内閣総理大臣は、基本指針に基づき、火山の爆発により住民等の生命 又は身体に被害が生じ、又は生ずるおそれがある地域で、その被害を防止するための施設を緊急に整備する必要がある地域を避難施設緊急整備地域として指定することができる。
活動火山対策特別措置法
第四章 避難施設の整備その他の事業の実施等
内閣総理大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、中央防災会議 及び関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。
第三条第三項の規定は、第一項の規定による指定について準用する。
前条第一項の規定による避難施設緊急整備地域の指定があつたときは、関係都道府県知事は、基本指針に基づき、当該避難施設緊急整備地域について、住民等の速やかな避難のために必要な施設を緊急に整備するための計画(以下「避難施設緊急整備計画」という。)を作成しなければならない。
この場合においては、あらかじめ、内閣総理大臣に協議し、その同意を得なければならない。
都道府県知事は、避難施設緊急整備計画を作成しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴かなければならない。
内閣総理大臣は、第一項の同意をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議しなければならない。
前三項の規定は、避難施設緊急整備計画の変更について準用する。
避難施設緊急整備計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
道路 又は港湾の整備に関する事項
広場の整備に関する事項
退避壕 その他の退避施設の整備に関する事項
学校、公民館等の不燃堅牢化に関する事項
避難施設緊急整備計画に基づく事業は、当該事業に関する法律(これに基づく命令を含む。)の規定に従い国、地方公共団体 その他の者が実施するものとされているものを除き、市町村が実施するものとする。
政府は、毎年度、国の財政の許す範囲内において、避難施設緊急整備計画に基づく事業を実施するために必要な経費を予算に計上しなければならない。
国は、避難施設緊急整備計画に基づく事業を実施する地方公共団体 その他の者に対し、地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第十六条の規定に基づく補助金を交付し、必要な資金を融通し、又はあつせんし、その他必要と認める措置を講ずることができる。
避難施設緊急整備計画に基づく事業で地方公共団体が実施するものにつき当該地方公共団体が必要とする経費については、地方財政法第五条各号に規定する経費に該当しないものについても、地方債をもつてその財源とすることができる。
前項の地方債は、国が、その資金事情の許す限り、財政融資資金をもつて引き受けるものとする。
都道府県知事は、基本指針に基づき、避難施設緊急整備地域 又はその周辺の地域で火山の爆発によつて生ずる農作物の被害が農業経営に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められる地域につき、当該農作物の被害を防除するために必要な施設の整備等に関する計画(第四項において「防災営農施設整備計画」という。)を作成することができる。
都道府県知事は、基本指針に基づき、避難施設緊急整備地域 又はその周辺の地域で火山の爆発によつて生ずる林産物の被害が林業経営に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められる地域につき、当該林産物の被害を防除するために必要な施設の整備等に関する計画(第四項において「防災林業経営施設整備計画」という。)を作成することができる。
都道府県知事は、基本指針に基づき、避難施設緊急整備地域 又はその周辺の地域で火山の爆発によつて生ずる養殖中の水産動植物 又は水産物の被害が漁業経営に著しい支障を及ぼすおそれがあると認められる地域につき、当該養殖中の水産動植物 又は水産物の被害を防除するために必要な施設の整備等に関する計画(次項において「防災漁業経営施設整備計画」という。)を作成することができる。
都道府県知事は、防災営農施設整備計画、防災林業経営施設整備計画 又は防災漁業経営施設整備計画(以下「防災営農施設整備計画等」という。)を作成しようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴くとともに、それぞれ、関係農業団体、関係林業団体 又は関係漁業団体の意見を聴かなければならない。
都道府県知事は、防災営農施設整備計画等を作成したときは、これを農林水産大臣に報告しなければならない。
前二項の規定は、防災営農施設整備計画等の変更について準用する。
国は、防災営農施設整備計画等に基づく事業が円滑に実施されるように、予算の範囲内において当該事業の実施に要する経費の一部を補助し、その他必要と認める措置を講ずることができる。
国 及び地方公共団体は、避難施設緊急整備地域 及びその周辺の地域において火山の爆発により農林水産物等に被害を受けた農林漁業者に対する長期かつ低利の資金の融通が円滑に行われるように、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
国は、火山の爆発に伴い、年間を通じて、政令で定める程度に達する多量の降灰があつた道路で政令で定めるもの又は政令で定める程度に達する多量の降灰があつた市町村の区域内の下水道、都市排水路 若しくは公園で政令で定めるもの若しくは宅地に係る降灰(宅地に係る降灰にあつては、市町村長が指定した場所に集積されたものに限る。)について、市町村が行う当該降灰の除去事業(国がその費用の一部を負担し、又は補助する災害復旧事業として行われるものを除く。)に要する費用については、政令で定めるところにより、その三分の二以内を補助することができる。
第十八条第一項の規定は、前項の規定の適用を受ける事業につき市町村が必要とする経費について準用する。
内閣総理大臣は、基本指針に基づき、火山の爆発に伴う降灰により住民の日常生活に著しい支障を生じ、又は生ずるおそれがある地域で、当該支障を防止し、又は軽減するための施設等を整備する必要がある地域を降灰防除地域として指定することができる。
内閣総理大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事の意見を聴かなければならない。
第三条第三項の規定は、第一項の規定による指定について準用する。
国は、降灰防除地域内の学校、保育所 その他の政令で定める教育施設 又は社会福祉施設について、降灰による支障を防止し、又は軽減するため必要な施設で政令で定めるものの整備を行う地方公共団体 その他の者に対し、政令で定めるところにより、その費用の三分の二以内を補助することができる。
国 及び地方公共団体は、降灰防除地域内の病院等の医療施設について降灰による支障を防止し、又は軽減するため必要な施設で政令で定めるものの整備を行う者(国 及び地方公共団体を除く。)に対し、これに必要な長期かつ低利の資金の融通が円滑に行われるように、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
国 及び地方公共団体は、降灰防除地域内において降灰による支障を防止し、又は軽減するため必要な事業経営上の施設 又は設備を整備しようとする中小企業者に対し、これらに必要な長期かつ低利の資金の融通が円滑に行われるように、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
国 及び地方公共団体は、避難施設緊急整備地域 及びその周辺の地域において、火山の爆発に伴う降灰、土石流等による災害防止のため必要な治山事業 及び治水事業の推進に努めなければならない。
国 及び地方公共団体は、火山の爆発に伴い河川の流水の水質の汚濁が著しくなり、人の健康 又は農林漁業等に係る被害が生ずるおそれがある事態が生じたときは、速やかに当該河川の水質の汚濁を防止し、又は軽減するため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。