公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律

# 平成十八年法律第四十九号 #
略称 : 公益法人法  公益法人認定法 

第一節 公益法人の認定

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和四年九月一日 ( 2022年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 00時54分


1項

公益目的事業を行う一般社団法人 又は一般財団法人は、行政庁の認定を受けることができる。

1項

行政庁は、前条の認定(以下「公益認定」という。)の申請をした一般社団法人 又は一般財団法人が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、当該法人について公益認定をするものとする。

一 号

公益目的事業を行うことを主たる目的とするものであること。

二 号

公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎 及び技術的能力を有するものであること。

三 号

その事業を行うに当たり、社員、評議員、理事、監事、使用人 その他の政令で定める当該法人の関係者に対し特別の利益を与えないものであること。

四 号

その事業を行うに当たり、株式会社 その他の営利事業を営む者 又は特定の個人 若しくは団体の利益を図る活動を行うものとして政令で定める者に対し、寄附 その他の特別の利益を与える行為を行わないものであること。


ただし、公益法人に対し、当該公益法人が行う公益目的事業のために寄附 その他の特別の利益を与える行為を行う場合は、この限りでない。

五 号
投機的な取引、高利の融資 その他の事業であって、公益法人の社会的信用を維持する上でふさわしくないものとして政令で定めるもの又は公の秩序 若しくは善良の風俗を害するおそれのある事業を行わないものであること。
六 号
その行う公益目的事業について、当該公益目的事業に係る収入がその実施に要する適正な費用を償う額を超えないと見込まれるものであること。
七 号

公益目的事業以外の事業(以下「収益事業等」という。)を行う場合には、収益事業等を行うことによって公益目的事業の実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。

八 号

その事業活動を行うに当たり、第十五条に規定する公益目的事業比率が百分の五十以上となると見込まれるものであること。

九 号

その事業活動を行うに当たり、第十六条第二項に規定する遊休財産額が同条第一項の制限を超えないと見込まれるものであること。

十 号

各理事について、当該理事 及びその配偶者 又は三親等内の親族(これらの者に準ずるものとして当該理事と政令で定める特別の関係がある者を含む。)である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。

十一 号

他の同一の団体(公益法人 又はこれに準ずるものとして政令で定めるものを除く)の理事 又は使用人である者 その他これに準ずる相互に密接な関係にあるものとして政令で定める者である理事の合計数が理事の総数の三分の一を超えないものであること。監事についても、同様とする。

十二 号

会計監査人を置いているものであること。


ただし、毎事業年度における当該法人の収益の額、費用 及び損失の額 その他の政令で定める勘定の額がいずれも政令で定める基準に達しない場合は、この限りでない。

十三 号

その理事、監事 及び評議員に対する報酬等(報酬、賞与 その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益 及び退職手当をいう。以下同じ。)について、内閣府令で定めるところにより、民間事業者の役員の報酬等 及び従業員の給与、当該法人の経理の状況 その他の事情を考慮して、不当に高額なものとならないような支給の基準を定めているものであること。

十四 号

一般社団法人にあっては、次のいずれにも該当するものであること。

社員の資格の得喪に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをする条件 その他の不当な条件を付していないものであること。

社員総会において行使できる議決権の数、議決権を行使することができる事項、議決権の行使の条件 その他の社員の議決権に関する定款の定めがある場合には、その定めが次のいずれにも該当するものであること。

(1)
社員の議決権に関して、当該法人の目的に照らし、不当に差別的な取扱いをしないものであること。
(2)
社員の議決権に関して、社員が当該法人に対して提供した金銭 その他の財産の価額に応じて異なる取扱いを行わないものであること。
理事会を置いているものであること。
十五 号

他の団体の意思決定に関与することができる株式 その他の内閣府令で定める財産を保有していないものであること。


ただし、当該財産の保有によって他の団体の事業活動を実質的に支配するおそれがない場合として政令で定める場合は、この限りでない。

十六 号
公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨 並びにその維持 及び処分の制限について、必要な事項を定款で定めているものであること。
十七 号

第二十九条第一項 若しくは第二項の規定による公益認定の取消しの処分を受けた場合 又は合併により法人が消滅する場合(その権利義務を承継する法人が公益法人であるときを除く)において、公益目的取得財産残額(第三十条第二項に規定する公益目的取得財産残額をいう。)があるときは、これに相当する額の財産を当該公益認定の取消しの日 又は当該合併の日から一箇月以内に類似の事業を目的とする他の公益法人 若しくは次に掲げる法人 又は国 若しくは地方公共団体に贈与する旨を定款で定めているものであること。

私立学校法昭和二十四年法律第二百七十号)第三条に規定する学校法人

社会福祉法昭和二十六年法律第四十五号第二十二条に規定する社会福祉法人

更生保護事業法平成七年法律第八十六号第二条第六項に規定する更生保護法人

独立行政法人通則法平成十一年法律第百三号第二条第一項に規定する独立行政法人

国立大学法人法平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人 又は同条第三項に規定する大学共同利用機関法人

地方独立行政法人法平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人

その他イからヘまでに掲げる法人に準ずるものとして政令で定める法人

十八 号

清算をする場合において残余財産を類似の事業を目的とする他の公益法人 若しくは前号イからトまでに掲げる法人 又は国 若しくは地方公共団体に帰属させる旨を定款で定めているものであること。

1項

前条の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する一般社団法人 又は一般財団法人は、公益認定を受けることができない。

一 号

その理事、監事 及び評議員のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの

公益法人が第二十九条第一項 又は第二項の規定により公益認定を取り消された場合において、その取消しの原因となった事実があった日以前一年内に当該公益法人の業務を行う理事であった者でその取消しの日から五年を経過しないもの

この法律、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律平成十八年法律第四十八号。以下「一般社団・財団法人法」という。)若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律平成三年法律第七十七号)の規定(同法第三十二条の三第七項 及び第三十二条の十一第一項の規定を除く)に違反したことにより、若しくは刑法明治四十年法律第四十五号第二百四条第二百六条第二百八条第二百八条の二第一項第二百二十二条 若しくは第二百四十七条の罪 若しくは暴力行為等処罰に関する法律大正十五年法律第六十号第一条第二条 若しくは第三条の罪を犯したことにより、又は国税 若しくは地方税に関する法律中偽り その他不正の行為により国税 若しくは地方税を免れ、納付せず、若しくはこれらの税の還付を受け、若しくはこれらの違反行為をしようとすることに関する罪を定めた規定に違反したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第六号において「暴力団員等」という。

二 号

第二十九条第一項 又は第二項の規定により公益認定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しないもの

三 号
その定款 又は事業計画書の内容が法令 又は法令に基づく行政機関の処分に違反しているもの
四 号

その事業を行うに当たり法令上必要となる行政機関の許認可等(行政手続法平成五年法律第八十八号第二条第三号に規定する許認可等をいう。以下同じ。)を受けることができないもの

五 号

国税 又は地方税の滞納処分の執行がされているもの又は当該滞納処分の終了の日から三年を経過しないもの

六 号
暴力団員等がその事業活動を支配するもの
1項

公益認定の申請は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を行政庁に提出してしなければならない。

一 号
名称 及び代表者の氏名
二 号

公益目的事業を行う都道府県の区域(定款に定めがある場合に限る)並びに主たる事務所 及び従たる事務所の所在場所

三 号
その行う公益目的事業の種類 及び内容
四 号
その行う収益事業等の内容
2項

前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一 号
定款
二 号
事業計画書 及び収支予算書
三 号

事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合においては、当該許認可等があったこと 又はこれを受けることができることを証する書類

四 号
当該公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を有することを明らかにする財産目録、貸借対照表 その他の内閣府令で定める書類
五 号

第五条第十三号に規定する報酬等の支給の基準を記載した書類

六 号

前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める書類

1項

行政庁は、公益認定をしようとするときは、次の各号に掲げる事由の区分に応じ、当該事由の有無について、当該各号に定める者の意見を聴くものとする。

一 号

第五条第一号第二号 及び第五号 並びに第六条第三号 及び第四号に規定する事由(事業を行うに当たり法令上行政機関の許認可等を必要とする場合に限る)当該行政機関(以下「許認可等行政機関」という。

二 号

第六条第一号ニ 及び第六号に規定する事由 行政庁が内閣総理大臣である場合にあっては警察庁長官、都道府県知事である場合にあっては警視総監 又は道府県警察本部長(以下「警察庁長官等」という。

三 号

第六条第五号に規定する事由 国税庁長官、関係都道府県知事 又は関係市町村長(以下「国税庁長官等」という。

1項
公益認定を受けた一般社団法人 又は一般財団法人は、その名称中の一般社団法人 又は一般財団法人の文字をそれぞれ公益社団法人 又は公益財団法人と変更する定款の変更をしたものとみなす。
2項

前項の規定による名称の変更の登記の申請書には、公益認定を受けたことを証する書面を添付しなければならない。

3項
公益社団法人 又は公益財団法人は、その種類に従い、その名称中に公益社団法人 又は公益財団法人という文字を用いなければならない。
4項
公益社団法人 又は公益財団法人でない者は、その名称 又は商号中に、公益社団法人 又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
5項
何人も、不正の目的をもって、他の公益社団法人 又は公益財団法人であると誤認されるおそれのある名称 又は商号を使用してはならない。
6項

公益法人については、一般社団・財団法人法第五条第一項の規定は、適用しない

1項

行政庁は、公益認定をしたときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。

1項

公益法人は、次に掲げる変更をしようとするときは、行政庁の認定を受けなければならない。


ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、この限りでない。

一 号

公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る)又は主たる事務所 若しくは従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設 又は廃止を含む。

二 号
公益目的事業の種類 又は内容の変更
三 号
収益事業等の内容の変更
2項

前項の変更の認定を受けようとする公益法人は、内閣府令で定めるところにより、変更に係る事項を記載した申請書を行政庁に提出しなければならない。

3項

前項の申請書には、内閣府令で定める書類を添付しなければならない。

4項

第五条 及び第六条第二号除く)の規定は第一項各号に掲げる変更の認定について、第八条第一号吸収合併に伴い当該変更の認定をする場合にあっては、同条各号)の規定は同項第二号 及び第三号に掲げる変更の認定について、前条の規定は同項の変更の認定をしたときについて、それぞれ準用する。

1項

行政庁の変更を伴う変更の認定に係る前条第二項の申請書は、変更前の行政庁を経由して変更後の行政庁に提出しなければならない。

2項

前項の場合において、当該変更の認定をしたときは、変更後の行政庁は、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、変更前の行政庁から事務の引継ぎを受けなければならない。

1項

公益法人は、次に掲げる変更(合併に伴うものを除く)があったときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を行政庁に届け出なければならない。

一 号
名称 又は代表者の氏名の変更
二 号

第十一条第一項ただし書の内閣府令で定める軽微な変更

三 号

定款の変更(第十一条第一項各号に掲げる変更 及び前二号に掲げる変更に係るものを除く

四 号

前三号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項の変更

2項

行政庁は、前項第一号に掲げる変更について同項の規定による届出があったときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。