裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣 又は株主、社員、債権者 その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。
会社法
第一節 会社の解散命令
会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。
会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。
業務執行取締役、執行役 又は業務を執行する社員が、法令 若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し 若しくは濫用する行為 又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。
株主、社員、債権者 その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
会社は、前項の規定による申立てをするには、第一項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第七十五条第五項 及び第七項 並びに第七十六条から第八十条までの規定は、第二項の規定により第一項の申立てについて立てるべき担保について準用する。
裁判所は、前条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣 若しくは株主、社員、債権者 その他の利害関係人の申立てにより 又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、会社の財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次項において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。
裁判所は、管理命令をする場合には、当該管理命令において、管理人を選任しなければならない。
裁判所は、法務大臣 若しくは株主、社員、債権者 その他の利害関係人の申立てにより 又は職権で、前項の管理人を解任することができる。
裁判所は、第二項の管理人を選任した場合には、会社が当該管理人に対して支払う報酬の額を定めることができる。
第二項の管理人は、裁判所が監督する。
裁判所は、第二項の管理人に対し、会社の財産の状況の報告をし、かつ、その管理の計算をすることを命ずることができる。
民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条 及び第六百五十条の規定は、第二項の管理人について準用する。
この場合において、
同法第六百四十六条、第六百四十七条 及び第六百五十条中
「委任者」とあるのは、
「会社」と
読み替えるものとする。
裁判所 その他の官庁、検察官 又は吏員は、その職務上第八百二十四条第一項の申立て 又は同項第三号の警告をすべき事由があることを知ったときは、法務大臣にその旨を通知しなければならない。