刑事訴訟法

# 昭和二十三年法律第百三十一号 #
略称 : 刑訴法 

第六編 略式手続

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和六年二月十五日 ( 2024年 2月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十六号による改正
最終編集日 : 2024年 04月28日 03時04分


1項

簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金 又は科料を科することができる。


この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。

1項

検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。

○2項

被疑者は、略式手続によることについて異議がないときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。

1項

略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、書面でこれをしなければならない。

○2項

前項の書面には、前条第二項の書面を添附しなければならない。

1項

検察官は、略式命令の請求をする場合において、その事件について被告人との間でした第三百五十条の二第一項の合意があるときは、当該請求と同時に、合意内容書面を裁判所に差し出さなければならない。

○2項

前項の規定により合意内容書面を裁判所に差し出した後、裁判所が略式命令をする前に、当該合意の当事者が第三百五十条の十第二項の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしたときは、検察官は、遅滞なく、同項の書面をその裁判所に差し出さなければならない。

1項

第四百六十二条の請求があつた場合において、その事件が略式命令をすることができないものであり、又はこれをすることが相当でないものであると思料するときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。

○2項

検察官が、第四百六十一条の二に定める手続をせず、又は第四百六十二条第二項に違反して略式命令を請求したときも、前項と同様である。

○3項

裁判所は、前二項の規定により通常の規定に従い審判をするときは、直ちに検察官にその旨を通知しなければならない。

○4項

検察官は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、裁判所に対し、被告人に送達するものとして、起訴状の謄本を提出しなければならない。

5項

第一項 及び第二項の場合には、第二百七十一条 及び第二百七十一条の二の規定の適用があるものとする。


この場合において、

第二百七十一条第一項
公訴の提起」とあるのは
第四百六十三条第四項の規定による起訴状の謄本の提出」と、

同条第二項
公訴の提起が」とあるのは
第四百六十三条第三項の規定による通知が」と、

第二百七十一条の二第二項
公訴の提起において、裁判所に対し、起訴状とともに」とあるのは
第四百六十三条第三項の規定による通知を受けた後速やかに、裁判所に対し」と

する。

6項

前項において 読み替えて適用する第二百七十一条の二第二項の規定による起訴状抄本等の提出は、第三百三十八条第四号に係る部分に限る)の規定の適用については、公訴の提起においてされたものとみなす。

1項

前条の場合を除いて、略式命令の請求があつた日から四箇月以内に略式命令が被告人に告知されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。

○2項

前項の場合には、裁判所は、決定で、公訴を棄却しなければならない。


略式命令が既に検察官に告知されているときは、略式命令を取り消した上、その決定をしなければならない。

○3項

前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

略式命令には、罪となるべき事実、適用した法令、科すべき刑 及び附随の処分 並びに略式命令の告知があつた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる旨を示さなければならない。

1項

略式命令を受けた者 又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。

○2項

正式裁判の請求は、略式命令をした裁判所に、書面でこれをしなければならない。


正式裁判の請求があつたときは、裁判所は、速やかにその旨を検察官 又は略式命令を受けた者に通知しなければならない。

1項

正式裁判の請求は、第一審の判決があるまでこれを取り下げることができる。

1項

第三百五十三条第三百五十五条乃至第三百五十七条第三百五十九条第三百六十条 及び第三百六十一条乃至第三百六十五条の規定は、正式裁判の請求 又はその取下についてこれを準用する。

1項

正式裁判の請求が法令上の方式に違反し、又は請求権の消滅後にされたものであるときは、決定でこれを棄却しなければならない。


この決定に対しては、即時抗告をすることができる。

○2項

正式裁判の請求を適法とするときは、通常の規定に従い、審判をしなければならない。

○3項

前項の場合においては、略式命令に拘束されない。

4項

検察官は、第二項の規定により通常の規定に従い審判をすることとされた場合において、起訴状に記載された第二百七十一条の二第一項第一号 又は第二号に掲げる者の個人特定事項について、必要と認めるときは、裁判所に対し、当該個人特定事項が被告人に知られないようにするための措置をとることを求めることができる。

5項

前項の規定による求めは、第二百七十一条の二第一項の規定による求めとみなして、同条第二項の規定を適用する。


この場合において、

同項
公訴の提起において、裁判所に対し、起訴状とともに」とあるのは、
「速やかに、裁判所に対し」と

する。

6項

第四百六十三条第六項の規定は、前項において読み替えて適用する第二百七十一条の二第二項の規定による起訴状抄本等の提出について準用する。

1項

正式裁判の請求により判決をしたときは、略式命令は、その効力を失う。

1項

略式命令は、正式裁判の請求期間の経過 又はその請求の取下により、確定判決と同一の効力を生ずる。


正式裁判の請求を棄却する裁判が確定したときも、同様である。