刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律

# 平成十七年法律第五十号 #
略称 : 刑事施設法  刑事収容施設法  刑事被収容者処遇法 

第二款 信書の発受

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 07月23日 17時12分

1項

留置業務管理者は、被留置者に対し、この款 又は第二百二十八条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。


ただし、その被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。

1項

留置業務管理者は、その指名する職員に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。

2項

留置業務管理者は、留置施設の規律 及び秩序の維持 その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、未決拘禁者以外の被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。

3項

次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。


ただし第一号ハ 及び第二号ロに掲げる信書について、留置施設の規律 及び秩序を害する結果 又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。

一 号

被留置者が次に掲げる者から受ける信書

弁護人等
国 又は地方公共団体の機関

自己に対する留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人 及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。

二 号

未決拘禁者以外の被留置者が次に掲げる者に対して発する信書

自己に対する留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国 又は地方公共団体の機関

自己に対する留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

1項

留置業務管理者は、犯罪性のある者 その他被留置受刑者が信書を発受することにより、留置施設の規律 及び秩序を害し、又は被留置受刑者の改善更生に支障を生ずるおそれがある者(被留置受刑者の親族を除く)については、被留置受刑者がその者との間で信書を発受することを禁止することができる。


ただし、婚姻関係の調整、訴訟の遂行、事業の維持 その他の被留置受刑者の身分上、法律上又は業務上の重大な利害に係る用務の処理のため信書を発受する場合は、この限りでない。

1項

留置業務管理者は、第二百二十二条の規定による検査の結果、被留置者が発受する信書について、その全部 又は一部が次の各号いずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。


同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部 又は一部が次の各号いずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。

一 号

暗号の使用 その他の理由によって、留置業務に従事する職員が理解できない内容のものであるとき。

二 号

発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。

三 号

発受によって、留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

四 号

威迫にわたる記述 又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。

五 号

受信者を著しく侮辱する記述があるとき。

六 号

未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

七 号

被留置受刑者が発受する信書について、その発受によって、その改善更生に支障を生ずるおそれがあるとき。

2項

前項の規定にかかわらず、被留置者が国 又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除 若しくは抹消は、その部分の全部 又は一部が前項第一号から第三号まで 又は第六号いずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。

1項

留置業務管理者は、内閣府令で定めるところにより、被留置者が発する信書の作成要領、その発信の申請の日 及び時間帯、被留置者が発信を申請する信書(弁護人等に対して発するものを除く)の通数 並びに被留置者の信書の発受の方法について、留置施設の管理運営上必要な制限をすることができる。

2項

前項の規定により被留置者が発信を申請する信書の通数について制限をするときは、その通数は、一日につき一通を下回ってはならない

1項

留置業務管理者は、第二百二十三条第二百二十四条 又は第二百二十八条第三項の規定により信書の発受を禁止し、又は差し止めた場合にはその信書を、第二百二十四条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。

2項

留置業務管理者は、第二百二十四条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。

3項

留置業務管理者は、被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部 若しくは一部 又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。

4項

留置業務管理者は、被留置者が死亡した場合には、内閣府令で定めるところにより、その遺族等(内閣府令で定める遺族 その他の者をいう。第二百三十九条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。

5項

前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。


次に掲げる場合において、その引渡しにより留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。

一 号

釈放された被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

二 号

被留置者が、第百九十八条において準用する第五十四条第一項第一号 又は第二号いずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

6項

第五十三条第一項第五十四条第一項第三号除く)並びに第五十五条第二項 及び第三項の規定は、被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く)について準用する。


この場合において、

第五十三条第一項第五十四条第一項 及び第五十五条第三項
国庫」とあるのは
「その留置施設の属する都道府県」と、

第五十四条第一項第二号
第八十三条第二項」とあるのは
第二百十五条第二項」と、

第五十五条第二項 及び第三項
第百七十六条」とあるのは
第二百三十九条」と、

同条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「留置業務管理者」と、

同条第三項
第一項の申請」とあるのは
第二百二十六条第四項の申請」と

読み替えるものとする。

7項

第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、被留置者の釈放 若しくは死亡の日 又は被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号 若しくは第二号いずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、その留置施設の属する都道府県に帰属する。

1項

第百三十一条の規定は被留置者の信書について、第百三十三条の規定は被留置者の文書図画について、それぞれ準用する。


この場合において、

これらの規定中
刑事施設の長」とあるのは
「留置業務管理者」と、

第百三十一条
国庫」とあるのは
「その留置施設の属する都道府県」と

読み替えるものとする。