中央省庁等改革基本法

# 平成十年法律第百三号 #

第四節 その他の見直し

分類 法律
カテゴリ   行政組織
最終編集日 : 2023年 03月01日 11時23分


1項

政府は、施設等機関について、国として必要なもの以外のものについては、民間 若しくは地方公共団体への移譲 又は廃止を推進するほか、その必要性が認められるものについても、府省の編成に併せてその統合を推進するとともに、各施設等機関の性格に応じて独立行政法人への移行を検討するものとする。

2項
政府は、国立大学が教育研究の質的向上、大学の個性の伸長、産業界 及び地域社会との有機的連携の確保、教育研究の国際競争力の向上 その他の改革に積極的かつ自主的に取り組むことが必要とされることにかんがみ、その教育研究についての適正な評価体制 及び大学ごとの情報の公開の充実を推進するとともに、外部との交流の促進 その他人事、会計 及び財務の柔軟性の向上、大学の運営における権限 及び責任の明確化 並びに事務組織の簡素化、合理化 及び専門化を図る等の観点から、その組織 及び運営体制の整備等必要な改革を推進するものとする。
3項

政府は、国立病院 及び国立療養所に関し、国の医療政策として行うこととされてきた医療について、真に国として担うべきものに特化することとし、かかる機能を担う機関以外の機関の民間 若しくは地方公共団体への移譲、統合 又は廃止を推進すること等により、その再編成を一層促進するとともに、国として担うべき医療を行う機関の間の緊密な連携を阻害しないよう留意しつつ、高度かつ専門的な医療センター、ハンセン病療養所等特に必要があるものを除き、独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行うものとする。

4項
政府は、国の試験研究機関について、府省の編成に対応して、次に掲げるところにより、その見直しを行うものとする。
一 号
その業務を国として本来担うべき機能にふさわしいものとし、その規模を適切なものとするとともに、その組織 及び人員の効率化 及び重点化を推進すること。
二 号
類似の研究を行っている機関、必要以上に細分化されている小規模な機関、地域別 又は業種別の機関等 その機能の見直しが求められる機関については、原則として廃止 又は統合を行いつつ、国として総合的に取り組む必要のある重要な研究分野 及び広範な行政目的に関係する横断的な研究分野を担う中核的な機関を育成すること。
三 号

その活動の自律性、柔軟性 及び競争性を高めることを基本とし、その管理運営の仕組みの改善 及び評価体制の確立を図るとともに、政策研究等の国が直接に実施する必要のある業務を行う機関以外の機関は、原則として独立行政法人に移行すべく具体的な検討を行うこと。

5項

政府は、検査検定機関について、その事業の必要性を厳しく見直し、民間への移譲 及び廃止を推進するとともに、府省の編成に併せてその統合を推進するものとする。


この場合において、事業の性質に応じて独立行政法人への移行を検討するとともに、国の事業として行うものについても、できる限り外部への委託を進め、その効率化を図るものとする。

6項

政府は、文教研修施設(国立学校を除く)及び作業施設について、国の行政機関としての必要性を見直し、その結果に基づき、民間事業への転換をはじめ、民間 若しくは地方公共団体への移譲 若しくは廃止 又は府省の編成に併せた統合を推進するほか、行政機関の職員のみを対象とする研修施設以外のものの独立行政法人への移行等により、その運営の効率化を図るものとする。

7項
政府は、矯正収容施設について、その特性を考慮しつつ、可能な限り、その運営につき効率化 及び質的向上を進めるものとする。
1項
政府は、次に掲げる観点から、国の規制の見直しを行うものとする。
一 号
規制の在り方について、事前の規制から民間の自由な意思に基づく活動を重視したものに転換すること。
二 号
市場原理にゆだねることができる場合における経済活動に対する規制は廃止するとともに、その他の規制についても その目的に照らして必要最小限のものとすること。
三 号
国際的な整合性の確保を図ること。
四 号
手続を簡素化するとともに、規制の実施に係る事務について、民間の能力の活用等により、その効率化を進めること。
五 号
基準の明確化、その公表等により国民に説明する責任を明確化すること。
2項
政府は、次に掲げる観点から、国の補助金等の見直しを行うものとする。
一 号
地方公共団体に対するものについては、地方分権推進委員会の勧告に沿って、その削減 又は合理化を推進すること。
二 号
事業等の振興 又は助成を図るためのものであって、長期間の継続によりその効果が乏しくなっているもの又は少額なものは、原則として廃止すること。
三 号
補助の効果をできる限り客観的に評価して公表する仕組みを整備すること。
1項
政府は、次に掲げる方針に従い、地方支分部局の整理 及び合理化のために必要な措置を講ずるものとする。
一 号
社会経済情勢の変化等を踏まえ、地方支分部局の事務 及び事業の必要性を見直し、その再配置、統合 及び廃止 並びにその内部組織 及び職員の定員の整理 及び合理化 その他必要な措置を講ずること。
二 号
府省の編成に併せ、一の府省に置かれ、その管轄区域が一の都府県の区域を超え 又は道の区域である地方支分部局は、可能な限り、一の都府県の区域を超える各地方 又は道の区域を単位として総合化すること。
三 号
府省の編成に併せ、一の府省に置かれ、その管轄区域が一の都府県の区域である地方支分部局は、管轄区域が当該都府県の区域を超える同種の事務 及び事業を行う地方支分部局が存在しない場合には、可能な限り、当該都府県の区域を単位として総合化すること。
四 号

前二号の地方支分部局以外の地方支分部局は、可能な限り、整理すること。

五 号
各府省の地方支分部局がもつ地域の振興、施設の整備等に係る企画立案、調査、助言等を行う機能について、地方公共団体 その他地域の必要に応じ、一の都府県の区域を超える各地方 又は道の区域の単位ごとに調整する仕組みを整備すること。
六 号
地方支分部局が関与する許可、認可、補助金等の交付の決定 その他の処分に係る手続について、できる限り、当該処分に係る府省の長の権限を当該地方支分部局の長に委任し、これらの手続が当該地方支分部局において完結するようにすること。
1項
政府は、次に掲げる方針に従い、公共事業の見直しを行うものとする。
一 号
公共事業に関し、国が直接行うものは、全国的な政策 及び計画の企画立案 並びに全国的な見地から必要とされる基礎的 又は広域的事業の実施に限定し、その他の事業については、地方公共団体にゆだねていくことを基本とすること。
二 号
国が個別に補助金等を交付する事業は、国の直轄事業に関連する事業、国家的な事業に関連する事業、先導的な施策に係る事業、短期間に集中的に施行する必要がある事業等特に必要があるものに限定し、その他の事業に対する助成については、できる限り、個別の補助金等に代えて、適切な目的を付した統合的な補助金等を交付し、地方公共団体に裁量的に施行させること。
三 号
次に掲げるところにより、地方支分部局にその管轄区域内において実施される公共事業に関する国の事務を主体的かつ一体的に処理させること。
事業の決定 及び執行に関する府省の長の権限について、明確な法令の規定により、できる限り地方支分部局の長に委任すること。

府省の長は、に規定する権限の委任を受けた地方支分部局の長がその判断で事業の決定 及び執行を行うことができるよう、各地方支分部局ごとに所要の予算額を一括して配分すること。


この場合において、併せて、各事業間 及び各地方支分部局間における調整を円滑に行うための措置を講ずること。

四 号
国の直轄事業の実施を担当する組織については、その業務を事業計画の決定等に重点化し、その他の業務は施工監理を含め民間への委託を徹底すること等により、業務の効率化を図ること。
五 号
社会資本の整備に関する計画等において主要な事業の実施場所等 その具体的内容をできる限り明らかにすること、及び事業の実施の前後において、それぞれ、できる限り客観的な費用効果分析を行い、その結果を公表することにより、公共事業の決定過程の透明化 及び評価の適正化を図ること。
1項
政府は、国の事務 及び事業の減量、その運営の効率化 並びに府省の編成を推進することにより、次に掲げるところに従い、国の行政組織の整理 及び簡素化 並びに定員の削減を行うものとする。
一 号

府省の編成の時において、府省の内部部局として置かれる官房 及び局の総数をできる限り九十に近い数とすること。

二 号

府省の編成の時において、府省、その外局 及び国家公安委員会に置かれる庁の内部部局に置かれる課 及びこれに準ずる室の総数(次号において「課等の総数」という。)を千程度とすること。

三 号

府省の編成以後の五年間において、課等の総数について、十分の一程度の削減を行うことを目標とし、できる限り九百に近い数とするよう努めること。

四 号

府省の編成に併せ、行政機関の職員の定員に関する法律を改正するための措置を執るとともに、国の行政機関の職員(法律で定数が定められている特別職の職員 及び国際平和協力隊の隊員を除く)の定員について、十年間で少なくとも十分の一の削減を行うための新たな計画を策定した上、当該計画に沿った削減を進めつつ、郵政公社の設立 及び独立行政法人への移行により、その一層の削減を行うこと。