航空法

# 昭和二十七年法律第二百三十一号 #

第九章 危害行為の防止

分類 法律
カテゴリ   航空
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号
最終編集日 : 2024年 11月08日 11時23分


第一節 危害行為防止基本方針等

1項

国土交通大臣は、航空機の強取、航空機 若しくは空港等の破壊 その他の航空機 若しくは空港等の保安 又は旅客の安全の確保に支障を及ぼし、又は及ぼすおそれがある行為(以下「危害行為」という。)の防止に関する施策の基本となるべき方針(以下「危害行為防止基本方針」という。)を策定するものとする。

2項

危害行為防止基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

一 号
危害行為の防止の意義 及び目標に関する事項
二 号
危害行為の防止のために政府が実施すべき施策に関する基本的な事項
三 号

第百三十一条の二の五第七項に規定する保安検査に関する基本的な事項

四 号

第百三十一条の二の六第二項に規定する預入手荷物検査に関する基本的な事項

五 号

前二号の検査の実施体制の強化 及び検査能力の向上に関する基本的な事項

六 号

前三号に掲げるもののほか、危害行為の防止のために、空港等の設置者、航空旅客取扱施設の管理者、航空運送事業を経営する者、第百三十一条の二の五第七項に規定する保安検査を行う者、同条第八項に規定する保安検査業務受託者、第百三十一条の二の六第二項に規定する預入手荷物検査を行う者、同条第三項に規定する預入手荷物検査業務受託者 その他航空機 若しくは空港等の保安 又は旅客の安全を確保するための業務を行う者として国土交通省令で定めるもの(以下「空港等の設置者等」という。)が講ずべき措置に関する基本的な事項

七 号

危害行為の防止に関する施策に係る国と空港等の設置者等との適切な役割分担 及び相互の連携協力の確保に関する基本的な事項

八 号

前各号に掲げるもののほか、危害行為の防止に関する基本的な事項

3項

国土交通大臣は、危害行為防止基本方針を定めようとするときは、関係行政機関の長に協議しなければならない。

4項

国土交通大臣は、危害行為防止基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

5項

前二項の規定は、危害行為防止基本方針の変更について準用する。

1項

空港等の設置者等は、危害行為防止基本方針に基づき、危害行為を防止するために必要な措置を講じなければならない。

2項

空港等の設置者等の職員(空港等の設置者 その他国土交通省令で定める者が国土交通省令で定めるところにより指定した職員であつて、危害行為の防止に関連する職務に従事する者に限る次項 及び第四項において同じ。)は、前項に規定する措置を適確に実施するため必要があると認めるときは、旅客 その他の者に対し、当該措置の実施のために必要な行為をすること 又は当該措置の実施を妨げる行為をしないことを指示することができる。

3項

空港等の設置者等の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、旅客 その他の者の請求があつたときは、これを提示すること その他の国土交通省令で定める措置をとらなければならない。

4項

旅客 その他の者は、空港等の設置者等の職員から第二項の規定による指示があつたときは、正当な理由がない限り、その指示に従わなければならない。

1項

国土交通大臣は、危害行為防止基本方針に照らして、危害行為の防止に関する措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、空港等の設置者等に対し、危害行為の防止に関する措置の実施について必要な指導 及び助言をすることができる。

第二節 保安検査等

1項

空港等の設置者は、航空機の強取、破壊 その他の航空機を利用した犯罪行為 及び航空機の正常な運航を妨げる行為(以下「航空機強取行為等」という。)の防止を図るため、当該空港等の区域のうち、第八十六条第一項の物件(航空機強取行為等のために使用されるおそれがあるものに限る第四項において同じ。)その他の航空機強取行為等の防止のために航空機内への持込みを制限することが必要な物件の所持を制限する必要があるものを、危険物等所持制限区域として指定することができる。


この場合において、空港等の設置者は、併せて当該区域の管理者(第五項 及び第百三十四条第一項第十一号において「危険物等所持制限区域の管理者」という。)を指定するものとする。

2項
空港等の設置者は、前項の規定により危険物等所持制限区域を指定するときは、あらかじめ、危険物等所持制限区域が存することとなる施設を管理する者、航空運送事業を経営する者 その他の関係者の意見を聴くとともに、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない。
3項

前二項の規定は、危険物等所持制限区域の変更について準用する。

4項

何人も、第八十六条第一項の物件 その他の航空機強取行為等の防止のために危険物等所持制限区域内 及び航空機内への持込みを制限することが必要な物件として国土交通省令で定める物件を所持していないことについて、空港等の管理 及び運営の状況 その他の事情を勘案して国土交通省令で定める者が行う検査を受けた後でなければ、危険物等所持制限区域内に立ち入つてはならない。


ただし、航空機強取行為等を行うおそれがないものとして国土交通省令で定める者が危険物等所持制限区域内に立ち入る場合は、この限りでない。

5項

危険物等所持制限区域の管理者は、前項の検査を受けた後でなければ、危険物等所持制限区域内に立ち入つてはならない旨を、当該危険物等所持制限区域の入口に表示しなければならない。

6項

何人も、第四項の物件を所持していないことについて、空港等の管理 及び運営の状況 その他の事情を勘案して国土交通省令で定める者が行う検査を受けた後でなければ、航空機に搭乗してはならない。


ただし同項の検査を受けた者 又は航空機強取行為等を行うおそれがないものとして国土交通省令で定める者が航空機に搭乗する場合は、この限りでない。

7項

第四項 又は前項の検査(以下「保安検査」という。)を行う者は、当該保安検査に関する業務を他の者に委託するときは、国土交通省令で定める基準に従い、当該委託する業務の適正な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

8項

前項の規定により業務の委託を受けた者(次項 及び第百三十四条第一項第十三号において「保安検査業務受託者」という。)は、国土交通省令で定める基準に従い、当該委託を受けた業務の適正な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

9項

国土交通大臣は、危害行為防止基本方針 及び前二項の基準に照らして、保安検査を行う者 又は保安検査業務受託者の保安検査に関する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、関係する都道府県公安委員会と協議の上、当該保安検査を行う者 又は当該保安検査業務受託者に対し、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

1項

航空運送事業を経営する者 又は第百三十条の二の許可を受けた者は、旅客の手荷物(携行品 その他航空機の客室内に持ち込まれるものを除く。以下この項において「預入手荷物」という。)に前条第四項の物件(爆発性 又は易燃性を有する物件として国土交通省令で定めるものに限る)が含まれていないことについて、空港等の管理 及び運営の状況 その他の事情を勘案して国土交通省令で定める者が行う検査がなされた後でなければ、当該預入手荷物を航空機内に積載してはならない。


ただし、航空機強取行為等を行うおそれがないものとして国土交通省令で定める者の預入手荷物を航空機内に積載する場合は、この限りでない。

2項

前項の検査(以下この項第四項 及び第百三十四条第一項第十四号において「*預入手荷物検査」という。)を行う者は、当該預入手荷物検査に関する業務を他の者に委託するときは、国土交通省令で定める基準に従い、当該委託する業務の適正な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

3項

前項の規定により業務の委託を受けた者(次項 及び第百三十四条第一項第十五号において「預入手荷物検査業務受託者」という。)は、国土交通省令で定める基準に従い、当該委託を受けた業務の適正な遂行を確保するために必要な措置を講じなければならない。

4項

国土交通大臣は、危害行為防止基本方針 及び前二項の基準に照らして、預入手荷物検査を行う者 又は預入手荷物検査業務受託者の預入手荷物検査に関する業務の運営に関し改善が必要であると認めるときは、関係する都道府県公安委員会と協議の上、当該預入手荷物検査を行う者 又は当該預入手荷物検査業務受託者に対し、その改善に必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。