刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律

# 平成十七年法律第五十号 #
略称 : 刑事施設法  刑事収容施設法  刑事被収容者処遇法 

第十節 外部交通

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 07月23日 17時12分


第一款 面会

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、他の者から面会の申出があったときは、第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、これを許すものとする。


ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより面会が許されないときは、この限りでない。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者の面会(弁護人等との面会を除く)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させるものとする。

2項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律 及び秩序の維持 その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者の面会(弁護人等との面会を除く)に立ち会わせ、又はその面会の状況を録音させ、若しくは録画させることができる。

3項

海上保安留置業務管理者は、前二項の規定にかかわらず、海上保安被留置者の次に掲げる者との面会については、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果 又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合を除き、その立会い 並びに録音 及び録画をさせてはならない

一 号

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国 又は地方公共団体の機関の職員

二 号

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

1項

海上保安留置担当官は、次の各号のいずれか(弁護人等との面会の場合にあっては、第一号ロ限る)に該当する場合には、その行為 若しくは発言を制止し、又はその面会を一時停止させることができる。


この場合においては、面会の一時停止のため、海上保安被留置者 又は面会の相手方に対し面会の場所からの退出を命じ、その他必要な措置を執ることができる。

一 号

海上保安被留置者 又は面会の相手方が次の 又はいずれかに該当する行為をするとき。

次条において準用する第二百二十条第五項の規定による制限に違反する行為

海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する行為

二 号

海上保安被留置者 又は面会の相手方が次のイからハまでいずれかに該当する内容の発言をするとき。

暗号の使用 その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できないもの

犯罪の実行を共謀し、あおり、又は唆すもの

海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれのあるもの

三 号

未決拘禁者 又はその面会の相手方が罪証の隠滅の結果を生ずるおそれのある内容の発言をするとき。

2項

海上保安留置業務管理者は、前項の規定により面会が一時停止された場合において、面会を継続させることが相当でないと認めるときは、その面会を終わらせることができる。

1項

第二百二十条の規定は、海上保安被留置者の面会について準用する。


この場合において、

同条第一項 及び第三項から第五項までの規定中
留置施設」とあるのは
「海上保安留置施設」と、

同条第三項から第五項までの規定中
留置業務管理者」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同条第四項 及び第五項
内閣府令」とあるのは
「国土交通省令」と

読み替えるものとする。

第二款 信書の発受

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者に対し、この款 又は第二百七十四条第三項の規定により禁止される場合を除き、他の者との間で信書を発受することを許すものとする。


ただし、その海上保安被留置者が未決拘禁者である場合において、刑事訴訟法の定めるところにより信書の発受が許されないときは、この限りでない。

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置担当官に、未決拘禁者が発受する信書について、検査を行わせるものとする。

2項

海上保安留置業務管理者は、海上保安留置施設の規律 及び秩序の維持 その他の理由により必要があると認める場合には、海上保安留置担当官に、未決拘禁者以外の海上保安被留置者が発受する信書について、検査を行わせることができる。

3項

次に掲げる信書については、前二項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。


ただし第一号ハ 及び第二号ロに掲げる信書について、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果 又は未決拘禁者について罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。

一 号

海上保安被留置者が次に掲げる者から受ける信書

弁護人等
国 又は地方公共団体の機関

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人 及び弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。以下この款において同じ。

二 号

未決拘禁者以外の海上保安被留置者が次に掲げる者に対して発する信書

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国 又は地方公共団体の機関

自己に対する海上保安留置業務管理者の措置 その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士

1項

海上保安留置業務管理者は、前条の規定による検査の結果、海上保安被留置者が発受する信書について、その全部 又は一部が次の各号いずれかに該当する場合には、その発受を差し止め、又はその該当箇所を削除し、若しくは抹消することができる。


同条第三項各号に掲げる信書について、これらの信書に該当することを確認する過程においてその全部 又は一部が次の各号いずれかに該当することが判明した場合も、同様とする。

一 号

暗号の使用 その他の理由によって、海上保安留置担当官が理解できない内容のものであるとき。

二 号

発受によって、刑罰法令に触れることとなり、又は刑罰法令に触れる結果を生ずるおそれがあるとき。

三 号

発受によって、海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるとき。

四 号

威迫にわたる記述 又は明らかな虚偽の記述があるため、受信者を著しく不安にさせ、又は受信者に損害を被らせるおそれがあるとき。

五 号

受信者を著しく侮辱する記述があるとき。

六 号

未決拘禁者が発受する信書について、その発受によって、罪証の隠滅の結果を生ずるおそれがあるとき。

2項

前項の規定にかかわらず、海上保安被留置者が国 又は地方公共団体の機関との間で発受する信書であってその機関の権限に属する事項を含むもの及び海上保安被留置者が弁護士との間で発受する信書であってその海上保安被留置者に係る弁護士法第三条第一項に規定する弁護士の職務に属する事項を含むものについては、その発受の差止め又はその事項に係る部分の削除 若しくは抹消は、その部分の全部 又は一部が前項第一号から第三号まで 又は第六号いずれかに該当する場合に限り、これを行うことができる。

1項

海上保安留置業務管理者は、前条 又は第二百七十四条第三項の規定により信書の発受を差し止め、又は禁止した場合にはその信書を、前条の規定により信書の一部を削除した場合にはその削除した部分を保管するものとする。

2項

海上保安留置業務管理者は、前条の規定により信書の記述の一部を抹消する場合には、その抹消する部分の複製を作成し、これを保管するものとする。

3項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者の釈放の際、前二項の規定により保管する信書の全部 若しくは一部 又は複製(以下この章において「発受禁止信書等」という。)をその者に引き渡すものとする。

4項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者が死亡した場合には、国土交通省令で定めるところにより、その遺族等(国土交通省令で定める遺族 その他の者をいう。第二百八十五条において同じ。)に対し、その申請に基づき、発受禁止信書等を引き渡すものとする。

5項

前二項の規定にかかわらず、発受禁止信書等の引渡しにより海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときは、これを引き渡さないものとする。


次に掲げる場合において、その引渡しにより海上保安留置施設の規律 及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあるときも、同様とする。

一 号

釈放された海上保安被留置者が、釈放後に、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

二 号

海上保安被留置者が、第二百五十三条において準用する第五十四条第一項第一号 又は第二号いずれかに該当する場合において、発受禁止信書等の引渡しを求めたとき。

6項

第五十三条第一項第五十四条第一項第三号除く)並びに第五十五条第二項 及び第三項の規定は、海上保安被留置者に係る発受禁止信書等(前項の規定により引き渡さないこととされたものを除く)について準用する。


この場合において、

第五十四条第一項第二号
第八十三条第二項」とあるのは
第二百六十三条第二項」と、

第五十五条第二項 及び第三項
第百七十六条」とあるのは
第二百八十五条」と、

同条第二項
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

同条第三項
第一項の申請」とあるのは
第二百七十二条第四項の申請」と

読み替えるものとする。

7項

第五項の規定により引き渡さないこととした発受禁止信書等は、海上保安被留置者の釈放 若しくは死亡の日 又は海上保安被留置者が前項において準用する第五十四条第一項第一号 若しくは第二号いずれかに該当することとなった日から起算して三年を経過した日に、国庫に帰属する。

1項

第百三十一条の規定は海上保安被留置者の信書について、第百三十三条の規定は海上保安被留置者の文書図画について、第二百二十五条の規定は海上保安留置業務管理者による海上保安被留置者の信書に関する制限について、それぞれ準用する。


この場合において、

第百三十一条 及び第百三十三条
刑事施設の長」とあるのは
「海上保安留置業務管理者」と、

第二百二十五条第一項
内閣府令」とあるのは
「国土交通省令」と、

留置施設」とあるのは
「海上保安留置施設」と

読み替えるものとする。

第三款 外国語による面会等

1項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者 又はその面会の相手方が国語に通じない場合には、外国語による面会を許すものとする。


この場合において、発言の内容を確認するため通訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。

2項

海上保安留置業務管理者は、海上保安被留置者 又はその信書の発受の相手方が国語に通じない場合 その他相当と認める場合には、外国語による信書の発受を許すものとする。


この場合において、信書の内容を確認するため翻訳が必要であるときは、国土交通省令で定めるところにより、その海上保安被留置者にその費用を負担させることができる。

3項

海上保安被留置者が前二項の規定により負担すべき費用を負担しないときは、その面会 又は信書の発受を許さない。