居住者がたな卸資産(これに準ずる資産として政令で定めるものを含む。)を家事のために消費した場合 又は山林を伐採して家事のために消費した場合には、その消費した時におけるこれらの資産の価額に相当する金額は、その者のその消費した日の属する年分の事業所得の金額、山林所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
所得税法
第三款 収入金額の計算
次の各号に掲げる事由により居住者の有するたな卸資産(事業所得の基因となる山林 その他たな卸資産に準ずる資産として政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)の移転があつた場合には、当該各号に掲げる金額に相当する金額は、その者のその事由が生じた日の属する年分の事業所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
贈与(相続人に対する贈与で被相続人である贈与者の死亡により効力を生ずるものを除く。) 又は遺贈(包括遺贈 及び相続人に対する特定遺贈を除く。)
当該贈与 又は遺贈の時におけるそのたな卸資産の価額
著しく低い価額の対価による譲渡
当該対価の額と当該譲渡の時におけるそのたな卸資産の価額との差額のうち実質的に贈与をしたと認められる金額
居住者が前項各号に掲げる贈与 若しくは遺贈 又は譲渡により取得したたな卸資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算については、次に定めるところによる。
前項第一号に掲げる贈与 又は遺贈により取得したたな卸資産については、同号に掲げる金額をもつて取得したものとみなす。
前項第二号に掲げる譲渡により取得したたな卸資産については、当該譲渡の対価の額と同号に掲げる金額との合計額をもつて取得したものとみなす。
農業を営む居住者が農産物(米、麦 その他政令で定めるものに限る。)を収穫した場合には、その収穫した時における当該農産物の価額(以下この条において「収穫価額」という。)に相当する金額は、その者のその収穫の日の属する年分の事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
前項の農産物は、同項に規定する時にその収穫価額をもつて取得したものとみなす。
居住者が株式を無償 又は有利な価額により取得することができる権利として政令で定める権利を発行法人から与えられた場合において、当該居住者 又は当該居住者の相続人 その他の政令で定める者が当該権利をその発行法人に譲渡したときは、当該譲渡の対価の額から当該権利の取得価額を控除した金額を、その発行法人が支払をする事業所得に係る収入金額、第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の収入金額、第三十条第一項(退職所得)に規定する退職手当等の収入金額、一時所得に係る収入金額 又は雑所得(第三十五条第三項(雑所得)に規定する公的年金等に係るものを除く。)に係る収入金額とみなして、この法律(第二百二十四条の三(株式等の譲渡の対価の受領者等の告知)、第二百二十五条(支払調書 及び支払通知書)及び第二百二十八条(名義人受領の株式等の譲渡の対価の調書)並びにこれらの規定に係る罰則を除く。)の規定を適用する。
居住者が、各年において固定資産(山林を含む。以下 この条 及び次条において同じ。)の取得 又は改良に充てるための国 又は地方公共団体の補助金 又は給付金 その他政令で定めるこれらに準ずるもの(以下 この条 及び次条において「国庫補助金等」という。)の交付を受けた場合(その国庫補助金等の返還を要しないことがその年十二月三十一日(その者がその年の中途において死亡し、又は出国をした場合には、その死亡 又は出国の時。以下 この項 及び同条第一項において同じ。)までに確定した場合に限る。)において、その年十二月三十一日までにその交付の目的に適合した固定資産の取得 又は改良をしたときは、その交付を受けた国庫補助金等の額に相当する金額(その固定資産がその年の前年以前の各年において取得 又は改良をした減価償却資産である場合には、当該国庫補助金等の額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額)は、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
居住者が各年において国庫補助金等の交付に代わるべきものとして交付を受ける固定資産を取得した場合には、その固定資産の価額に相当する金額は、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
前二項の規定は、確定申告書にこれらの規定の適用を受ける旨、これらの規定により総収入金額に算入されない金額 その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項 又は第二項の規定を適用することができる。
第一項 又は第二項の規定の適用を受けた居住者が第一項の規定の適用を受けた固定資産 又は その取得した第二項に規定する固定資産について行うべき第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算 及び その償却の方法)に規定する償却費の計算 及び その者がその固定資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
前項の規定の適用を受けた居住者が交付を受けた同項の国庫補助金等の全部 又は一部の返還を要しないことが確定した場合には、その国庫補助金等の額のうちその確定した部分に相当する金額は、その国庫補助金等の交付の目的に適合した固定資産の取得 又は改良に充てられた金額のうち政令で定める金額を除き、その者のその確定した日の属する年分の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
第一項の規定の適用を受けた居住者が交付を受けた同項の国庫補助金等の全部 又は一部の返還をすべきことが確定した場合には、その国庫補助金等の額のうちその確定した部分に相当する金額は、その者のその確定した日の属する年分の各種所得の金額の計算上、 必要経費 又は支出した金額に算入しない。
第一項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨、同項の規定により総収入金額に算入されない金額 その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、 その提出がなかつたこと又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
第一項の規定の適用を受けた居住者が国庫補助金等により取得し、又は改良した固定資産について行うべき第四十九条第一項(減価償却資産の償却費の計算 及び その償却の方法)に規定する償却費の計算 及び その者がその固定資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額 又は雑所得の金額の計算に関し必要な事項は、政令で定める。
居住者が、国 若しくは地方公共団体から その行政目的の遂行のために必要なその者の資産の移転、移築 若しくは除却 その他 これらに類する行為(固定資産の改良 その他政令で定める行為を除く。以下 この項において「資産の移転等」という。)の費用に充てるため補助金の交付を受け、又は土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)の規定による収用 その他政令で定めるやむを得ない事由の発生に伴い その者の資産の移転等の費用に充てるための金額の交付を受けた場合において、その交付を受けた金額をその交付の目的に従つて資産の移転等の費用に充てたときは、その費用に充てた金額は、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
ただし、その費用に充てた金額のうち各種所得の金額の計算上必要経費に算入され 又は譲渡に要した費用とされる部分の金額に相当する金額については、この限りでない。
居住者が、破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百五十二条第一項(免責許可の決定の要件等)に規定する免責許可の決定 又は再生計画認可の決定があつた場合 その他資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合にその有する債務の免除を受けたときは、当該免除により受ける経済的な利益の価額については、その者の各種所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
前項の場合において、同項の債務の免除により受ける経済的な利益の価額のうち同項の居住者の次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める金額(第一号から 第四号までに定める金額にあつては当該経済的な利益の価額がないものとして計算した金額とし、第五号に定める金額にあつては同項の規定の適用がないものとして総所得金額、退職所得金額 及び山林所得金額を計算した場合における金額とする。)の合計額に相当する部分については、同項の規定は、適用しない。
不動産所得を生ずべき業務に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の不動産所得の金額の計算上生じた損失の金額
事業所得を生ずべき事業に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の事業所得の金額の計算上生じた損失の金額
山林所得を生ずべき業務に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の山林所得の金額の計算上生じた損失の金額
雑所得を生ずべき業務に係る債務の免除を受けた場合
当該免除を受けた日の属する年分の雑所得の金額の計算上生じた損失の金額
第七十条第一項 又は第二項(純損失の繰越控除)の規定により、当該債務の免除を受けた日の属する年分の総所得金額、退職所得金額 又は山林所得金額の計算上 控除する純損失の金額がある場合
当該控除する純損失の金額
第一項の規定は、確定申告書に同項の規定の適用を受ける旨、同項の規定により総収入金額に算入されない金額その他財務省令で定める事項の記載がある場合に限り、適用する。
税務署長は、確定申告書の提出がなかつた場合 又は前項の記載がない確定申告書の提出があつた場合においても、その提出がなかつたこと 又は その記載がなかつたことについてやむを得ない事情があると認めるときは、第一項の規定を適用することができる。
居住者が第九十五条第一項から 第三項まで(外国税額控除)の規定の適用を受けた年の翌年以後七年内の各年においてこれらの規定による控除をされるべき金額の計算の基礎となつた同条第一項に規定する外国所得税の額が減額された場合には、その減額された金額のうちその減額されることとなつた日の属する年分における同条の規定による外国税額控除の適用に係る部分に相当する金額として政令で定める金額は、その者の当該年分の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額、一時所得の金額 又は雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入しない。
この場合において、その減額された金額から当該政令で定める金額を控除した金額は、その者の当該年分の雑所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。