市町村は、その区域の一部について、住宅地としての環境 又は商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するために必要と認める場合においては、土地の所有者 及び借地権を有する者(土地区画整理法第九十八条第一項(大都市地域における住宅 及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条において準用する場合を含む。次条第三項、第七十四条の二第一項 及び第二項 並びに第七十五条の二第一項、第二項 及び第五項において同じ。)の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者 及び借地権を有する者。以下「土地の所有者等」と総称する。)が当該土地について一定の区域を定め、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠 又は建築設備に関する基準についての協定(以下「建築協定」という。)を締結することができる旨を、条例で、定めることができる。
建築基準法
第四章 建築協定
前条の規定による建築協定を締結しようとする土地の所有者等は、協定の目的となつている土地の区域(以下「建築協定区域」という。)、建築物に関する基準、協定の有効期間 及び協定違反があつた場合の措置を定めた建築協定書を作成し、その代表者によつて、これを特定行政庁に提出し、その認可を受けなければならない。
前項の建築協定書においては、同項に規定するもののほか、前条の条例で定める区域内の土地のうち、建築協定区域に隣接した土地であつて、建築協定区域の一部とすることにより建築物の利用の増進 及び土地の環境の改善に資するものとして建築協定区域の土地となることを当該建築協定区域内の土地の所有者等が希望するもの(以下「建築協定区域隣接地」という。)を定めることができる。
第一項の建築協定書については、土地の所有者等の全員の合意がなければならない。
ただし、当該建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)に借地権の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権の目的となつている土地の所有者以外の土地の所有者等の全員の合意があれば足りる。
第一項の規定によつて建築協定書を提出する場合において、当該建築協定区域が建築主事を置く市町村の区域外にあるときは、その所在地の市町村の長を経由しなければならない。
市町村の長は、前条第一項 又は第四項の規定による建築協定書の提出があつた場合においては、遅滞なく、その旨を公告し、二十日以上の相当の期間を定めて、これを関係人の縦覧に供さなければならない。
市町村の長は、前条の縦覧期間の満了後、関係人の出頭を求めて公開による意見の聴取を行わなければならない。
建築主事を置く市町村以外の市町村の長は、前項の意見の聴取をした後、遅滞なく、当該建築協定書を、同項の規定による意見の聴取の記録を添えて、都道府県知事に送付しなければならない。
この場合において、当該市町村の長は、当該建築協定書の内容について意見があるときは、その意見を付さなければならない。
特定行政庁は、当該建築協定の認可の申請が、次に掲げる条件に該当するときは、当該建築協定を認可しなければならない。
第六十九条の目的に合致するものであること。
特定行政庁は、前項の認可をした場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
この場合において、当該建築協定が建築主事を置く市町村の区域外の区域に係るものであるときは、都道府県知事は、その認可した建築協定に係る建築協定書の写し一通を当該建築協定区域 及び建築協定区域隣接地の所在地の市町村の長に送付しなければならない。
第一項の規定による認可をした市町村の長 又は前項の規定によつて建築協定書の写の送付を受けた市町村の長は、その建築協定書を当該市町村の事務所に備えて、一般の縦覧に供さなければならない。
建築協定区域内における土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)は、前条第一項の規定による認可を受けた建築協定に係る建築協定区域、建築物に関する基準、有効期間、協定違反があつた場合の措置 又は建築協定区域隣接地を変更しようとする場合においては、その旨を定め、これを特定行政庁に申請してその認可を受けなければならない。
前四条の規定は、前項の認可の手続に準用する。
建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)で当該建築協定の効力が及ばない者の所有するものの全部 又は一部について借地権が消滅した場合においては、その借地権の目的となつていた土地(同項の規定により仮換地として指定された土地に対応する従前の土地にあつては、当該土地についての仮換地として指定された土地)は、当該建築協定区域から除かれるものとする。
建築協定区域内の土地で土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定されたものが、同法第八十六条第一項の換地計画 又は大都市地域における住宅 及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第七十二条第一項の換地計画において当該土地に対応する従前の土地についての換地として定められず、かつ、土地区画整理法第九十一条第三項(大都市地域における住宅 及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十二条において準用する場合を含む。)の規定により当該土地に対応する従前の土地の所有者に対してその共有持分を与えるように定められた土地としても定められなかつたときは、当該土地は、土地区画整理法第百三条第四項(大都市地域における住宅 及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第八十三条において準用する場合を含む。)の公告があつた日が終了した時において当該建築協定区域から除かれるものとする。
前二項の場合においては、当該借地権を有していた者 又は当該仮換地として指定されていた土地に対応する従前の土地に係る土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)は、遅滞なく、その旨を特定行政庁に届け出なければならない。
特定行政庁は、前項の規定による届出があつた場合 その他第一項 又は第二項の規定により建築協定区域内の土地が当該建築協定区域から除かれたことを知つた場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
第七十三条第二項 又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による認可の公告(次条において「建築協定の認可等の公告」という。)のあつた建築協定は、その公告のあつた日以後において当該建築協定区域内の土地の所有者等となつた者(当該建築協定について第七十条第三項 又はこれを準用する第七十四条第二項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。
建築協定区域内の土地の所有者(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者)で当該建築協定の効力が及ばないものは、建築協定の認可等の公告のあつた日以後いつでも、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによつて、当該建築協定に加わることができる。
建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等は、建築協定の認可等の公告のあつた日以後いつでも、当該土地に係る土地の所有者等の全員の合意により、特定行政庁に対して書面でその意思を表示することによつて、建築協定に加わることができる。
ただし、当該土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)の区域内に借地権の目的となつている土地がある場合においては、当該借地権の目的となつている土地の所有者以外の土地の所有者等の全員の合意があれば足りる。
建築協定区域隣接地の区域内の土地に係る土地の所有者等で前項の意思を表示したものに係る土地の区域は、その意思の表示があつた時以後、建築協定区域の一部となるものとする。
第七十三条第二項 及び第三項の規定は、第一項 又は第二項の規定による意思の表示があつた場合に準用する。
建築協定は、第一項 又は第二項の規定により当該建築協定に加わつた者がその時において所有し、又は借地権を有していた当該建築協定区域内の土地(土地区画整理法第九十八条第一項の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地)について、前項において準用する第七十三条第二項の規定による公告のあつた日以後において土地の所有者等となつた者(当該建築協定について第二項の規定による合意をしなかつた者の有する土地の所有権を承継した者 及び前条の規定の適用がある者を除く。)に対しても、その効力があるものとする。
建築協定区域内の土地の所有者等(当該建築協定の効力が及ばない者を除く。)は、第七十三条第一項の規定による認可を受けた建築協定を廃止しようとする場合においては、その過半数の合意をもつてその旨を定め、これを特定行政庁に申請してその認可を受けなければならない。
特定行政庁は、前項の認可をした場合においては、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。
土地の共有者 又は共同借地権者は、第七十条第三項(第七十四条第二項において準用する場合を含む。)、第七十五条の二第一項 及び第二項 並びに前条第一項の規定の適用については、合わせて一の所有者 又は借地権者とみなす。
第六十九条の条例で定める区域内における土地で、一の所有者以外に土地の所有者等が存しないものの所有者は、当該土地の区域を建築協定区域とする建築協定を定めることができる。
前項の規定による建築協定を定めようとする者は、建築協定区域、建築物に関する基準、協定の有効期間 及び協定違反があつた場合の措置を定めた建築協定書を作成し、これを特定行政庁に提出して、その認可を受けなければならない。
前項の建築協定書においては、同項に規定するもののほか、建築協定区域隣接地を定めることができる。
第七十条第四項 及び第七十一条から第七十三条までの規定は、第二項の認可の手続に準用する。
第二項の規定による認可を受けた建築協定は、認可の日から起算して三年以内において当該建築協定区域内の土地に二以上の土地の所有者等が存することとなつた時から、第七十三条第二項の規定による認可の公告のあつた建築協定と同一の効力を有する建築協定となる。
第七十四条 及び第七十六条の規定は、前項の規定により第七十三条第二項の規定による認可の公告のあつた建築協定と同一の効力を有する建築協定となつた建築協定の変更 又は廃止について準用する。