健康保険法

# 大正十一年法律第七十号 #
略称 : 健保法 

第二款 訪問看護療養費の支給

分類 法律
カテゴリ   社会保険
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十一号による改正
最終編集日 : 2024年 08月26日 13時07分

1項

被保険者が、厚生労働大臣が指定する者(以下「指定訪問看護事業者」という。)から当該指定に係る訪問看護事業(疾病 又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある者(主治の医師がその治療の必要の程度につき厚生労働省令で定める基準に適合していると認めたものに限る)に対し、その者の居宅において看護師 その他厚生労働省令で定める者が行う療養上の世話 又は必要な診療の補助(保険医療機関等 又は介護保険法第八条第二十八項に規定する介護老人保健施設 若しくは同条第二十九項に規定する介護医療院によるものを除く。以下「訪問看護」という。)を行う事業をいう。)を行う事業所により行われる訪問看護(以下「指定訪問看護」という。)を受けたときは、その指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費を支給する。

2項

前項の訪問看護療養費は、厚生労働省令で定めるところにより、保険者が必要と認める場合に限り、支給するものとする。

3項
指定訪問看護を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、自己の選定する指定訪問看護事業者から、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、当該指定訪問看護を受けるものとする。
4項

訪問看護療養費の額は、当該指定訪問看護につき指定訪問看護に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるところにより算定した費用の額から、その額に第七十四条第一項各号に掲げる場合の区分に応じ、同項各号に定める割合を乗じて得た額(療養の給付に係る同項の一部負担金について第七十五条の二第一項各号の措置が採られるべきときは、当該措置が採られたものとした場合の額)を控除した額とする。

5項

厚生労働大臣は、前項の定めをしようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

6項

被保険者が指定訪問看護事業者から指定訪問看護を受けたときは、保険者は、その被保険者が当該指定訪問看護事業者に支払うべき当該指定訪問看護に要した費用について、訪問看護療養費として被保険者に対し支給すべき額の限度において、被保険者に代わり、当該指定訪問看護事業者に支払うことができる。

7項

前項の規定による支払があったときは、被保険者に対し訪問看護療養費の支給があったものとみなす。

8項

第七十五条の規定は、第六項の場合において第四項の規定により算定した費用の額から当該指定訪問看護に要した費用について訪問看護療養費として支給される額に相当する額を控除した額の支払について準用する。

9項

指定訪問看護事業者は、指定訪問看護に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、領収証を交付しなければならない。

10項

保険者は、指定訪問看護事業者から訪問看護療養費の請求があったときは、第四項の定め及び第九十二条第二項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る)に照らして審査の上、支払うものとする。

11項

保険者は、前項の規定による審査 及び支払に関する事務を基金 又は国保連合会に委託することができる。

12項

指定訪問看護は、第六十三条第一項各号に掲げる療養に含まれないものとする。

13項

前各項に定めるもののほか、指定訪問看護事業者の訪問看護療養費の請求に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。

1項

前条第一項の指定は、厚生労働省令で定めるところにより、訪問看護事業を行う者の申請により、訪問看護事業を行う事業所(以下「訪問看護事業所」という。)ごとに行う。

2項

指定訪問看護事業者以外の訪問看護事業を行う者について、介護保険法第四十一条第一項本文の規定による指定居宅サービス事業者(訪問看護事業を行う者のうち、厚生労働省令で定める基準に該当するものに限る次項において同じ。)の指定、同法第四十二条の二第一項本文の規定による指定地域密着型サービス事業者(訪問看護事業を行う者のうち、厚生労働省令で定める基準に該当するものに限る次項において同じ。)の指定 又は同法第五十三条第一項本文の規定による指定介護予防サービス事業者(訪問看護事業を行う者のうち、厚生労働省令で定める基準に該当するものに限る次項において同じ。)の指定があったときは、その指定の際、当該訪問看護事業を行う者について、前条第一項の指定があったものとみなす。


ただし、当該訪問看護事業を行う者が、厚生労働省令で定めるところにより、別段の申出をしたときは、この限りでない。

3項

介護保険法第七十条の二第一項の規定による指定居宅サービス事業者の指定の失効 若しくは同法第七十七条第一項 若しくは第百十五条の三十五第六項の規定による指定居宅サービス事業者の指定の取消し若しくは効力の停止、同法第七十八条の十(同法第七十八条の十七の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定による指定地域密着型サービス事業者の指定の取消し若しくは効力の停止 若しくは同法第七十八条の十二において準用する同法第七十条の二第一項 若しくは同法第七十八条の十五第一項 若しくは第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による指定地域密着型サービス事業者の指定の失効 又は同法第百十五条の九第一項 若しくは第百十五条の三十五第六項の規定による指定介護予防サービス事業者の指定の取消し若しくは効力の停止 若しくは同法第百十五条の十一において準用する同法第七十条の二第一項の規定による指定介護予防サービス事業者の指定の失効は、前項本文の規定により受けたものとみなされた前条第一項の指定の効力に影響を及ぼさないものとする。

4項

厚生労働大臣は、第一項の申請があった場合において、次の各号いずれかに該当するときは、前条第一項の指定をしてはならない。

一 号
申請者が地方公共団体、医療法人、社会福祉法人 その他厚生労働大臣が定める者でないとき。
二 号

当該申請に係る訪問看護事業所の看護師 その他の従業者の知識 及び技能 並びに人員が、第九十二条第一項の厚生労働省令で定める基準 及び同項の厚生労働省令で定める員数を満たしていないとき。

三 号

申請者が、第九十二条第二項第百十一条第三項 及び第百四十九条において準用する場合を含む。)に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従って適正な指定訪問看護事業の運営をすることができないと認められるとき。

四 号

申請者が、この法律の規定により指定訪問看護事業者に係る前条第一項の指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者であるとき。

五 号
申請者が、この法律 その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
六 号
申請者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者であるとき。
七 号

申請者が、社会保険料について、当該申請をした日の前日までに、社会保険各法 又は地方税法の規定に基づく滞納処分を受け、かつ、当該処分を受けた日から正当な理由なく三月以上の期間にわたり、当該処分を受けた日以降に納期限の到来した社会保険料のすべてを引き続き滞納している者であるとき。

八 号

前各号のほか、申請者が、指定訪問看護事業者として著しく不適当と認められる者であるとき。

1項

指定訪問看護事業者は、第九十二条第二項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従い、訪問看護を受ける者の心身の状況等に応じて自ら適切な指定訪問看護を提供するものとする。

2項

指定訪問看護事業者は、前項第百十一条第三項 及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定によるほか、この法律以外の医療保険各法による被保険者 及び被扶養者の指定訪問看護 並びに高齢者の医療の確保に関する法律による被保険者の指定訪問看護を提供するものとする。

1項
指定訪問看護事業者 及び当該指定に係る訪問看護事業所の看護師 その他の従業者は、指定訪問看護に関し、厚生労働大臣の指導を受けなければならない。
1項

指定訪問看護事業者は、当該指定に係る訪問看護事業所ごとに、厚生労働省令で定める基準に従い厚生労働省令で定める員数の看護師 その他の従業者を有しなければならない。

2項

前項に規定するもののほか、指定訪問看護の事業の運営に関する基準は、厚生労働大臣が定める。

3項

厚生労働大臣は、前項に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る)を定めようとするときは、中央社会保険医療協議会に諮問するものとする。

1項

指定訪問看護事業者は、当該指定に係る訪問看護事業所の名称 及び所在地 その他厚生労働省令で定める事項に変更があったとき、又は当該指定訪問看護の事業を廃止し、休止し、若しくは再開したときは、厚生労働省令で定めるところにより、十日以内に、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。

1項

厚生労働大臣は、訪問看護療養費の支給に関して必要があると認めるときは、指定訪問看護事業者 又は指定訪問看護事業者であった者 若しくは当該指定に係る訪問看護事業所の看護師 その他の従業者であった者(以下この項において「指定訪問看護事業者であった者等」という。)に対し報告 若しくは帳簿書類の提出 若しくは提示を命じ、指定訪問看護事業者 若しくは当該指定に係る訪問看護事業所の看護師 その他の従業者(指定訪問看護事業者であった者等を含む。)に対し出頭を求め、又は当該職員に関係者に対して質問させ、若しくは当該指定訪問看護事業者の当該指定に係る訪問看護事業所について帳簿書類 その他の物件を検査させることができる。

2項

第七条の三十八第二項の規定は前項の規定による質問 又は検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。

1項

厚生労働大臣は、次の各号いずれかに該当する場合においては、当該指定訪問看護事業者に係る第八十八条第一項の指定を取り消すことができる。

一 号

指定訪問看護事業者が、当該指定に係る訪問看護事業所の看護師 その他の従業者について、第九十二条第一項の厚生労働省令で定める基準 又は同項の厚生労働省令で定める員数を満たすことができなくなったとき。

二 号

指定訪問看護事業者が、第九十二条第二項第百十一条第三項 及び第百四十九条において準用する場合を含む。)に規定する指定訪問看護の事業の運営に関する基準に従って適正な指定訪問看護事業の運営をすることができなくなったとき。

三 号

第八十八条第六項第百十一条第三項 及び第百四十九条において準用する場合を含む。)の規定による支払に関する請求について不正があったとき。

四 号

指定訪問看護事業者が、前条第一項第百十一条第三項 及び第百四十九条において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定により報告 若しくは帳簿書類の提出 若しくは提示を命ぜられてこれに従わず、又は虚偽の報告をしたとき。

五 号

指定訪問看護事業者 又は当該指定に係る訪問看護事業所の看護師 その他の従業者が、前条第一項の規定により出頭を求められてこれに応ぜず、同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき(当該指定に係る訪問看護事業所の看護師 その他の従業者がその行為をした場合において、その行為を防止するため、当該指定訪問看護事業者が相当の注意 及び監督を尽くしたときを除く)。

六 号

この法律以外の医療保険各法による被保険者 若しくは被扶養者の指定訪問看護 又は高齢者の医療の確保に関する法律による被保険者の指定訪問看護に関し、第二号から前号までのいずれかに相当する事由があったとき。

七 号
指定訪問看護事業者が、不正の手段により指定訪問看護事業者の指定を受けたとき。
八 号
指定訪問看護事業者が、この法律 その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
九 号
指定訪問看護事業者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者に該当するに至ったとき。
十 号

前各号に掲げる場合のほか、指定訪問看護事業者が、この法律 その他国民の保健医療に関する法律で政令で定めるもの又はこれらの法律に基づく命令 若しくは処分に違反したとき。

1項

厚生労働大臣は、次に掲げる場合には、その旨を公示しなければならない。

一 号
指定訪問看護事業者の指定をしたとき。
二 号

第九十三条の規定による届出(同条の厚生労働省令で定める事項の変更 並びに同条に規定する事業の休止 及び再開に係るものを除く)があったとき。

三 号

前条の規定により指定訪問看護事業者の指定を取り消したとき。