第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後は、起業者 又はその命を受けた者 若しくは委任を受けた者は、事業の準備のため又は次条第一項の土地調書 及び物件調書の作成のために、その土地 又はその土地にある工作物に立ち入つて、これを測量し、又はその土地 及びその土地 若しくは工作物にある物件を調査することができる。
土地収用法
第一節 調書の作成
前項の規定によつて土地 又は工作物に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日の三日前までに、その日時 及び場所を当該土地 又は工作物の占有者に通知しなければならない。
第十二条第三項 及び第四項、第十三条 並びに第十五条第一項、第三項 及び第四項の規定は、第一項の場合に準用する。
この場合において、
第十二条第三項中
「前条第三項」とあり、
又は第十三条 及び第十五条第一項中
「第十一条第三項」とあるのは
「第三十五条第一項」と、
第十二条第三項 及び第四項中
「又はかき、さく等で囲まれた土地」とあるのは
「若しくはかき、さく等で囲まれた土地 又は工作物」と、
同条第三項、第十三条 及び第十五条第一項中
「土地」とあり、
又は同条第三項中
「土地 又は障害物」とあるのは
「土地 又は工作物」と、
第十五条第一項中
「証票 及び都道府県知事の許可証(起業者が国 又は地方公共団体である場合を除く。)」とあり、
又は同条第三項中
「証票 又は許可証」と、若しくは第四項中
「証票 及び許可証」とあるのは
「証票」と
読み替えるものとする。
第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後、起業者は、土地調書 及び物件調書を作成しなければならない。
前項の規定により土地調書 及び物件調書を作成する場合において、起業者は、自ら土地調書 及び物件調書に署名押印し、土地所有者 及び関係人(起業者が過失がなくて知ることができない者を除く。以下この節において同じ。)を立ち会わせた上、土地調書 及び物件調書に署名押印させなければならない。
前項の場合において、土地所有者 及び関係人のうち、土地調書 及び物件調書の記載事項が真実でない旨の異議を有する者は、その内容を当該調書に附記して署名押印することができる。
第二項の場合において、土地所有者 及び関係人のうちに、同項の規定による署名押印を拒んだ者、同項の規定による署名押印を求められたにもかかわらず相当の期間内にその責めに帰すべき事由によりこれをしない者 又は同項の規定による署名押印をすることができない者があるときは、起業者は、市町村長の立会い 及び署名押印を求めなければならない。
この場合において、市町村長は、当該市町村の職員を立ち会わせ、署名押印させることができる。
前項の場合において、市町村長が署名押印を拒んだときは、都道府県知事は、起業者の申請により、当該都道府県の職員のうちから立会人を指名し、署名押印させなければならない。
前二項の規定による立会人は、起業者 又は起業者に対し第六十一条第一項第二号 又は第三号の規定に該当する関係にある者であつてはならない。
起業者は、第一号に掲げる場合にあつては前条第一項の土地調書を、第二号に掲げる場合にあつては同項の物件調書を、それぞれ、同条第二項から第六項までに定める手続に代えて、次項から第七項までに定める手続により作成することができる。
収用し、又は使用しようとする一筆の土地の所有者 及び当該土地に関して権利を有する関係人(これらの者のうち、起業者が過失がなくて知ることができない者を除き、一人当たりの補償金の見積額が最近三年間の権利取得裁決に係る一人当たりの補償金の平均額に照らして著しく低い額として政令で定める額以下である者に限る。)が、百人を超えると見込まれる場合
収用し、又は使用しようとする一筆の土地にある物件に関して権利を有する関係人(起業者が過失なくて知ることができない者を除き、一人当たりの補償金の見積額が最近三年間の明渡裁決に係る一人当たりの補償金の平均額に照らして著しく低い額として政令で定める額以下である者に限る。)が、百人を超えると見込まれる場合
前項の規定により土地調書 又は物件調書を作成する場合において、起業者は、自ら土地調書 又は物件調書に署名押印した上で、収用し、又は使用しようとする一筆の土地が所在する市町村の長に対し、国土交通省令で定めるところにより、土地調書 又は物件調書の写しを添付した申出書を提出しなければならない。
市町村長は、前項の申出書を受け取つた場合は、直ちに、起業者の名称、事業の種類 及び申出に係る土地 又は物件の所在地を公告し、公告の日から一箇月間 その書類を公衆の縦覧に供しなければならない。
第二十四条第四項から第六項までの規定は、前項の規定による公告 及び縦覧について準用する。
起業者は、第三項の規定による公告があつたときは、当該公告に係る土地調書 又は物件調書に氏名 及び住所が記載されている土地所有者 及び関係人に対し、同項の規定による公告があつた旨の通知をしなければならない。
この場合において、当該通知は、同項の規定による公告の日から一週間以内に発しなければならない。
第三項の規定による公告に係る土地調書 又は物件調書に記載されている土地所有者 及び関係人は、当該土地調書 又は物件調書の記載事項が真実でない旨の異議を有するときは、同項の縦覧期間内に、起業者に対し、国土交通省令で定めるところにより、その内容を記載した異議申出書を提出することができる。
起業者は、前項の異議申出書を受け取つたときは、第三項の規定による公告に係る土地調書 又は物件調書に当該異議申出書を添付しなければならない。
第三十六条第一項の土地調書には、収用し、又は使用しようとする土地について、次に掲げる事項を記載し、実測平面図を添付しなければならない。
第三十六条第一項の物件調書には、収用し、又は使用しようとする土地にある物件について、次に掲げる事項を記載しなければならない。
物件が建物であるときは、前項に掲げる事項の外、建物の種類、構造、床面積等を記載し、実測平面図を添附しなければならない。
起業者は、土地所有者、関係人 その他の者が正当な理由がないのに第三十六条第一項の土地調書 又は物件調書の作成のための第三十五条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げたため、同項の規定により測量 又は調査をすることが著しく困難であるときは、他の方法により知ることができる程度でこれらの調書を作成すれば足りるものとする。
この場合においては、これらの調書にその旨を付記しなければならない。
起業者、土地所有者 及び関係人は、第三十六条第三項の規定によつて異議を付記した者 及び第三十六条の二第六項の規定によつて異議申出書を提出した者がその内容を述べる場合を除き、第三十六条から前条までの規定によつて作成された土地調書 及び物件調書の記載事項の真否について異議を述べることができない。
ただし、その調書の記載事項が真実に反していることを立証するときは、この限りでない。