民法

# 明治二十九年法律第八十九号 #

第二款 特別の方式

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百二号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 20時49分

1項

疾病 その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。


この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者 及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。

2項

口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。

3項

第一項後段の遺言者 又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授 又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者 又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。

4項

前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人 又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

5項

家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない

1項

伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人 及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

1項

船舶中に在る者は、船長 又は事務員一人 及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。

1項

船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。

2項

口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。

3項

前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人 又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

4項

第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。

1項

第九百七十七条 及び第九百七十八条の場合には、遺言者、筆者、立会人 及び証人は、各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。

1項

第九百七十七条から第九百七十九条までの場合において、署名 又は印を押すことのできない者があるときは、立会人 又は証人は、その事由を付記しなければならない。

1項

第九百六十八条第三項 及び第九百七十三条から第九百七十五条までの規定は、第九百七十六条から前条までの規定による遺言について準用する。

1項

第九百七十六条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは、その効力を生じない。

1項

日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書 又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行う。


この場合においては、第九百六十九条第四号 又は第九百七十条第一項第四号の規定にかかわらず、遺言者 及び証人は、第九百六十九条第四号 又は第九百七十条第一項第四号の印を押すことを要しない。