暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律

# 平成三年法律第七十七号 #
略称 : 暴対法  暴力団対策法 

第六章 暴力団員による不当な行為の防止等に関する国等の責務及び民間活動の促進

分類 法律
カテゴリ   警察
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第七十九号による改正
最終編集日 : 2024年 04月25日 12時16分


1項

国 及び地方公共団体は、次に掲げる者を その行う売買等の契約に係る入札に参加させないようにするための措置を講ずるものとする。

一 号
指定暴力団員
二 号

指定暴力団員と生計を一にする配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。

三 号

法人 その他の団体であって、指定暴力団員が その役員となっているもの

四 号

指定暴力団員が出資、融資、取引 その他の関係を通じて その事業活動に支配的な影響力を有する者(前号に該当するものを除く

2項

国 及び地方公共団体は、前項に規定する措置を講ずるほか、その事務 又は事業に関する暴力団員による不当な行為の防止 及びこれにより当該事務 又は事業に生じた不当な影響の排除に努めなければならない。

3項

国 及び地方公共団体は、事業者、国民 又は これらの者が 組織する民間の団体(次項において「事業者等」という。)が自発的に行う暴力排除活動(暴力団員による不当な行為を防止し、及びこれにより事業活動 又は市民生活に生じた不当な影響を排除するための活動をいう。同項において同じ。)の促進を図るため、情報の提供、助言、指導 その他必要な措置を講ずるものとする。

4項

国 及び地方公共団体は、事業者等が安心して暴力排除活動の実施に取り組むことができるよう、その安全の確保に配慮しなければならない。

1項

事業者は、不当要求による被害を防止するために必要な第十四条第一項に規定する措置を講ずるよう努めるほか、その事業活動を通じて暴力団員に 不当な利益を得させることがないよう努めなければならない。

1項

公安委員会は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当すると認められる者を、その申出により、都道府県に一を限って、都道府県暴力追放運動推進センター(以下「都道府県センター」という。)として指定することができる。

一 号

暴力団員による不当な行為の防止 及びこれによる被害の救済に寄与することを目的とする一般社団法人 又は一般財団法人であること。

二 号

次項第三号から 第六号までの事業(以下「相談事業」という。)に係る相談の申出人、暴力団の影響を受けている少年、暴力団から離脱する意志を有する者 又は暴力団の事務所の付近の住民 その他の者(第三項において「相談の申出人等」という。)に対する助言について、専門的知識経験を有する者として国家公安委員会規則で定める者(以下「暴力追放相談委員」という。)が置かれていること。

三 号

その他次項に規定する事業を適正かつ確実に行うために必要なものとして国家公安委員会規則で定める基準に適合すること。

2項

都道府県センターは、当該都道府県の区域において、次に掲げる事業を行うものとする。

一 号

暴力団員による不当な行為の予防に関する知識の普及 及び思想の高揚を図るための広報活動を行うこと。

二 号

暴力団員による不当な行為の予防に関する民間の自主的な組織活動を助けること。

三 号

暴力団員による不当な行為に関する相談に応ずること。

四 号

少年に対する暴力団の影響を排除するための活動を行うこと。

五 号

暴力団から離脱する意志を有する者を助けるための活動を行うこと。

六 号

暴力団の事務所の使用により付近住民等(付近において居住し、勤務し、その他日常生活 又は社会生活を営む者をいう。次条第一項 及び第二項において同じ。)の生活の平穏 又は業務の遂行の平穏が害されることを防止すること。

七 号

公安委員会の委託を受けて第十四条第二項の講習を行うこと。

八 号

不当要求情報管理機関(不当要求に関する情報の収集 及び事業者に対する当該情報の提供を業とする者をいう。)の業務を助けること。

九 号

暴力団員による不当な行為の被害者に対して見舞金の支給、民事訴訟の支援 その他の救援を行うこと。

十 号

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律昭和二十三年法律第百二十二号第三十八条に規定する少年指導委員に対し第四号の事業の目的を達成するために必要な研修を行うこと。

十一 号

前各号の事業に附帯する事業

3項

都道府県センターは、相談事業を行うに当たっては、相談の申出人等に対する助言については、暴力追放相談委員に行わせなければならない。

4項

都道府県センターは、住民から暴力団員による不当な行為に関する相談の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その相談に係る事項の迅速かつ適切な解決に努めなければならない。

5項

公安委員会は、都道府県センターの財産の状況 又は その事業の運営に関し改善が必要であると認めるときは、都道府県センターに対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。

6項

公安委員会は、都道府県センターが前項の規定による命令に違反したときは、第一項の指定を取り消すことができる。

7項

都道府県センターの役員 若しくは職員(暴力追放相談委員 及び第三十二条の五第三項第二号の弁護士を含む。)又は これらの職にあった者は、相談事業に係る業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。

8項

都道府県センターは、その業務の運営について都道府県警察と密接に連絡するものとし、都道府県警察は、都道府県センターに対し、その業務の円滑な運営が図られるように必要な配慮を加えるものとする。

9項

第一項の指定の手続 その他 都道府県センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

1項

次条第一項の規定により認定された都道府県センター(以下「適格都道府県センター」という。)は、当該都道府県の区域内に在る指定暴力団等の事務所の使用により付近住民等の生活の平穏 又は業務の遂行の平穏が害されることを防止するための事業を行う場合において、当該付近住民等で、当該事務所の使用により その生活の平穏 又は業務の遂行の平穏が違法に害されていることを理由として当該事務所の使用 及びこれに付随する行為の差止めの請求をしようとするものから委託を受けたときは、当該委託をした者のために自己の名をもって、当該請求に関する一切の裁判上 又は裁判外の行為をする権限を有する。

2項

適格都道府県センターは、前項の委託を受けたときは、当該事務所に関し、その他の付近住民等が当該委託をする機会を確保するために、その旨を通知 その他適切な方法により、これらの者に周知するよう努めるものとする。

3項

適格都道府県センターは、第一項の権限を行使する場合において、民事訴訟手続、民事保全の命令に関する手続 及び執行抗告(民事保全の執行の手続に関する裁判に対する執行抗告を含む。)に係る手続については、弁護士に追行させなければならない。

4項

適格都道府県センターは、第一項の委託をした者に対して報酬を請求することができない

5項

第一項の委託をした者は、その委託を取り消すことができる。

1項

差止請求関係業務(前条第一項の権限の行使に関する業務をいう。以下同じ。)を行おうとする都道府県センターは、国家公安委員会の認定を受けなければならない。

2項

前項の認定を受けようとする都道府県センターは、国家公安委員会に認定の申請をしなければならない。

3項

国家公安委員会は、前項の申請をした都道府県センターが次に掲げる要件の全てに適合しているときに限り、第一項の認定をすることができる。

一 号
  • 差止請求関係業務の実施に係る組織、
  • 差止請求関係業務の実施の方法、
  • 差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法

その他の差止請求関係業務を適正に遂行するための体制 及び業務規程が適切に整備されていること。

二 号

前条第一項の委託を受ける旨の決定 及び当該委託に係る請求の内容についての検討を行う部門において暴力追放相談委員 及び弁護士が共に その専門的知識経験に基づいて必要な助言を行い 又は意見を述べる体制が整備されていること その他 差止請求関係業務を遂行するための人的体制に照らして、差止請求関係業務を適正に遂行することができる専門的知識経験を有すると認められること。

三 号

差止請求関係業務を適正に遂行するに足りる経理的基礎を有すること。

4項

前項第一号の業務規程には、差止請求関係業務の実施の方法、差止請求関係業務に関して知り得た情報の管理 及び秘密の保持の方法 その他の国家公安委員会規則で定める事項が定められていなければならない。

5項

次のいずれかに該当する都道府県センターは、第一項認定を受けることができない

一 号

第三十二条の十三第一項各号に掲げる事由により第一項の認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない都道府県センター

二 号

役員のうちに前号に該当する都道府県センターの役員であった者(その認定の取消しの日前六月以内に その職にあった者に限る)がある都道府県センター

1項

前条第二項の申請は、当該申請に係る都道府県センターの名称 及び住所 並びに代表者の氏名 その他の国家公安委員会規則で定める事項を記載した申請書を、国家公安委員会規則で定めるところにより、公安委員会を経由して、国家公安委員会に提出してしなければならない。


この場合において、公安委員会は、当該申請に係る事項に関する意見を付して、国家公安委員会に送付するものとする。

2項

前項の申請書には、定款、前条第三項第一号の業務規程 その他の国家公安委員会規則で定める書類を添付しなければならない。

1項

国家公安委員会は、第三十二条の五第一項の認定をしたときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、当該適格都道府県センターの名称 及び住所 その他の国家公安委員会規則で定める事項を官報により公示するとともに、当該適格都道府県センターに対し、その旨を書面により通知するものとする。

1項

適格都道府県センターは、その名称 若しくは住所 又は代表者の氏名 その他の国家公安委員会規則で定める事項に変更があったときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨を記載した届出書を遅滞なく国家公安委員会に提出しなければならない。

1項

適格都道府県センターは、国家公安委員会規則で定めるところにより、差止請求関係業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。

1項

適格都道府県センターは、毎事業年度の事業報告書、収支決算書、貸借対照表 及び財産目録を作成し、当該事業年度経過後三月以内に国家公安委員会に提出しなければならない。

1項

国家公安委員会は、差止請求関係業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、この法律の施行に必要な限度において、適格都道府県センターに対し その業務 若しくは経理の状況に関し報告をさせ、又は警察庁の職員に適格都道府県センターの事務所に立ち入り、業務の状況 若しくは帳簿、書類 その他の物件を検査させ 若しくは関係者に質問させることができる。

2項

前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

1項

国家公安委員会は、適格都道府県センターの差止請求関係業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、適格都道府県センターに対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる。

1項

国家公安委員会は、適格都道府県センターについて、次のいずれかに掲げる事由があるときは、第三十二条の五第一項の認定を取り消すことができる。

一 号

第三十二条の五第三項各号に掲げる要件のいずれかに適合しなくなったとき。

二 号

第三十二条の五第五項第二号に該当するに至ったとき。

三 号

前二号に掲げるもののほか、この法律 若しくは この法律に基づく命令の規定 又は これらの規定に基づく処分に違反したとき。

2項

国家公安委員会は、前項の規定により第三十二条の五第一項認定を取り消したときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その旨 及び その取消しをした日を官報により公示するとともに、当該適格都道府県センターに対し、その旨を書面により 通知するものとする。

1項

第三十二条の四から 前条までに規定するもののほか、適格都道府県センターに関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

1項

国家公安委員会は、暴力団員による不当な行為の防止 及びこれによる被害の救済に寄与することを目的とする一般社団法人 又は一般財団法人であって、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限って、全国暴力追放運動推進センター(以下「全国センター」という。)として指定することができる。

2項

全国センターは、次に掲げる事業を行うものとする。

一 号

暴力団員による不当な行為の予防に関する知識の普及 及び思想の高揚を図るための二以上の都道府県の区域における広報活動を行うこと。

二 号

暴力追放相談委員 その他都道府県センターの業務を行う者に対する研修を行うこと。

三 号

少年の健全な育成に及ぼす暴力団の影響 その他の暴力団の市民生活に与える影響に関する調査研究を行うこと。

四 号

都道府県センターの事業について、連絡調整を行うこと。

五 号

前各号の事業に附帯する事業

3項

第三十二条の三第五項第六項第八項 及び第九項の規定は、全国センターについて準用する。


この場合において、

同条第五項 及び第六項中
公安委員会」とあるのは
「国家公安委員会」と、

同条第八項
都道府県警察」とあるのは
「国家公安委員会 及び警察庁」と

読み替えるものとする。