宗教法人法

# 昭和二十六年法律第百二十六号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和四年九月一日 ( 2022年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 08月15日 08時17分


1項

この法律は、宗教団体が、礼拝の施設 その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務 及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。

2項

憲法で保障された信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。


従つて、この法律のいかなる規定も、個人、集団 又は団体が、その保障された自由に基いて、教義をひろめ、儀式行事を行い、その他宗教上の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない。

1項

この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。

一 号

礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院 その他これらに類する団体

二 号

前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区 その他これらに類する団体

1項

この法律において「境内建物」とは、第一号に掲げるような宗教法人の前条に規定する目的のために必要な当該宗教法人に固有の建物 及び工作物をいい、「境内地」とは、第二号から第七号までに掲げるような宗教法人の同条に規定する目的のために必要な当該宗教法人に固有の土地をいう。

一 号

本殿、拝殿、本堂、会堂、僧堂、僧院、信者修行所、社務所、庫裏、教職舎、宗務庁、教務院、教団事務所 その他宗教法人の前条に規定する目的のために供される建物 及び工作物(附属の建物 及び工作物を含む。

二 号

前号に掲げる建物 又は工作物が存する一画の土地(立木竹 その他建物 及び工作物以外の定着物を含む。以下この条において同じ。

三 号
参道として用いられる土地
四 号

宗教上の儀式行事を行うために用いられる土地(神せん田、仏供田、修道耕牧地等を含む。

五 号

庭園、山林 その他尊厳 又は風致を保持するために用いられる土地

六 号

歴史、古記等によつて密接な縁故がある土地

七 号

前各号に掲げる建物、工作物 又は土地の災害を防止するために用いられる土地

1項

宗教団体は、この法律により、法人となることができる。

2項

この法律において「宗教法人」とは、この法律により法人となつた宗教団体をいう。

1項

宗教法人の所轄庁は、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事とする。

2項

次に掲げる宗教法人にあつては、その所轄庁は、前項の規定にかかわらず、文部科学大臣とする。

一 号

他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人

二 号

前号に掲げる宗教法人以外の宗教法人であつて同号に掲げる宗教法人を包括するもの

三 号

前二号に掲げるもののほか、他の都道府県内にある宗教法人を包括する宗教法人

1項

宗教法人は、公益事業を行うことができる。

2項

宗教法人は、その目的に反しない限り、公益事業以外の事業を行うことができる。


この場合において、収益を生じたときは、これを当該宗教法人、当該宗教法人を包括する宗教団体 又は当該宗教法人が援助する宗教法人 若しくは公益事業のために使用しなければならない。

1項

宗教法人の住所は、その主たる事務所の所在地にあるものとする。

1項

宗教法人は、第七章第一節の規定により登記しなければならない事項については、登記に因り効力を生ずる事項を除く外、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない

1項

宗教法人は、第七章の規定による登記(所轄庁の嘱託によつてする登記を除く)をしたときは、遅滞なく、登記事項証明書を添えて、その旨を所轄庁に届け出なければならない。

1項

宗教法人は、法令の規定に従い、規則で定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

1項

宗教法人は、代表役員 その他の代表者がその職務を行うにつき第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

2項

宗教法人の目的の範囲外の行為に因り第三者に損害を加えたときは、その行為をした代表役員 その他の代表者 及びその事項の決議に賛成した責任役員、その代務者 又は仮責任役員は、連帯してその損害を賠償する責任を負う。