保護者(子に対して親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。以下同じ。)は、次条に定めるところにより、子に九年の普通教育を受けさせる義務を負う。
学校教育法
第二章 義務教育
保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校、義務教育学校の前期課程 又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。
ただし、子が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校の課程、義務教育学校の前期課程 又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間においてこれらの課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
保護者は、子が小学校の課程、義務教育学校の前期課程 又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十五歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程 又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。
前二項の義務の履行の督促 その他これらの義務の履行に関し必要な事項は、政令で定める。
前条第一項 又は第二項の規定によつて、保護者が就学させなければならない子(以下それぞれ「学齢児童」又は「学齢生徒」という。)で、病弱、発育不完全 その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、 市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定めるところにより、同条第一項 又は第二項の義務を猶予 又は免除することができる。
経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童 又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。
学齢児童 又は学齢生徒を使用する者は、その使用によつて、当該学齢児童 又は学齢生徒が、義務教育を受けることを妨げてはならない。
義務教育として行われる普通教育は、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)第五条第二項に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律 及び協同の精神、規範意識、公正な判断力 並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
学校内外における自然体験活動を促進し、生命 及び自然を尊重する精神 並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業 その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
生活にかかわる自然現象について、観察 及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸 その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度 及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。