社員は、次に掲げる場合には、連帯して、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
会社法
第二章 社員
第一節 社員の責任等
当該持分会社の財産に対する強制執行がその効を奏しなかった場合(社員が、当該持分会社に弁済をする資力があり、かつ、強制執行が容易であることを証明した場合を除く。)
有限責任社員は、その出資の価額(既に持分会社に対し履行した出資の価額を除く。)を限度として、持分会社の債務を弁済する責任を負う。
社員が持分会社の債務を弁済する責任を負う場合には、社員は、持分会社が主張することができる抗弁をもって当該持分会社の債権者に対抗することができる。
前項に規定する場合において、持分会社がその債権者に対して相殺権、取消権 又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって持分会社がその債務を免れるべき限度において、社員は、当該債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
社員が金銭を出資の目的とした場合において、その出資をすることを怠ったときは、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。
社員が債権を出資の目的とした場合において、当該債権の債務者が弁済期に弁済をしなかったときは、当該社員は、その弁済をする責任を負う。
この場合においては、当該社員は、その利息を支払うほか、損害の賠償をしなければならない。
有限責任社員が無限責任社員となった場合には、当該無限責任社員となった者は、その者が無限責任社員となる前に生じた持分会社の債務についても、無限責任社員としてこれを弁済する責任を負う。
有限責任社員(合同会社の社員を除く。)が出資の価額を減少した場合であっても、当該有限責任社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。
無限責任社員が有限責任社員となった場合であっても、当該有限責任社員となった者は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務については、無限責任社員として当該債務を弁済する責任を負う。
前二項の責任は、前二項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。
持分会社の無限責任社員となることを許された未成年者は、社員の資格に基づく行為に関しては、行為能力者とみなす。
第二節 持分の譲渡等
社員は、他の社員の全員の承諾がなければ、その持分の全部 又は一部を他人に譲渡することができない。
前項の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員は、業務を執行する社員の全員の承諾があるときは、その持分の全部 又は一部を他人に譲渡することができる。
第六百三十七条の規定にかかわらず、業務を執行しない有限責任社員の持分の譲渡に伴い定款の変更を生ずるときは、その持分の譲渡による定款の変更は、業務を執行する社員の全員の同意によってすることができる。
前三項の規定は、定款で別段の定めをすることを妨げない。
持分の全部を他人に譲渡した社員は、その旨の登記をする前に生じた持分会社の債務について、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。
前項の責任は、同項の登記後二年以内に請求又は請求の予告をしない持分会社の債権者に対しては、当該登記後二年を経過した時に消滅する。
持分会社は、その持分の全部 又は一部を譲り受けることができない。
持分会社が当該持分会社の持分を取得した場合には、当該持分は、当該持分会社がこれを取得した時に、消滅する。
第三節 誤認行為の責任
合資会社の有限責任社員が自己を無限責任社員であると 誤認させる行為をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。
合資会社 又は合同会社の有限責任社員がその責任の限度を誤認させる行為(前項の行為を除く。)をしたときは、当該有限責任社員は、その誤認に基づいて合資会社 又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社 又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。
合名会社 又は合資会社の社員でない者が自己を無限責任社員であると 誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合名会社 又は合資会社と取引をした者に対し、無限責任社員と同一の責任を負う。
合資会社 又は合同会社の社員でない者が自己を有限責任社員であると 誤認させる行為をしたときは、当該社員でない者は、その誤認に基づいて合資会社 又は合同会社と取引をした者に対し、その誤認させた責任の範囲内で当該合資会社 又は合同会社の債務を弁済する責任を負う。