森林所有者 又は森林所有者から森林の経営の委託を受けた者は、自らが森林の経営を行う森林であつてこれを一体として整備することを相当とするものとして政令で定める基準に適合するものにつき、単独で 又は共同して、農林水産省令で定めるところにより、五年を一期とする森林の経営に関する計画(以下「森林経営計画」という。)を作成し、これを当該森林経営計画の対象とする森林の所在地の属する市町村の長に提出して、当該森林経営計画が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
森林法
第五節 森林経営計画
森林経営計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
その対象とする森林についての所在場所別の面積、人工植栽に係る森林とその他の森林との区別、樹種 又は林相、林齢 及び立木の材積
伐採する森林についての所在場所別の伐採時期、伐採面積、伐採立木材積 及び伐採方法(間伐に関する事項を除く。)
森林病害虫の駆除 及び予防の方法、火災の予防の方法 その他の森林の保護に関する事項(前号に掲げる事項を除く。)
第一項の規定による認定の請求は、農林水産省令で定める書類を添えてしなければならない。
市町村の長は、第一項の規定による認定の請求があつた場合において、当該森林経営計画の内容が次に掲げる要件の全てを満たすときは、当該森林経営計画が適当である旨の認定をするものとする。
第二項第一号に掲げる長期の方針が、森林経営計画の対象とする森林の整備を図るために有効かつ適切なものであること。
第二項第三号から第六号までに掲げる事項が、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める基準に適合していること。
公益的機能別施業森林区域以外の区域内に存する森林 森林生産の保続 及び森林生産力の増進を図るために必要なものとして、農林水産省令で定める植栽、間伐 その他の森林施業の合理化に関する基準
第二項第四号 又は第八号に掲げる事項に火入れに関する事項が記載されている場合には、その火入れをする目的が第二十一条第二項第一号 又は第三号に該当するものであること。
当該森林経営計画の対象とする森林の全部 又は一部が鳥獣害防止森林区域内に存する場合には、第二項第七号の鳥獣害の防止の方法が農林水産省令で定める鳥獣害の防止の方法に関する基準に適合していること。
当該森林経営計画に第三項に規定する事項が記載されている場合には、当該森林経営計画の対象とする森林の周辺の森林の森林所有者の申出に応じて当該認定の請求をした者が森林の経営の委託を受けることが確実であると見込まれること その他の森林の経営の規模の拡大が図られることが確実であると認められるものとして農林水産省令で定める要件に該当するものであること。
当該森林経営計画の対象とする森林の全部 又は一部が第三十九条の四第一項第一号に規定する要整備森林である場合には、同項の規定により地域森林計画に定められている事項に照らして適当であると認められること。
市町村の長は、前項の認定をしようとする場合において、当該森林経営計画に火入れに関する事項が記載され、かつ、当該火入れをする森林が国有林野の管理経営に関する法律に規定する国有林野に近接する森林であるときは、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、その国有林野を管轄する森林管理署長に協議し、その同意を得なければならない。
前条第五項の認定を受けた森林所有者 又は森林所有者から森林の経営の委託を受けた者(以下「認定森林所有者等」という。)は、次に掲げる場合には、当該森林経営計画を変更しなければならない。
この場合には、当該認定森林所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、市町村の長にその変更が適当であるかどうかにつき認定を求めなければならない。
当該認定森林所有者等が当該森林経営計画の対象とする森林の一部につき自ら森林の経営を行わなくなつた場合 又は当該森林経営計画の対象とする森林以外の森林であつて前条第一項の政令で定める基準に適合するものにつき新たに自ら森林の経営を行うこととなつた場合
当該認定森林所有者等が次条の規定による通知を受けた場合
認定森林所有者等は、前項各号に掲げる場合を除くほか、当該森林経営計画の変更を必要とする場合には、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、市町村の長にその変更が適当であるかどうかにつき認定を求めることができる。
前二項の規定による認定の請求については、前条第四項から第六項までの規定を準用する。
この場合において、
同条第五項中
「当該森林経営計画の内容」とあるのは
「当該変更後の森林経営計画の内容」と、
「当該森林経営計画が適当である」とあるのは
「当該変更が適当である」と
読み替えるものとする。
市町村の長は、第十一条第五項の認定に係る森林経営計画(その変更につき前条第三項において読み替えて準用する第十一条第五項の規定による認定があつたときは、その変更後のもの)の内容が同項各号に掲げる要件の全部 又は一部に適合しなくなつたと認めるときは、当該森林経営計画に係る認定森林所有者等に対し、当該森林経営計画を変更すべき旨を通知しなければならない。
認定森林所有者等は、災害 その他やむを得ない理由による場合を除き、当該森林経営計画の対象とする森林の施業 及び保護について当該森林経営計画を遵守しなければならない。
認定森林所有者等は、当該森林経営計画の対象とする森林につき当該森林経営計画において定められている立木の伐採 又は造林をした場合 その他農林水産省令で定める場合には、農林水産省令で定めるところにより、市町村の長にその届出書を提出しなければならない。
市町村の長は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該森林経営計画に係る第十一条第五項の認定を取り消すことができる。
認定森林所有者等が、第十二条第一項各号に掲げる場合において、同項の規定による認定の請求をせず、又は請求をしたが当該認定を受けられなかつたとき。
認定森林所有者等が、第十四条の規定に違反していると認められるとき。
認定森林所有者等が、前条の規定による届出書の提出をせず、又は虚偽の届出書の提出をしたとき。
第十一条から第十三条まで、第十五条 若しくは前条の規定 又はこれらの規定に基づく農林水産省令の規定によつてした処分、手続 その他の行為は、第十一条第一項の規定による認定の請求をした者 又は認定森林所有者等が死亡し、合併により解散し、又は分割をした場合には、その包括承継人に対しても、その効力を有する。
前項に規定する場合には、同項の包括承継人は、農林水産省令で定めるところにより、市町村の長にその届出書を提出しなければならない。
第一項に規定する処分、手続 その他の行為については、第三条の規定は、適用しない。
森林経営計画の対象とする森林の所在地が二以上の市町村にわたる場合には、第十一条から第十三条まで 及び第十五条から第十七条までの規定において市町村の長の権限に属させた事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じて、当該各号に定める者が処理する。
当該森林経営計画の対象とする森林の全部が一の都道府県の区域内にある場合
当該都道府県知事
前号に掲げる場合以外の場合
農林水産大臣
農林水産大臣は、前項の規定により同項の事項を処理する場合には、当該森林経営計画の対象とする森林の所在地を管轄する都道府県知事から当該森林の所在地の属する市町村に係る市町村森林整備計画書の写しの送付を受けるものとする。
農林水産大臣 及び都道府県知事は、第一項の規定により第十一条第五項の規定による認定(第十二条第三項において読み替えて準用する第十一条第五項の規定による変更の認定を含む。次項において同じ。)又は第十三条の規定による通知をしようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、関係市町村の長の意見を聴かなければならない。
農林水産大臣 及び都道府県知事は、第一項の規定により第十一条第五項の規定による認定 又は第十六条の規定による認定の取消しをしたときは、農林水産省令で定めるところにより、関係市町村の長にその旨を通知しなければならない。