文部科学大臣は、文化財の保存のために欠くことのできない伝統的な技術 又は技能で保存の措置を講ずる必要があるものを選定保存技術として選定することができる。
文化財保護法
第十章 文化財の保存技術の保護
文部科学大臣は、前項の規定による選定をするに当たつては、選定保存技術の保持者 又は保存団体(選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者 又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
一の選定保存技術についての前項の認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。
第一項の規定による選定 及び前二項の規定による認定には、第七十一条第三項 及び第四項の規定を準用する。
文部科学大臣は、選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなつた場合その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。
文部科学大臣は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保存団体が保存団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特殊の事由があるときは、保持者 又は保存団体の認定を解除することができる。
前二項の場合には、第七十二条第三項の規定を準用する。
前条第二項の認定が保持者のみについてなされた場合にあつてはそのすべてが死亡したとき、同項の認定が保存団体のみについてなされた場合にあつてはそのすべてが解散したとき(消滅したときを含む。以下この項において同じ。)、同項の認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあつては保持者のすべてが死亡しかつ保存団体のすべてが解散したときは、選定保存技術の選定は、解除されたものとする。
この場合には、文部科学大臣は、その旨を官報で告示しなければならない。
保持者 及び保存団体には、第七十三条の規定を準用する。
この場合において、
同条後段中
「代表者」とあるのは、
「代表者 又は管理人」と
読み替えるものとする。
文化庁長官は、選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、選定保存技術について自ら記録を作成し、又は伝承者の養成 その他選定保存技術の保存のために必要と認められるものについて適当な措置を執ることができる。
選定保存技術の記録の所有者には、第八十八条の規定を準用する。
国は、選定保存技術の保持者 若しくは保存団体 又は地方公共団体 その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、指導、助言 その他の必要と認められる援助をすることができる。