保護観察所の長は、法第五十八条第三号に掲げる方法により補導援護を行うに当たっては、保護観察対象者の就労意欲を喚起し、就労に必要な態度 及び技能が習得され、就労の習慣が定着するよう助言 その他の措置をとるものとする。
犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則
第六款 補導援護
保護観察所の長は、前項の場合において、必要があると認めるときは、保護観察対象者の就労意欲、職業能力、年齢、経歴、心身の状況、生活の計画等を勘案し、職業訓練を実施するものとする。
保護観察所の長は、前二項に規定する補導援護を行うに当たっては、公共職業安定所との連携協力に努めるものとする。
法第五十八条第六号に掲げる方法による補導援護は、保護観察対象者をして、自律 及び協調の精神を会得させ、健全な社会生活を営むために必要な態度、習慣 及び能力を養わせるよう行うものとする。
保護観察所の長は、法第六十一条第二項(法第八十八条の規定によりその例によることとされる場合を含む。)の規定により補導援護を委託して行うときは、保護観察対象者の意向を参酌し、当該補導援護としてとるべき措置を選定し、その委託先 及び委託期間を定めなければならない。
保護観察所の長は、前項の規定により選定した措置の内容 並びに同項の規定により定めた委託先 及び委託期間を保護観察対象者に知らせなければならない。
前条第一項の委託は、委託する内容、委託の開始 及び終了の年月日、保護観察対象者の氏名、生年月日、住居、経歴 及び心身の状況 その他参考となる事項を記載した書面をもって行うものとする。
ただし、急速を要するときは、当該書面を画像読取装置により読み取ってできた電磁的記録を電磁的方法により提供する方法 その他の適当な方法によることができる。
保護観察所の長は、第五十八条第一項の規定により補導援護を委託して行うときは、保護観察対象者に、委託期間中は委託を受けた者(以下「受託者」という。)の指示に従い、改善更生に努める旨の誓約をさせるものとする。
保護観察所の長は、委託した補導援護を受託者が終了したとき 又は必要があると認めるときは、速やかに、受託者に、書面により、当該委託に係る事務の実施状況を報告させなければならない。
保護観察所の長は、保護観察対象者について、次に掲げる事由が生じたときは、直ちに、受託者に、これを報告させなければならない。
受託者の指示に従わず、又は無断で転居し、若しくは所在が不明であるため、委託を受けた補導援護の措置をとることができないとき。
委託を受けた補導援護の措置を受ける意思がない旨の申出があったとき。
受託者において、委託を受けた補導援護の目的を達し、これを継続する必要がないと認めるとき。
受託者において、犯罪 又は非行に結び付くおそれのある行動を認めたとき。
感染症 その他重い疾病にかかったとき。
その他受託者において、委託を受けた補導援護の措置をとることに支障を及ぼす事情が生じたと認めるとき。
保護観察所の長は、委託した補導援護が適切に行われるよう、その状況を把握し、受託者に対し必要な指示 その他の措置をとるものとする。
保護観察所の長は、必要があると認めるときは、受託者の意見 及び保護観察対象者の意向を参酌し、委託先 若しくは委託内容の変更 又は委託の解除を行うものとする。
保護観察所の長は、前項の規定による変更 又は解除を行ったときは、速やかに、受託者に対し、その旨を通知しなければならない。