外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律

# 昭和六十一年法律第六十六号 #
略称 : 外国弁護士法  外弁法 

第三節 外国法事務弁護士の権利及び義務

分類 法律
カテゴリ   司法
@ 施行日 : 令和四年十一月一日 ( 2022年 11月1日 )
@ 最終更新 : 令和二年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 04月19日 20時11分


1項

外国法事務弁護士は、業務を行うに際しては、外国法事務弁護士の名称を用い、かつ、その名称に原資格国の国名を付加しなければならない。

1項
外国法事務弁護士の事務所は、外国法事務弁護士事務所と称さなければならない。
2項

外国法事務弁護士の事務所の名称中には、他の個人 又は団体の名称を用いてはならない。


ただし、法律事務の処理を目的とする原資格国の法人、組合 その他の事業体で自己が所属するもの(以下「所属事業体」という。)の名称については、次に掲げる場合に限り、用いることができる。

一 号
当該所属事業体の名称を用いている外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人がない場合
二 号
既に当該所属事業体の名称を用いている外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人がある場合において、その外国法事務弁護士 又は外国法事務弁護士法人と事務所を共にするとき。
3項

前二項の規定にかかわらず、外国法事務弁護士は、外国法事務弁護士、外国法事務弁護士法人、弁護士、弁護士法人 又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に雇用されているときは、その外国法事務弁護士、外国法事務弁護士法人、弁護士、弁護士法人 又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の事務所の名称を使用することができる。

4項
外国法事務弁護士の事務所は、その外国法事務弁護士の所属弁護士会の地域内に設けなければならない。
5項

外国法事務弁護士は、いかなる名義をもつてしても、国内に二個以上の事務所を設けることができない

1項

外国法事務弁護士は、日本弁護士連合会の会則で定めるところにより、その事務所内の公衆の見やすい場所に、原資格国法 及び指定法を表示する標識を掲示しなければならない。

2項

前項の規定による掲示のほか、原資格国法 及び指定法の表示に関し必要な事項は、日本弁護士連合会の会則で定める。

1項
外国法事務弁護士は、業務を行うに際しては、外国法事務弁護士の名称 及び原資格国の国名に付加する場合に限り、原資格国における外国弁護士の名称を用いることができる。
2項

外国法事務弁護士は、第四十六条第二項ただし書の規定により事務所の名称中に用いることができる場合のほか、業務を行うに際しては、同項各号に掲げる場合において自己の氏名 又は事務所の名称に付加するときに限り、所属事業体の名称を用いることができる。

1項

外国法事務弁護士は、一年のうち百八十日以上本邦に在留しなければならない。

2項

外国法事務弁護士が、自己 又は親族の傷病 その他のやむを得ない事情に基づき、出国をして本邦外の地域に在つた場合においては、その本邦外の地域に在つた期間は、前項の規定の適用については、本邦に在留した期間とみなす。

1項

外国法事務弁護士であつて弁護士 又は外国法事務弁護士を雇用するものは、自己の第三条 及び第五条から第七条までに規定する業務の範囲を超える法律事務(以下「権限外法律事務」という。)の取扱いについて、その雇用する弁護士 又は外国法事務弁護士に対し、雇用関係に基づく業務上の命令をしてはならない。

2項

前項の規定に違反してされた命令を受けて、使用者である外国法事務弁護士が権限外法律事務を行うことに関与した弁護士 又は外国法事務弁護士は、これが雇用関係に基づく業務上の命令に従つたものであることを理由として、懲戒 その他の責任を免れることができない。

3項

外国法事務弁護士であつて弁護士 又は外国法事務弁護士を雇用するものは、第一項に規定するもののほか、その雇用する弁護士 又は外国法事務弁護士が自ら行う法律事務であつて当該使用者である外国法事務弁護士の権限外法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。

1項
外国法共同事業を営む外国法事務弁護士は、当該外国法共同事業に係る弁護士、弁護士法人 又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人が自ら行う法律事務であつて当該外国法事務弁護士の権限外法律事務に当たるものの取扱いについて、不当な関与をしてはならない。
1項

外国法事務弁護士は、弁護士を雇用しようとするとき、又は外国法共同事業を営もうとするときは、あらかじめ、次に掲げる事項 その他の日本弁護士連合会の会則で定める事項を日本弁護士連合会に届け出なければならない。


この場合においては、日本弁護士連合会の会則で定める書類を添付しなければならない。

一 号
当該雇用に係る弁護士の氏名 及び事務所
二 号
当該外国法共同事業に係る弁護士、弁護士法人 又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の氏名 又は名称 及び事務所 並びに当該外国法共同事業において行う法律事務の範囲
2項

日本弁護士連合会は、前項の規定による届出があつたときは、当該外国法事務弁護士の登録に当該届出に係る事項で日本弁護士連合会の会則で定めるものを付記しなければならない。

3項

第一項の規定による届出をした外国法事務弁護士は、当該届出に係る事項のうち、外国法共同事業において行う法律事務の範囲 その他の日本弁護士連合会の会則で定める重要な事項の変更をしようとするときは、あらかじめ、その旨を日本弁護士連合会に届け出なければならない。


この場合においては、同項後段の規定を準用する。

4項

日本弁護士連合会は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に基づき、第二項の規定により当該外国法事務弁護士の登録に付記された事項の訂正をしなければならない。

5項

第一項の規定による届出をした外国法事務弁護士は、弁護士を雇用すること 又は外国法共同事業を営むことをやめたときは、遅滞なく、その旨を日本弁護士連合会に届け出なければならない。

6項

日本弁護士連合会は、前項の規定による届出があつたときは、第二項の規定により当該外国法事務弁護士の登録に付記された事項を抹消しなければならない。

7項

日本弁護士連合会は、第一項第三項 又は第五項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を当該外国法事務弁護士の所属弁護士会 及び当該雇用 若しくは外国法共同事業に係る弁護士 又は当該外国法共同事業に係る弁護士法人 若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人の所属弁護士会に書面により通知しなければならない。

1項

前条第一項の規定により外国法共同事業に係る届出をした外国法事務弁護士は、次条の規定によりその事務所の名称中に「外国法共同事業」の文字を使用する場合を除き、その事務所の名称に、外国法共同事業を営む旨 及び当該外国法共同事業に係る弁護士、弁護士法人 又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人の事務所の名称を付加しなければならない。

1項

外国法共同事業を営む外国法事務弁護士の事務所については、当該外国法事務弁護士が当該外国法共同事業に係る弁護士 又は弁護士法人と事務所(弁護士法人にあつては、その主たる事務所に限る。以下この条において同じ。)を共にし、かつ、当該外国法共同事業において行う法律事務の範囲に制限を設けていない場合であつて、その弁護士 又は弁護士法人の事務所の名称中に「外国法共同事業」の文字があるときは、第四十六条第一項 及び第二項の規定にかかわらず、これと同一の名称を使用することができる。

1項

弁護士法第二十三条から第三十条までの規定は、外国法事務弁護士について準用する。


この場合において、

同法第二十五条第六号
弁護士法人(第三十条の二第一項に規定する弁護士法人」とあるのは
「外国法事務弁護士法人(外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律昭和六十一年法律第六十六号第二条第五号に規定する外国法事務弁護士法人」と、

外国弁護士による法律事務の取扱い等に関する法律(昭和六十一年法律第六十六号)」とあるのは
同法」と、

外国法事務弁護士法人(同条第五号に規定する外国法事務弁護士法人」とあるのは
「弁護士法人(第三十条の二第一項に規定する弁護士法人」と、

同条第七号から第九号までの規定中
弁護士法人 若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員」とあるのは
「外国法事務弁護士法人 若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人の社員」と、

外国法事務弁護士法人の使用人」とあるのは
「弁護士法人の使用人」と、

同法第三十条第二項 及び第四項
営利業務従事弁護士名簿」とあるのは
「営利業務従事外国法事務弁護士名簿」と

読み替えるものとする。

2項

弁護士法第七十四条第二項の規定は、外国法事務弁護士には適用しない