 及び その家族の福祉の増進等を図るための施策を策定し、及び実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、基本理念にのっとり、国と協力しつつ、その地域の実情を踏まえ、ハンセン病の患者であった者等 及び その家族の福祉の増進等を図るための施策を策定し、及び実施する責務を有する。

1項

国は、ハンセン病問題に関する施策の策定 及び実施に当たっては、ハンセン病の患者であった者等、その家族 その他の関係者との協議の場を設ける等これらの者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。