警察職員は、警ら、巡回連絡、少年の補導、交通の取締り、捜査 その他の警察活動に際して、行方不明者の発見に配意するものとする。
行方不明者発見活動に関する規則
第三章 行方不明者の発見のための活動
第一節 一般的な発見活動
警察本部の行方不明者発見活動を担当する課(隊 その他課に準ずるものを含む。)の長 又は警察署長は、行方不明者の発見のため必要があると認めるときは、警察本部長(方面本部長を除く。)を通じて、行方不明者照会(警察庁人身安全・少年課長に対して、第八条第三項の規定により保管する記録のうちから必要な記録を検索し、該当する記録に係る情報を提供するよう求めることをいう。)を行うことができる。
警察庁人身安全・少年課長は、前項の規定による行方不明者照会を受けたときは、直ちに第八条第三項の規定により保管する記録を検索し、その結果を回答しなければならない。
受理署長は、行方不明者の発見のために必要であり、かつ、届出人の意思 その他の事情を考慮して適当と認めるときは、行方不明者の氏名、年齢 その他の事項を記載した資料を作成し、警察署の掲示場への掲示、インターネットの利用 その他の適切な方法により公表するものとする。
前項の規定により受理署長が資料を公表する期間は、当該資料に係る行方不明者が発見されたとき 又はその死亡が確認されたときその他資料を公表する必要がなくなったと認めるときを除き、資料を公表した日からおおむね三月間とする。
ただし、受理署長は、必要があると認めるときは、その期間を延長することができる。
受理署長は、届出人 その他関係者から第一項の規定による資料に準じて作成された資料の提供を受けたときは、これを同項に規定する方法により公表することができる。
受理署長は、行方不明者届を受理した日から一月を経過しても当該行方不明者届に係る行方不明者が発見されないときは、受理票の写しを作成し、警察本部の鑑識課長(以下「本部鑑識課長」という。)に送付しなければならない。
警察署長は、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(平成二十四年法律第三十四号)第四条第一項の規定による報告 又は死体に関する法令に基づく届出に係る死体であって身元が明らかでないものについて、その死亡者に該当する可能性のある行方不明者届を受理しているかどうか確認し、これを受理していないときは、速やかに、身元不明死体票を作成し、本部鑑識課長に送付しなければならない。
本部鑑識課長は、第十五条 又は第二十条第三項の規定により受理票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該受理票の写しと第三項の規定により保管する身元不明死体票とを対照する方法により調査を行い、当該受理票の写しに係る行方不明者が当該身元不明死体票に係る死亡者に該当したときは、その旨を当該受理票の写し 及び身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
本部鑑識課長は、前条の規定により身元不明死体票の送付を受けたときは、速やかに、当該身元不明死体票と次項の規定により保管する受理票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該身元不明死体票に係る死亡者が当該受理票の写しに係る行方不明者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票 及び受理票の写しを送付した警察署長に通知しなければならない。
本部鑑識課長は、前二項に規定する調査により、受理票の写しに係る行方不明者の死亡が確認されなかったときは、送付を受けた受理票の写し 又は身元不明死体票を整理し、及び保管するとともに、速やかに、その写しを作成し、警察庁刑事局犯罪鑑識官(以下「警察庁犯罪鑑識官」という。)に送付しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、前条第三項の規定により受理票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該受理票の写しと第四項の規定により保管する身元不明死体票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該受理票の写しに係る行方不明者が当該身元不明死体票の写しに係る死亡者に該当したときは、その旨を当該受理票の写し 及び身元不明死体票の写しを送付した本部鑑識課長に通知しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、前条第三項の規定により身元不明死体票の写しの送付を受けたときは、速やかに、当該身元不明死体票の写しと第四項の規定により保管する受理票の写しとを対照する方法により調査を行い、当該身元不明死体票の写しに係る死亡者が当該受理票の写しに係る行方不明者に該当したときは、その旨を当該身元不明死体票の写し 及び受理票の写しを送付した本部鑑識課長に通知しなければならない。
前二項の規定による通知を受けた本部鑑識課長は、当該通知があった旨を当該受理票の写し 又は身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、第一項 又は第二項に規定する調査により、受理票の写しに係る行方不明者の死亡が確認されなかったときは、その旨を当該受理票の写し 又は身元不明死体票の写しを送付した本部鑑識課長に通知するとともに、送付を受けた受理票の写し 又は身元不明死体票の写しを整理し、及び保管しなければならない。
前項の規定による通知を受けた本部鑑識課長は、当該通知があった旨を当該受理票の写し 又は身元不明死体票を送付した警察署長に通知しなければならない。
警察職員は、生活の本拠を離れ、その身元が明らかでない者(以下「迷い人」という。)を発見したときは、速やかに、当該迷い人を発見した場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。
警察署長は、前項の規定による報告を受けたときは、当該迷い人について、自ら 又は他の警察署長が受理した行方不明者届の有無を確認するよう努めるものとする。
第二節 特異行方不明者の発見活動
受理署長は、特異行方不明者の発見のため、その行方に関する情報の収集 又は必要な探索 若しくは捜査を行うとともに、届出人 その他関係者と適時必要な連絡をとるものとする。
受理署長は、前項に規定する場合において、特異行方不明者の発見のために必要があると認めるときは、関係行政機関 若しくは地方公共団体 又は関係事業者の協力を求めるものとする。
受理署長は、特異行方不明者(第二条第二項第二号に掲げる者を除く。)については、第十五条の規定にかかわらず、第十一条第一項の規定による判定をした後速やかに、受理票の写しを作成し、本部鑑識課長に送付しなければならない。
受理署長は、次に掲げるときは、他の警察署長に対して、特異行方不明者の発見を求める手配(以下「特異行方不明者手配」という。)を行うことができる。
特異行方不明者の立ち回り見込先が判明しているとき。
特異行方不明者の立ち回り見込地域が判明し、かつ、就業が予想される業種等が判明しているとき。
特異行方不明者手配は、特異行方不明者手配書により、前条第一号の立ち回り見込先 又は第二号の立ち回り見込地域を管轄する警察署長に対して行わなければならない。
受理署長は、特異行方不明者手配を行う場合においては、あらかじめ警察本部長に報告した後、直接に、又は警察本部長を通じてこれを行わなければならない。
受理署長は、急を要すると認めるときは、前二項の規定にかかわらず、第一項に規定する警察署長に対して、電話 その他の方法により直接特異行方不明者手配を行うことができる。
この場合においては、特異行方不明者手配を行った後速やかに、前二項の規定による手続を行わなければならない。
警察署長は、特異行方不明者手配を受けたときは、速やかに、次に掲げる特異行方不明者の発見のための活動を行わなければならない。
立ち回り見込先については、特異行方不明者の立ち回りの有無の調査 及び立ち回り見込先の周辺の探索を行うとともに、立ち回り見込先の関係者に対して、特異行方不明者が立ち回った際における連絡の依頼 その他の必要な協力を求めること。
立ち回り見込地域については、特異行方不明者の就業が予想される業種の営業所等に対する必要な調査を行うこと。
特異行方不明者手配の有効期間は、手配をした日から三月を経過する日までとする。
ただし、受理署長は、継続の必要があると認めるときは、三月ごとにその期間を更新することができる。
受理署長は、特異行方不明者について第十八条第五項の規定による通知を受けた場合において、届出人の求めがあり、当該特異行方不明者の発見のため必要かつ相当であると認めるときは、次の各号に掲げる者から、その同意を得て、当該各号に定める資料(以下「特異行方不明者等資料」という。)の提出を受け、警視庁 又は道府県警察本部の科学捜査研究所長(以下「科学捜査研究所長」という。)に当該特異行方不明者等資料を送付することにより、当該資料のDNA型鑑定(DNA型記録取扱規則(平成十七年国家公安委員会規則第十五号)第二条第三号のDNA型鑑定をいう。以下同じ。)を嘱託することができる。
届出人(次号から第四号までに掲げる者を除く。)
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料であってDNA型鑑定に用いられるもの
当該特異行方不明者の実子
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料 又は当該実子の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
当該特異行方不明者の実父
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料 又は当該実父の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
当該特異行方不明者の実母
当該特異行方不明者が遺留したと認められる資料 又は当該実母の身体の組織の一部であってDNA型鑑定に用いられるもの
前項の規定による嘱託を受けた科学捜査研究所長は、当該嘱託に係る資料のDNA型鑑定を行い、その特定DNA型(DNA型記録取扱規則第二条第二号の特定DNA型をいう。以下同じ。)が判明した場合において、前項に規定する受理署長から第四項の規定による対照をする必要があると認められる旨の通知を受けたときは、当該資料の特定DNA型 その他の警察庁長官が定める事項の記録(以下「特異行方不明者等DNA型記録」という。)を作成し、これを警察庁犯罪鑑識官に電磁的方法により送信しなければならない。
科学捜査研究所長は、前項の規定による送信をしたときは、当該特異行方不明者等DNA型記録を抹消しなければならない。
第二項の規定による送信を受けた警察庁犯罪鑑識官は、速やかに、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特定DNA型と 警察庁犯罪鑑識官の保管する変死者等DNA型記録(DNA型記録取扱規則第二条第九号の変死者等DNA型記録をいう。以下同じ。) 及び死体DNA型記録(死体取扱規則(平成二十五年国家公安委員会規則第四号)第四条第二項に規定する死体DNA型記録をいう。以下同じ。)に係る特定DNA型とを対照し、直ちに、その結果を当該送信をした科学捜査研究所長に通知しなければならない。
前項の規定による通知を受けた科学捜査研究所長は、直ちに、当該通知の内容を第一項に規定する受理署長に通知しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、前条第二項の規定による特異行方不明者等DNA型記録の送信を受けたときは、行方不明者発見活動に資するため、これを整理保管しなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、特異行方不明者等DNA型記録の保管に当たっては、これに記録された情報の漏えい、滅失 又はき損の防止を図るため必要かつ適切な措置を講じなければならない。
警察庁犯罪鑑識官は、その保管する特異行方不明者等DNA型記録が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該特異行方不明者等DNA型記録を抹消しなければならない。
前条第四項の規定による対照をした場合において、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特定DNA型が警察庁犯罪鑑識官の保管する変死者等DNA型記録 又は死体DNA型記録に係る特定DNA型に該当し、当該特異行方不明者等DNA型記録に係る特異行方不明者が当該変死者等DNA型記録に係る変死者等 又は死体DNA型記録に係る取扱死体(警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律(平成二十四年法律第三十四号)第五条第一項に規定する取扱死体をいう。)であることが判明したとき。
前号に掲げるもののほか、特異行方不明者等DNA型記録を保管する必要がなくなったとき。