地方独立行政法人法
第一節 通則
この法律において「地方独立行政法人」とは、住民の生活、地域社会 及び地域経済の安定等の公共上の見地からその地域において確実に実施されることが必要な事務 及び事業であって、地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものと地方公共団体が認めるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律の定めるところにより地方公共団体が設立する法人をいう。
この法律において「特定地方独立行政法人」とは、地方独立行政法人(第二十一条第二号に掲げる業務を行うものを除く。)のうち、その業務の停滞が住民の生活、地域社会 若しくは地域経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすため、又はその業務運営における中立性 及び公正性を特に確保する必要があるため、その役員 及び職員に地方公務員の身分を与える必要があるものとして地方公共団体が当該地方独立行政法人の定款で定めるものをいう。
地方独立行政法人は、その業務を確実に実施するために必要な資本金 その他の財産的基礎を有しなければならない。
地方公共団体でなければ、地方独立行政法人に出資することができない。
設立団体(地方独立行政法人を設立する一 又は二以上の地方公共団体をいう。以下同じ。)は、地方独立行政法人の資本金の額の二分の一以上に相当する資金 その他の財産を出資しなければならない。
地方独立行政法人は、業務の見直し、社会経済情勢の変化 その他の事由により、その保有する重要な財産であって条例で定めるものが将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる場合において、当該財産が地方公共団体からの出資 又は設立団体からの支出(金銭の出資に該当するものを除く。)に係るものであるときは、第四十二条の二の規定により、当該財産(以下「出資等に係る不要財産」という。)を処分しなければならない。
地方独立行政法人に出資される財産のうち金銭以外のものの価額は、出資の日現在における時価を基準として出資する地方公共団体が評価した価額とする。
前項の評価に関し必要な事項は、政令で定める。
地方公共団体は、地方独立行政法人を設立しようとするときは、その議会の議決を経て定款を定め、都道府県(都道府県の加入する一部事務組合 又は広域連合を含む。以下この条において同じ。)又は都道府県 及び都道府県以外の地方公共団体が設立しようとする場合にあっては総務大臣、その他の場合にあっては都道府県知事の認可を受けなければならない。
地方独立行政法人の定款には、次に掲げる事項を規定しなければならない。
特定地方独立行政法人 又は特定地方独立行政法人以外の地方独立行政法人(以下「一般地方独立行政法人」という。)の別
公共的な施設(住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設をいう。以下この条、第二十一条第六号 及び第二十四条において同じ。)の設置 及び管理を行う場合には、当該公共的な施設の名称 及び所在地
定款の変更は、設立団体(設立団体の数を増加させる場合における定款の変更にあっては、設立団体 及び加入設立団体(新たに設立団体となる地方公共団体をいう。以下同じ。))の議会の議決を経て前条の規定の例により総務大臣 又は都道府県知事の認可を受けなければ、その効力を生じない。
ただし、その変更が政令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
第一項第五号に掲げる事項についての定款の変更は、特定地方独立行政法人を一般地方独立行政法人とする場合に限り、行うことができる。
設立団体の長は、第一項第五号に掲げる事項についての定款の変更を行おうとするときは、あらかじめ、第十一条第一項に規定する評価委員会の意見を聴かなければならない。
地方独立行政法人は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条 及び第七十八条の規定は、地方独立行政法人について準用する。