会社法

# 平成十七年法律第八十六号 #

第二款 創立総会等

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年六月十四日 ( 2023年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十三号による改正
最終編集日 : 2024年 10月13日 07時55分

1項

第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日 又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項 又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。

2項

発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。

1項

創立総会は、この節に規定する事項 及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結 その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。

1項

発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号
創立総会の日時 及び場所
二 号
創立総会の目的である事項
三 号

創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨

四 号

創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨

五 号

前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項

2項

発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。

1項

創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間前条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。

2項

次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。

一 号

前条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合

二 号

設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合

3項

発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。


この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。

4項

前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

5項

発起人が設立時株主に対してする通知 又は催告は、第二十七条第五号 又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。

6項

前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。

7項

前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。


この場合において、

前項
到達したもの」とあるのは、
「当該書面の交付 又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と

読み替えるものとする。

1項

前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。


ただし第六十七条第一項第三号 又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。

1項

発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下 この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下 この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。

2項

発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類 及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。


ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。

1項

発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。

2項

発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。


ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。

3項

発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。

4項

発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。

1項

設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有すること その他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。


ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。

2項

設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。

3項

前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。

1項

創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。

2項

前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。

3項

定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。

4項

創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない


ただし、定款の変更 又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。

1項

設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。


この場合においては、当該設立時株主 又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。

2項

前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。

3項

第一項の設立時株主 又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。


この場合において、当該設立時株主 又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。

4項

設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。

5項

発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。

6項

発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項 及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面 及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項 及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。

7項

設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項 及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項 及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 号
代理権を証明する書面の閲覧 又は謄写の請求
二 号

前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求

1項

書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。

2項

前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。

3項

発起人は、創立総会の日から三箇月間第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。

4項

設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧 又は謄写の請求をすることができる。

1項

電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。

2項

設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。

3項

第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。

4項

発起人は、創立総会の日から三箇月間第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。

5項

設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求をすることができる。

1項

設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。


この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨 及びその理由を通知しなければならない。

2項

発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。

1項

発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。


ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合 その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。

1項

創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。

2項

創立総会の議長は、その命令に従わない者 その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。

1項

創立総会においてその延期 又は続行について決議があった場合には、第六十七条 及び第六十八条の規定は、適用しない

1項

創立総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。

2項

発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第二項において同じ。)は、創立総会の日から十年間前項の議事録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。同条第二項において同じ。)に備え置かなければならない。

3項

設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主 及び債権者。次条第三項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。同項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 号

第一項の議事録が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求

二 号

第一項の議事録が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求

4項

株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第一項の議事録について前項各号に掲げる請求をすることができる。

1項

発起人が創立総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき設立時株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る)の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなす。

2項

発起人は、前項の規定により創立総会の決議があったものとみなされた日から十年間同項の書面 又は電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。

3項

設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。

一 号

前項の書面の閲覧 又は謄写の請求

二 号

前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求

4項

株式会社の成立後において、当該株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、第二項の書面 又は電磁的記録について前項各号に掲げる請求をすることができる。

1項

発起人が設立時株主の全員に対して創立総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を創立総会に報告することを要しないことにつき設立時株主の全員が書面 又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の創立総会への報告があったものとみなす。

1項

設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、その設立に際して発行するある種類の株式の内容として、株主総会において決議すべき事項について、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とする旨の定めがあるときは、当該事項は、その定款の定めの例に従い、創立総会の決議のほか、当該種類の設立時発行株式の設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。以下 この節において同じ。)を構成員とする種類創立総会(ある種類の設立時発行株式の設立時種類株主の総会をいう。以下同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。


ただし、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主が存しない場合は、この限りでない。

1項

前条第九十条第一項同条第二項において準用する場合を含む。)、第九十二条第一項同条第四項において準用する場合を含む。)、第百条第一項 又は第百一条第一項の規定により種類創立総会の決議をする場合には、発起人は、種類創立総会を招集しなければならない。

2項

種類創立総会の決議は、当該種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。

3項

前項の規定にかかわらず第百条第一項の決議は、同項に規定する種類創立総会において議決権を行使することができる設立時種類株主の半数以上であって、当該設立時種類株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。

1項

第六十七条から第七十一条まで第七十二条第一項 及び第七十四条から第八十二条までの規定は、種類創立総会について準用する。


この場合において、

第六十七条第一項第三号 及び第四号 並びに第二項第六十八条第一項 及び第三項第六十九条から第七十一条まで第七十二条第一項第七十四条第一項第三項 及び第四項第七十五条第二項第七十六条第二項 及び第三項第七十七条第七十八条本文 並びに第八十二条第一項
設立時株主」とあるのは、
「設立時種類株主(ある種類の設立時発行株式の設立時株主をいう。)」と

読み替えるものとする。