文化財保護法

# 昭和二十五年法律第二百十四号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   文化
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2024年 05月06日 18時11分


1項

この法律は、文化財を保存し、且つ、その活用を図り、もつて国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とする。

1項

この法律で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

一 号

建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書 その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上 又は芸術上 価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地 その他の物件を含む。)並びに考古資料 及び その他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。

二 号

演劇、音楽、工芸技術 その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上 又は芸術上 価値の高いもの(以下「無形文化財」という。

三 号

衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術 及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋 その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。

四 号

貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅 その他の遺跡で我が国にとつて歴史上 又は学術上 価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳 その他の名勝地で我が国にとつて芸術上 又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地 及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとつて学術上 価値の高いもの(以下「記念物」という。

五 号

地域における人々の生活 又は生業 及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活 又は生業の理解のため欠くことのできないもの(以下「文化的景観」という。

六 号

周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの(以下「伝統的建造物群」という。

2項

この法律の規定(第二十七条から 第二十九条まで第三十七条第五十五条第一項第四号第百五十三条第一項第一号第百六十五条第百七十一条 及び附則第三条の規定を除く)中「重要文化財」には、国宝を含むものとする。

3項

この法律の規定(第百九条第百十条第百十二条第百二十二条第百三十一条第一項第四号第百五十三条第一項第十号 及び第十一号第百六十五条 並びに第百七十一条の規定を除く)中「史跡名勝天然記念物」には、特別史跡名勝天然記念物を含むものとする。

1項

政府 及び地方公共団体は、文化財がわが国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、且つ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、その保存が適切に行われるように、 周到の注意をもつて この法律の趣旨の徹底に努めなければならない。

1項

一般国民は、政府 及び地方公共団体がこの法律の目的を達成するために行う措置に誠実に協力しなければならない。

2項

文化財の所有者 その他の関係者は、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、 できるだけ これを公開する等 その文化的活用に努めなければならない。

3項

政府 及び地方公共団体は、この法律の執行に当つて関係者の所有権 その他の財産権を尊重しなければならない。