犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律

# 平成十二年法律第七十五号 #
略称 : 犯罪被害者等保護法  犯罪被害者保護法 

第三節 異議等

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和四年五月二十五日 ( 2022年 5月25日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十八号による改正
最終編集日 : 2023年 01月09日 11時06分


1項

当事者は、損害賠償命令の申立てについての裁判に対し、前条第三項の規定による送達 又は同条第四項の規定による告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。

2項

裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。

3項

前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

4項

適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、仮執行の宣言を付したものを除き、その効力を失う。

5項

適法な異議の申立てがないときは、損害賠償命令の申立てについての裁判は、確定判決と同一の効力を有する。

6項

民事訴訟法第三百五十八条 及び第三百六十条の規定は、第一項の異議について準用する。

1項

損害賠償命令の申立てについての裁判に対し適法な異議の申立てがあったときは、損害賠償命令の申立てに係る請求については、その目的の価額に従い、当該申立ての時に、当該申立てをした者が指定した地(その指定がないときは、当該申立ての相手方である被告人の普通裁判籍の所在地)を管轄する地方裁判所 又は簡易裁判所に訴えの提起があったものとみなす。


この場合においては、第二十三条第二項の書面を訴状と、第二十四条の規定による送達を訴状の送達とみなす。

2項

前項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、損害賠償命令の申立てに係る事件(以下「損害賠償命令事件」という。)に関する手続の費用は、訴訟費用の一部とする。

3項

第一項の地方裁判所 又は簡易裁判所は、その訴えに係る訴訟の全部 又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、決定で、これを管轄裁判所に移送しなければならない。

4項

前項の規定による移送の決定 及び当該移送の申立てを却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

1項

前条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、裁判所は、検察官 及び被告人 又は弁護人の意見(刑事被告事件に係る訴訟が終結した後においては、当該訴訟の記録を保管する検察官の意見)を聴き、第三十条第四項の規定により取り調べた当該被告事件の訴訟記録(以下「刑事関係記録」という。)中、関係者の名誉 又は生活の平穏を著しく害するおそれがあると認めるもの、捜査 又は公判に支障を及ぼすおそれがあると認めるものその他 前条第一項の地方裁判所 又は簡易裁判所に送付することが相当でないと認めるものを特定しなければならない。

2項

裁判所書記官は、前条第一項の地方裁判所 又は簡易裁判所の裁判所書記官に対し、損害賠償命令事件の記録(前項の規定により裁判所が特定したものを除く)を送付しなければならない。

1項

第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における前条第二項の規定により送付された記録についての書証の申出は、民事訴訟法第二百十九条の規定にかかわらず、書証とすべきものを特定することによりすることができる。

1項

仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合において、当該訴えについてすべき判決が損害賠償命令と符合するときは、その判決において、損害賠償命令を認可しなければならない。


ただし、損害賠償命令の手続が法律に違反したものであるときは、この限りでない。

2項

前項の規定により損害賠償命令を認可する場合を除き、 仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における当該訴えについてすべき判決においては、損害賠償命令を取り消さなければならない。

3項

民事訴訟法第三百六十三条の規定は、仮執行の宣言を付した損害賠償命令に係る請求について第三十四条第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされた場合における訴訟費用について準用する。


この場合において、

同法第三百六十三条第一項
異議を却下し、又は手形訴訟」とあるのは、
「損害賠償命令」と

読み替えるものとする。