預金等に係る不当契約の取締に関する法律

昭和三十二年法律第百三十六号
分類 法律
カテゴリ   金融・保険
最終編集日 : 2023年 01月23日 15時29分

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1項

この法律において「金融機関」とは、銀行、株式会社商工組合中央金庫農林中央金庫、信用金庫、信用金庫連合会、労働金庫、労働金庫連合会、信用協同組合、中小企業等協同組合法昭和二十四年法律第百八十一号)第九条の九第一項第一号の事業を行う協同組合連合会 その他 預金等の受入れ 及び資金の融通を業とする者をいう。

2項

この法律において「預金等」とは、預金、貯金、定期積金、銀行法昭和五十六年法律第五十九号)第二条第四項に規定する掛金(次項において「掛金」という。)及び金融機関の信託業務の兼営等に関する法律昭和十八年法律第四十三号)第六条に規定する契約による金銭信託をいう。

3項

この法律において「特別の金銭上の利益」とは、利息、手数料、礼金 その他いずれの名義をもつてするかを問わず、 預金等をする者が当該預金等に関し臨時金利調整法昭和二十二年法律第百八十一号)第二条の規定により定められた最高限度の金利による利息(定期積金 又は掛金にあつては、これらの契約に係る給付金額から払込金 又は掛金の金額の合計額を控除した金額に相当するもの)及び配当のほかに受ける金銭上の利益をいう。

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1項

金融機関に預金等をする者は、当該預金等に関し、特別の金銭上の利益を得る目的で、特定の第三者と通じ、当該金融機関を相手方として、当該預金等に係る債権を担保として提供することなく、 当該金融機関がその者の指定する特定の第三者に対し資金の融通をし、又は当該第三者のために債務の保証をすべき旨を約してはならない。

2項

金融機関に預金等をすることについて媒介をする者は、当該預金等に関し、当該預金等をする者に特別の金銭上の利益を得させる目的で、特定の第三者と通じ、又は自己のために、 当該金融機関を相手方として、当該預金等に係る債権を担保として提供することなく、当該金融機関がその者の指定する特定の第三者 若しくは自己に対し資金の融通をし、又は その者の指定する特定の第三者 若しくは自己のために債務の保証をすべき旨を約してはならない。

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1項

金融機関は、預金等をし、又は その媒介をする者で前条第一項 又は第二項に規定する目的を有するものを相手方として、当該預金等に係る債権を担保とすることなく、これらの規定に規定する旨を約してはならない。

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1項

次の各号の一に該当する者は、三年以下の懲役 若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第二条の規定に違反した者

二 号

いずれの名義 又は方法をもつてするかを問わず、第二条の規定の禁止を免かれる行為をした者

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1項

次の各号の一に該当する場合には、その違反行為をした金融機関の役員 又は職員は、三年以下の懲役 若しくは三十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一 号

第三条の規定に違反したとき。

二 号

いずれの名義 又は方法をもつてするかを問わず、第三条の規定の禁止を免かれる行為をしたとき。

2項

金融機関の役員 又は職員は、第三条に規定する旨を約した場合には、その相手方が第二条第一項 又は第二項に規定する目的を有することを知らなかつたことを理由として、前項の処罰を免かれることができない


ただし、その知らなかつたことについて過失のないことの証明があつたときは、この限りでない。

3項

前項の場合において、同項に規定する目的を有することを知らなかつたことについて過失があるにとどまるときは、情状によりその刑を免除することができる。

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1項

法人(法人でない社団 又は財団で代表者 又は管理人の定のあるものを含む。以下 この項において同じ。)の代表者 又は法人 若しくは人の代理人、使用人 その他の従業者が、法人 又は人の業務 又は財産に関して前二条の違反行為をしたときは、 行為者を罰するほか、その法人 又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

2項

前項の規定により法人でない社団 又は財団を処罰する場合においては、 その代表者 又は管理人がその訴訟行為につきその社団 又は財団を代表するほか、法人を被告人 又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。

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