民法

# 明治二十九年法律第八十九号 #

第四節 無効及び取消し

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十三号による改正
最終編集日 : 2024年 10月25日 21時20分


1項

無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。


ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。

1項

行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人 若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

2項

錯誤、詐欺 又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者 又はその代理人 若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

1項

取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。

1項

無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。

2項

前項の規定にかかわらず、無効な無償行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、給付を受けた当時その行為が無効であること(給付を受けた後に前条の規定により初めから無効であったものとみなされた行為にあっては、給付を受けた当時その行為が取り消すことができるものであること)を知らなかったときは、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

3項

第一項の規定にかかわらず、行為の時に意思能力を有しなかった者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。


行為の時に制限行為能力者であった者についても、同様とする。

1項

取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない

1項

取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し 又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。

1項

取り消すことができる行為の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅し、かつ、取消権を有することを知った後にしなければ、その効力を生じない。

2項

次に掲げる場合には、前項の追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にすることを要しない。

一 号

法定代理人 又は制限行為能力者の保佐人 若しくは補助人が追認をするとき。

二 号

制限行為能力者(成年被後見人を除く)が法定代理人、保佐人 又は補助人の同意を得て追認をするとき。

1項

追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。


ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。

一 号
全部 又は一部の履行
二 号
履行の請求
三 号
更改
四 号
担保の供与
五 号

取り消すことができる行為によって取得した権利の全部 又は一部の譲渡

六 号
強制執行
1項

取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。


行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。