刑法

# 明治四十年法律第四十五号 #

第四章 刑の執行猶予

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和五年七月十三日 ( 2023年 7月13日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十六号による改正
最終編集日 : 2024年 03月28日 08時43分


1項

次に掲げる者が三年以下の懲役 若しくは禁錮 又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。

一 号

前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

二 号

前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日 又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

2項

前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても その刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役 又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。


ただし次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

1項

前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ、同条第二項の場合においては猶予の期間中 保護観察に付する。

2項

前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。

3項

前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、前条第二項ただし書 及び第二十六条の二第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。

1項

次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない


ただし第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。

一 号

猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。

二 号

猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。

三 号

猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられたことが発覚したとき。

1項

次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。

一 号

猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。

二 号

第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。

三 号

猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部の執行を猶予されたことが発覚したとき。

1項

前二条の規定により禁錮以上の刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の禁錮以上の刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。

1項

刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。

1項

次に掲げる者が三年以下の懲役 又は禁錮の言渡しを受けた場合において、犯情の軽重 及び犯人の境遇 その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められるときは、一年以上五年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができる。

一 号

前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

二 号

前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その刑の全部の執行を猶予された者

三 号

前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日 又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

2項

前項の規定によりその一部の執行を猶予された刑については、そのうち執行が猶予されなかった部分の期間を執行し、当該部分の期間の執行を終わった日 又はその執行を受けることがなくなった日から、その猶予の期間を起算する。

3項

前項の規定にかかわらず、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時において他に執行すべき懲役 又は禁錮があるときは、第一項の規定による猶予の期間は、その執行すべき懲役 若しくは禁錮の執行を終わった日 又はその執行を受けることがなくなった日から起算する。

1項

前条第一項の場合においては、猶予の期間中保護観察に付することができる。

2項

前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。

3項

前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、第二十七条の五第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。

1項

次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない


ただし第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十七条の二第一項第三号に掲げる者であるときは、この限りでない。

一 号

猶予の言渡し後に更に罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられたとき。

二 号

猶予の言渡し前に犯した他の罪について禁錮以上の刑に処せられたとき。

三 号

猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないことが発覚したとき。

1項

次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。

一 号

猶予の言渡し後に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。

二 号

第二十七条の三第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守しなかったとき。

1項

前二条の規定により刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の禁錮以上の刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。

1項

刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消されることなく その猶予の期間を経過したときは、その懲役 又は禁錮を執行が猶予されなかった部分の期間を刑期とする懲役 又は禁錮に減軽する。


この場合においては、当該部分の期間の執行を終わった日 又はその執行を受けることがなくなった日において、刑の執行を受け終わったものとする。