人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求とは、民事訴訟法第百三十六条の規定にかかわらず、一の訴えですることができる。
この場合においては、当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有する家庭裁判所は、当該損害の賠償に関する請求に係る訴訟について自ら審理 及び裁判をすることができる。
人事訴訟に係る請求と当該請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求とは、民事訴訟法第百三十六条の規定にかかわらず、一の訴えですることができる。
この場合においては、当該人事訴訟に係る請求について管轄権を有する家庭裁判所は、当該損害の賠償に関する請求に係る訴訟について自ら審理 及び裁判をすることができる。
人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求を目的とする訴えは、前項に規定する場合のほか、既に当該人事訴訟の係属する家庭裁判所にも提起することができる。
この場合においては、同項後段の規定を準用する。
第八条第二項の規定は、前項の場合における同項の人事訴訟に係る事件 及び同項の損害の賠償に関する請求に係る事件について準用する。
人事訴訟に関する手続においては、民事訴訟法第百四十三条第一項 及び第四項、第百四十六条第一項 並びに第三百条の規定にかかわらず、第一審 又は控訴審の口頭弁論の終結に至るまで、原告は、請求 又は請求の原因を変更することができ、被告は、反訴を提起することができる。
日本の裁判所が請求の変更による変更後の人事訴訟に係る請求について管轄権を有しない場合には、原告は、変更後の人事訴訟に係る請求が変更前の人事訴訟に係る請求と同一の身分関係についての形成 又は存否の確認を目的とするときに限り、前項の規定により、請求を変更することができる。
日本の裁判所が反訴の目的である次の各号に掲げる請求について管轄権を有しない場合には、被告は、それぞれ当該各号に定める場合に限り、第一項の規定による反訴を提起することができる。
人事訴訟に係る請求
本訴の目的である人事訴訟に係る請求と同一の身分関係についての形成 又は存否の確認を目的とする請求を目的とする場合
人事訴訟に係る請求の原因である事実によって生じた損害の賠償に関する請求
既に日本の裁判所に当該人事訴訟が係属する場合
人事訴訟の訴訟手続においては、民事訴訟法第百五十七条、第百五十七条の二、第百五十九条第一項、第二百七条第二項、第二百八条、第二百二十四条、第二百二十九条第四項 及び第二百四十四条の規定 並びに同法第百七十九条の規定中裁判所において当事者が自白した事実に関する部分は、適用しない。
人事訴訟における訴訟の目的については、民事訴訟法第二百六十六条 及び第二百六十七条の規定は、適用しない。
人事訴訟においては、裁判所は、当事者が主張しない事実をしん酌し、かつ、職権で証拠調べをすることができる。
この場合においては、裁判所は、その事実 及び証拠調べの結果について当事者の意見を聴かなければならない。
人事訴訟においては、裁判所は、当事者本人を尋問する場合には、その当事者に対し、期日に出頭することを命ずることができる。
民事訴訟法第百九十二条から第百九十四条までの規定は、前項の規定により出頭を命じられた当事者が正当な理由なく出頭しない場合について準用する。
人事訴訟における当事者本人 若しくは法定代理人(以下この項 及び次項において「当事者等」という。)又は証人が当該人事訴訟の目的である身分関係の形成 又は存否の確認の基礎となる事項であって自己の私生活上の重大な秘密に係るものについて尋問を受ける場合においては、裁判所は、裁判官の全員一致により、その当事者等 又は証人が公開の法廷で当該事項について陳述をすることにより社会生活を営むのに著しい支障を生ずることが明らかであることから当該事項について十分な陳述をすることができず、かつ、当該陳述を欠くことにより他の証拠のみによっては当該身分関係の形成 又は存否の確認のための適正な裁判をすることができないと認めるときは、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる。
裁判所は、前項の決定をするに当たっては、あらかじめ、当事者等 及び証人の意見を聴かなければならない。
裁判所は、第一項の規定により当該事項の尋問を公開しないで行うときは、公衆を退廷させる前に、その旨を理由とともに言い渡さなければならない。
当該事項の尋問が終了したときは、再び公衆を入廷させなければならない。
人事訴訟においては、裁判所 又は受命裁判官 若しくは受託裁判官は、必要があると認めるときは、検察官を期日に立ち会わせて事件につき意見を述べさせることができる。
検察官は、前項の規定により期日に立ち会う場合には、事実を主張し、又は証拠の申出をすることができる。
人事訴訟の確定判決は、民事訴訟法第百十五条第一項の規定にかかわらず、第三者に対しても その効力を有する。
民法第七百三十二条の規定に違反したことを理由として婚姻の取消しの請求がされた場合におけるその請求を棄却した確定判決は、前婚の配偶者に対しては、前項の規定にかかわらず、その前婚の配偶者がその請求に係る訴訟に参加したときに限り、その効力を有する。
人事訴訟の判決(訴えを不適法として却下した判決を除く。次項において同じ。)が確定した後は、原告は、当該人事訴訟において請求 又は請求の原因を変更することにより主張することができた事実に基づいて同一の身分関係についての人事に関する訴えを提起することができない。
人事訴訟の判決が確定した後は、被告は、当該人事訴訟において反訴を提起することにより主張することができた事実に基づいて同一の身分関係についての人事に関する訴えを提起することができない。
第十二条第二項の規定により人事に関する訴えに係る身分関係の当事者の双方を被告とする場合において、その一方が死亡したときは、他の一方を被告として訴訟を追行する。
この場合においては、民事訴訟法第百二十四条第一項第一号の規定は、適用しない。
第十二条第一項 又は第二項の場合において、被告がいずれも死亡したときは、検察官を被告として訴訟を追行する。
人事訴訟の係属中に原告が死亡した場合には、特別の定めがある場合を除き、当該人事訴訟は、当然に終了する。
離婚、嫡出否認(父を被告とする場合を除く。)又は離縁を目的とする人事訴訟の係属中に被告が死亡した場合には、当該人事訴訟は、前条第二項の規定にかかわらず、当然に終了する。