公共工事の前払金保証事業に関する法律

# 昭和二十七年法律第百八十四号 #
略称 : 保証事業法 

第三章 前払金保証事業

分類 法律
カテゴリ   建築・住宅
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 07月11日 15時10分


1項

保証事業会社は、保証契約を締結しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けた前払金保証約款(以下「保証約款」という。)に基かなければならない。

2項
保証約款においては、左に掲げる事項を定めなければならない。
一 号
保証料の料率 及び支払に関する事項
二 号
保証金の額の決定 及び支払に関する事項
三 号
保証契約の解約に関する事項
四 号
その他国土交通省令で定める事項
3項

保証事業会社は、第一項の規定による承認を受けようとするときは、承認申請書に保証約款を記載した書類を添えて、これを国土交通大臣に提出しなければならない。

4項

国土交通大臣は、前項の規定による承認の申請があつた場合においては、第五項の規定により承認を拒否する場合を除く外、遅滞なく、その承認をしなければならない。

5項

国土交通大臣は、第三項の規定による承認の申請があつた場合において、保証約款の内容が法令に違反し、若しくは公正な運営を確保するため適当でないとき、又は保証約款を記載した書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事項の記載が欠けているときは、当該保証事業会社に通知して意見の聴取を行つた後、その承認を拒否しなければならない。

6項

第六条第二項から第四項までの規定は、前項の規定により意見の聴取を行おうとする場合について準用する。


この場合において、

同条第二項
登録」とあるのは
「承認」と、

登録申請者」とあるのは
「保証事業会社」と

読み替えるものとする。

7項

国土交通大臣は、第四項 又は第五項の規定により承認をし、又は承認を拒否した場合においては、遅滞なく、その旨を書面をもつて当該保証事業会社に通知しなければならない。

8項
保証事業会社は、保証約款を変更しようとするときは、その変更しようとする事項について国土交通大臣の承認を受けなければならない。
9項

第六条第二項から第四項まで 並びに第三項から第五項まで 及び第七項の規定は、前項の規定による変更の承認の場合について準用する。


この場合において、

第六条第二項
登録」とあるのは
「変更の承認」と、

登録申請者」とあるのは
「保証事業会社」と

読み替えるものとする。

1項
保証契約に係る公共工事の発注者は、保証契約の締結を条件として前金払をした場合においては、当該保証契約の利益を享受する旨の意思表示があつたものとみなす。
2項

前項に規定する発注者は、当該公共工事の請負者がその責に帰すべき事由に因り債務を履行しないためにその請負契約を解除したときは、保証事業会社に対して、保証契約で定めるところにより、書面をもつて保証金の支払を請求することができる。

3項

第一項に規定する発注者は、前項の規定による書面による請求に代えて、政令で定めるところにより、保証事業会社の承諾を得て、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものをいう。次項において同じ。)により当該請求をすることができる。


この場合において、当該発注者は、当該書面による請求をしたものとみなす。

4項

前項の規定による電磁的方法(国土交通省令で定める方法を除く)による請求は、保証事業会社の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時に当該保証事業会社に到達したものとみなす。

5項

第二項の請求があつた場合においては、保証事業会社は、同項の書面を受理した日から三十日以内に保証金を支払わなければならない。

1項

保証契約に係る公共工事の請負者がその責に帰すべき事由に因り債務を履行しないために発注者がその請負契約を解除できる場合において、その解除をしないで工事完成保証人(保証契約に係る公共工事の請負者がその請負債務を履行しない場合において、請負者に代わつて自らその公共工事を完成することを発注者に対して約する者をいう。以下同じ。)にその公共工事を完成することを請求するとともに、その旨を保証事業会社に通知し、工事完成保証人がこれを完成したときは、保証事業会社は、保証約款で定めるところにより、発注者がその解除をしたとするならば支払を請求することができた保証金に相当する額を限度として、工事完成保証人が請負者に求償することができる金額を工事完成保証人に対して支払うことができる。

2項

保証事業会社 及び工事完成保証人は、協議により、発注者の意見を聞いて、前項に規定する支払の額を予定することができる。

1項

保証事業会社は、第五条の規定により登録を受けた日の属する事業年度以降三事業年度を限つて、保証約款で定めるところにより、保証契約を締結した請負者(以下「保証契約者」という。)が支払つた保証料の総額に応じて保証料の一部を当該保証契約者に対して払い戻すことができる。

2項

保証事業会社が前項の規定により保証料の一部を払い戻したときは、その金額は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の規定によるその払戻しをした事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

3項

前項の規定は、法人税法第二条第三十号に規定する中間申告書で同法第七十二条第一項各号に掲げる事項を記載したもの 又は同法第二条第三十一号に規定する確定申告書に前項の規定の適用を受けようとする旨 及び払い戻した保証料の額に関する事項の記載がない場合においては、税務署長において特別の事情があると認める場合を除くほか、適用しない

1項

保証事業会社は、事業年度末においてまだ経過していない保証契約があるときは、次に掲げる金額のうちいずれか多い金額を、事業年度ごとに責任準備金として計上しなければならない。

一 号
当該保証契約の保証期間のうちまだ経過していない期間に対応する保証料の総額に相当する金額
二 号

当該事業年度において受け取つた保証料(当該保証料に係る保証契約の解約により返還した保証料を除く)の総額から当該保証料に係る保証契約に基いて支払つた保証金(当該保証金の支払に基く保証契約者からの収入金を除く)及び保証金以外の支払金、当該保証料に係る保証契約のために積み立てるべき支払備金 並びに当該事業年度の事業費の合計額を控除した残額に相当する金額

2項

保証事業会社が前項の規定により責任準備金を計上した場合においては、その計上した金額は、法人税法の規定によるその計上した事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

3項

前項の規定により損金の額に算入された責任準備金の金額は、法人税法の規定によるその翌事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。

1項

保証事業会社は、決算期ごとに左の各号の一に掲げる金額がある場合においては、支払備金として当該各号に掲げる金額を積み立てなければならない。

一 号
保証契約に基いて支払うべき保証金 その他の金額のうちに決算期までにその支払が終らないものがある場合においては、その金額
二 号
保証契約に基いて支払う義務が生じたと認められる保証金 その他の金額がある場合においては、その支払うべきものと認められる金額
三 号
現に保証金 その他の金額について訴訟が係属しているために支払つていないものがある場合においては、その金額
1項

保証事業会社は、発注者の責に帰すべき事由に因り請負契約が解除された場合においては、発注者(第十三条の二第一項の規定による支払に関する事項が保証約款に定められている場合においては、工事完成保証人を含む。以下本条中同じ。)の同意を得ないで保証契約を解約することができる。

2項
保証事業会社は、保証契約者から申入があり、且つ、発注者が同意した場合においては、保証契約を解約することができる。
1項
保証事業会社は、左に掲げる事業の外、他の事業を営んではならない。
一 号

公共工事の請負者が銀行 その他の政令で定める金融機関から当該公共工事に関する資金(設備の取得 及び改良に関する資金を除く)の貸付を受ける場合において、その債務を保証する事業

二 号

土木建築に関する工事の請負を業とする者が前号に規定する金融機関から土木建築に関する工事の用に供することを目的とする重要な機械類の取得に関する資金の貸付を受ける場合(次号に規定する場合に該当する場合を除く)において、その債務を保証する事業

三 号

土木建築に関する工事の請負を業とする者 又は土木建築に関する工事の設計 若しくは監理 若しくは土木建築に関する工事に関する調査、企画、立案 若しくは助言を行うことの請負 若しくは受託を業とする者(以下「建設コンサルタント」という。)が銀行 その他の政令で定める金融機関から外国において行うこれらの業務(公共工事に関するものを除く)に関する資金の貸付 又は債務の保証を受ける場合において、これらの者が当該金融機関に対して負担する債務を保証する事業

四 号

前払金保証事業 及び前各号に掲げる事業に附随する事業

1項

保証事業会社は、前条第一号から第三号までに規定する債務の保証に関する契約を締結しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けた公共工事金融保証約款、建設機械金融保証約款 又は海外建設事業金融保証約款(以下「金融保証約款」と総称する。)に基かなければならない。

2項
金融保証約款において定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
3項

第十二条第三項から第九項までの規定は、金融保証約款に関する承認について準用する。


この場合において、

同条第三項第五項 及び第八項
保証約款」とあるのは、
「金融保証約款」と

読み替えるものとする。

1項
保証事業会社の常務に従事する役員が他の会社の常務に従事しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。