都市再開発法

# 昭和四十四年法律第三十八号 #

第三款 権利の変換

分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2024年 10月22日 11時43分

1項

施行者は、権利変換計画 若しくはその変更の認可を受けたとき、又は権利変換計画について第七十二条第四項の政令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、及び関係権利者に関係事項を書面で通知しなければならない。

2項

権利変換に関する処分は、前項の通知をすることによつて行なう。

3項

権利変換に関する処分については、行政手続法平成五年法律第八十八号第三章の規定は、適用しない

1項

施行者は、権利変換計画 若しくはその変更(権利変換期日に係るものに限る。以下この条において同じ。)の認可を受けたとき、又は第七十二条第四項の政令で定める軽微な変更をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、施行地区を管轄する登記所に、権利変換期日 その他国土交通省令で定める事項を通知しなければならない。

1項

施行地区内の土地は、権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、新たに所有者となるべき者に帰属する。


この場合において、従前の土地を目的とする所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。

2項

権利変換期日において、施行地区内の土地(指定宅地を除く)に権原に基づき建築物を所有する者の当該建築物は、施行者に帰属し、当該建築物を目的とする所有権以外の権利は、この法律に別段の定めがあるものを除き、消滅する。


ただし第六十六条第七項の承認を受けないで新築された建築物 及び施行地区外に移転すべき旨の第七十一条第一項の申出があつた建築物については、この限りでない。

1項

施設建築物の敷地となるべき土地には、権利変換期日において、権利変換計画の定めるところに従い、施設建築物の所有を目的とする地上権が設定されたものとみなす。


ただし、権利変換期日以後第百条第二項の規定による公告の日までの間は、権利変換計画の定めるところに従い、施行者がその地代の概算額を支払うものとする。

2項

施設建築物の一部は、権利変換計画において、これとあわせて与えられることと定められていた地上権の共有持分を有する者が取得する。

3項

第七十三条第四項の規定により宅地(指定宅地を除く)に借地権が存するものとして権利変換計画が定められたときは、当該借地権を有するものとされた者が取得した施設建築物の一部等は、その取得の際、その者から当該借地権の設定者とされた者に対し、当該借地権の存しないことの確定を停止条件として移転したものとみなす。

4項

建物の区分所有等に関する法律第一条に規定する建物の部分 若しくは附属の建物で権利変換計画において施設建築物の共用部分と定められたものがあるとき、権利変換計画において定められた施設建築物の共用部分の共有持分が同法第十一条第一項 若しくは第十四条第一項から第三項までの規定に適合しないとき、又は権利変換計画において定められた施設建築物の所有を目的とする地上権の共有持分の割合が同法第二十二条第二項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に適合しないときは、権利変換計画中 その定めをした部分は、それぞれ同法第四条第二項第十一条第二項 若しくは第十四条第四項 又は第二十二条第二項ただし書(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による規約とみなす。

5項

施行地区内の土地(指定宅地を除く)に存する建築物について借家権を有していた者(その者が更に借家権を設定していたときは、その借家権の設定を受けた者)は、権利変換計画の定めるところに従い、施設建築物の一部について借家権を取得する。

6項

第一項の規定による地上権の設定については、地方自治法第二百三十八条の四第一項 及び国有財産法昭和二十三年法律第七十三号第十八条第一項の規定は、適用しない

1項

指定宅地の使用収益権は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、個別利用区内の宅地の上に存するものとする。

1項

施行地区内の宅地(指定宅地を除く)若しくはその借地権 又は施行地区内の土地(指定宅地を除く)に権原に基づき所有される建築物について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、施設建築敷地 若しくはその共有持分 又は施設建築物の一部等に関する権利の上に存するものとする。

2項

指定宅地 又はその使用収益権について存する担保権等の登記に係る権利は、権利変換期日以後は、権利変換計画の定めるところに従い、個別利用区内の宅地 又はその使用収益権の上に存するものとする。

1項

施行者は、権利変換期日後遅滞なく、施行地区内の土地につき、従前の土地の表題部の登記の抹消 及び新たな土地の表題登記(不動産登記法平成十六年法律第百二十三号第二条第二十号に規定する表題登記をいう。)並びに権利変換後の土地に関する権利について必要な登記を申請し、又は嘱託しなければならない。

2項

施行者は、権利変換期日後遅滞なく、第八十七条第二項の規定により施行者に帰属した建築物については所有権の移転の登記 及び所有権以外の権利の登記の抹消を、施行地区内のその他の建築物については権利変換手続開始の登記の抹消を申請し、又は嘱託しなければならない。

3項

権利変換期日以後においては、施行地区内の土地 及び第八十七条第二項の規定により施行者に帰属した建築物に関しては、前二項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。

1項

施行者は、施行地区内の宅地(指定宅地を除く)若しくはこれに存する建築物 又はこれらに関する権利を有する者で、この法律の規定により、権利変換期日において当該権利を失い、かつ、当該権利に対応して、施設建築敷地 若しくはその共有持分、施設建築物の一部等 又は施設建築物の一部についての借家権を与えられないものに対し、その補償として、権利変換期日までに、第八十条第一項の規定により算定した相当の価額に同項に規定する三十日の期間を経過した日から権利変換計画の認可の公告の日までの物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額に、当該権利変換計画の認可の公告の日から補償金を支払う日までの期間につき法定利率による利息相当額を付してこれを支払わなければならない。


この場合において、その修正率は、政令で定める方法によつて算定するものとする。

2項

収用委員会は、前項の規定による補償を受けるべき者に対し第八十五条第一項の規定による裁決をする場合において、その裁決で定められた価額が前項に規定する相当の価額として施行者が支払つた額を超えるときは、次に掲げる額の合計額を支払うべき旨の裁決をあわせてしなければならない。

一 号

その差額につき第八十条第一項に規定する三十日を経過した日から権利変換計画の認可の公告の日までの前項に規定する物価の変動に応ずる修正率を乗じて得た額 及び権利変換計画の認可の公告の日から権利変換期日までの間の同項に規定する利息相当額

二 号

前号の額につき権利変換期日後 その支払いを完了する日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合による過怠金

3項

土地収用法第九十四条第十項から第十二項までの規定は、前項の裁決に関し、第八十五条第三項の規定による訴えの提起がなかつた場合に準用する。

1項

施行者は、次の各号いずれかに該当する場合においては、前条に規定する補償金(利息相当額を含む。)及び過怠金(以下「補償金等」という。)の支払に代えてこれを供託することができる。

一 号

補償金等の提供をした場合において、補償金等を受けるべき者がその受領を拒んだとき。

二 号
補償金等を受けるべき者が補償金等を受領することができないとき。
三 号

施行者が補償金等を受けるべき者を確知することができないとき。


ただし、施行者に過失があるときは、この限りでない。

四 号
施行者が収用委員会の裁決した補償金等の額に対して不服があるとき。
五 号

施行者が差押え 又は仮差押えにより補償金等の払渡しを禁じられたとき。

2項

前項第四号の場合において、補償金等を受けるべき者の請求があるときは、施行者は、自己の見積り金額を払い渡し、裁決による補償金等の額との差額を供託しなければならない。

3項

施行者は、第七十三条第四項の場合においては、権利変換計画において存するものとされた権利に係る補償金等(併存し得ない二以上の権利が存するものとされた場合においては、それらの権利に対する補償金等のうち最高額のもの)の支払に代えてこれを供託しなければならない。

4項

施行者は、先取特権、質権 若しくは抵当権 又は仮登記 若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的物について補償金等を支払うときは、これらの権利者のすべてから供託しなくてもよい旨の申出があつたときを除き、その補償金等を供託しなければならない。

5項

前四項の規定による供託は、施行地区内の土地の所在地の供託所にしなければならない。

6項

施行者は、第一項から第四項までの規定による供託をしたときは、遅滞なく、その旨を補償金等を取得すべき者(その供託が第三項の規定によるものであるときは、争いの当事者)に通知しなければならない。

1項

前条第四項の先取特権、質権 又は抵当権を有する者は、同項の規定により供託された補償金等に対してその権利を行うことができる。

1項

差押えに係る権利については、第九十一条第一項の規定にかかわらず、施行者は、権利変換期日までに、同項の規定により支払うべき金額を当該差押えによる配当手続を実施すべき機関に払い渡さなければならない。


ただし、強制執行 若しくは担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。以下単に「競売」という。)による代金の納付 又は滞納処分による売却代金の支払があつた後においては、この限りでない。

2項

前項の規定により配当手続を実施すべき機関が払渡しを受けた金銭は、配当に関しては、強制執行 若しくは競売による代金 又は滞納処分による売却代金とみなし、その払渡しを受けた時が強制競売 又は競売に係る配当要求の終期の到来前であるときは、その時に配当要求の終期が到来したものとみなす。

3項

強制競売 若しくは競売に係る売却許可決定後代金の納付前 又は滞納処分による売却決定後売却代金の支払前に第一項本文の規定による払渡しがあつたときは、売却許可決定 又は売却決定は、その効力を失う。

4項

差押えに係る権利について第九十一条第二項の裁決があつたときは、施行者は、その補償金等を当該差押えによる配当手続を実施すべき機関に払い渡さなければならない。

5項

施行者は、前項の場合において、収用委員会の裁決した補償金等の額に対して不服があるときは、同項の規定による払渡しをする際、自己の見積り金額を同項に規定する配当手続を実施すべき機関に通知しなければならない。

6項

第一項 及び前二項の規定は、仮差押えの執行に係る権利に対する補償金等の払渡しに準用する。

7項

施行者に補償金等の支払を命ずる判決が確定したときは、その補償金等の支払に関しては、第一項の規定による補償金等の例による。


この場合において、施行者が補償金等を配当手続を実施すべき機関に払い渡したときは、補償金等の支払を命ずる判決に基づく給付をしたものとみなす。

8項

第一項第四項 又は前二項の規定による補償金等の裁判所への払渡し 及びその払渡しがあつた場合における強制執行、仮差押えの執行 又は競売に関しては、最高裁判所規則で民事執行法昭和五十四年法律第四号)又は民事保全法平成元年法律第九十一号)の特例 その他必要な事項を、その補償金等の裁判所以外の配当手続を実施すべき機関への払渡し 及びその払渡しがあつた場合における滞納処分に関しては、政令で国税徴収法昭和三十四年法律第百四十七号)の特例 その他必要な事項を定めることができる。