幼稚園は、義務教育 及びその後の教育の基礎を培うものとして、幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする。
学校教育法
第三章 幼稚園
幼稚園における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機能の調和的発達を図ること。
集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身近な人への信頼感を深め、自主、自律 及び協同の精神 並びに規範意識の芽生えを養うこと。
身近な社会生活、生命 及び自然に対する興味を養い、それらに対する正しい理解と態度 及び思考力の芽生えを養うこと。
日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。
音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と表現力の芽生えを養うこと。
幼稚園においては、第二十二条に規定する目的を実現するための教育を行うほか、幼児期の教育に関する各般の問題につき、保護者 及び地域住民 その他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供 及び助言を行うなど、家庭 及び地域における幼児期の教育の支援に努めるものとする。
幼稚園の教育課程 その他の保育内容に関する事項は、第二十二条 及び第二十三条の規定に従い、文部科学大臣が定める。
文部科学大臣は、前項の規定により幼稚園の教育課程 その他の保育内容に関する事項を定めるに当たつては、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第四十五条第二項の規定により児童福祉施設に関して内閣府令で定める基準(同項第三号の保育所における保育の内容に係る部分に限る。)並びに就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第十条第一項の規定により主務大臣が定める幼保連携型認定こども園の教育課程 その他の教育 及び保育の内容に関する事項との整合性の確保に配慮しなければならない。
文部科学大臣は、第一項の幼稚園の教育課程 その他の保育内容に関する事項を定めるときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。
幼稚園に入園することのできる者は、満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とする。
幼稚園には、園長、教頭 及び教諭を置かなければならない。
幼稚園には、前項に規定するもののほか、副園長、主幹教諭、指導教諭、養護教諭、栄養教諭、事務職員、養護助教諭 その他必要な職員を置くことができる。
第一項の規定にかかわらず、副園長を置くとき その他特別の事情のあるときは、教頭を置かないことができる。
園長は、園務をつかさどり、所属職員を監督する。
副園長は、園長を助け、命を受けて園務をつかさどる。
教頭は、園長(副園長を置く幼稚園にあつては、園長 及び副園長)を助け、園務を整理し、及び必要に応じ幼児の保育をつかさどる。
主幹教諭は、園長(副園長を置く幼稚園にあつては、園長 及び副園長)及び教頭を助け、命を受けて園務の一部を整理し、並びに幼児の保育をつかさどる。
指導教諭は、幼児の保育をつかさどり、並びに教諭 その他の職員に対して、保育の改善 及び充実のために必要な指導 及び助言を行う。
教諭は、幼児の保育をつかさどる。
特別の事情のあるときは、第一項の規定にかかわらず、教諭に代えて助教諭 又は講師を置くことができる。
学校の実情に照らし必要があると認めるときは、第七項の規定にかかわらず、園長(副園長を置く幼稚園にあつては、園長 及び副園長)及び教頭を助け、命を受けて園務の一部を整理し、並びに幼児の養護 又は栄養の指導 及び管理をつかさどる主幹教諭を置くことができる。
第三十七条第六項、第八項 及び第十二項から第十七項まで 並びに第四十二条から第四十四条までの規定は、幼稚園に準用する。