ものづくり基盤技術振興基本法

# 平成十一年法律第二号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   産業通則
最終編集日 : 2023年 01月09日 14時35分


1項

この法律は、ものづくり基盤技術が国民経済において果たすべき重要な役割にかんがみ、近年における経済の多様かつ構造的な変化に適切に対処するため、ものづくり基盤技術の振興に関する施策の基本となる事項を定め、 ものづくり基盤技術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進することにより、ものづくり基盤技術の水準の維持 及び向上を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

1項

この法律において「ものづくり基盤技術」とは、工業製品の設計、製造 又は修理に係る技術のうち汎用性を有し、製造業の発展を支えるものとして政令で定めるものをいう。

2項

この法律において「ものづくり基盤産業」とは、ものづくり基盤技術を主として利用して行う事業が属する業種であって、製造業 又は機械修理業、ソフトウェア業、デザイン業、機械設計業 その他の工業製品の設計、製造 若しくは修理と密接に関連する事業活動を行う業種(次条第一項において「製造業等」という。)に属するものとして政令で定めるものをいい、「ものづくり事業者」とは、ものづくり基盤産業に属する事業を行う者をいう。

3項

この法律において「ものづくり労働者」とは、ものづくり事業者に雇用される労働者のうちものづくり基盤技術に係る業務に従事する労働者をいう。

1項

ものづくり基盤技術の振興は、ものづくり基盤技術が製造業等に属する事業において供給される製品又は役務の価値を高める重要な要素であり、そのものづくり基盤技術は ものづくり労働者によって担われていることにかんがみ、ものづくり基盤技術に関する能力を尊重する社会的気運を醸成しつつ、積極的に行われなければならない。

2項

ものづくり基盤技術の振興に当たっては、ものづくり基盤技術の中心的な担い手であるものづくり基盤技術に係る業務に必要な技能 及びこれに関する知識について習熟したものづくり労働者(第十三条において「熟練ものづくり労働者」という。)が不足していることにかんがみ、ものづくり労働者の確保 及び資質の向上が図られなければならない。

3項

ものづくり基盤技術の振興に当たっては、ものづくり事業者の大部分が中小企業者によって占められていることにかんがみ、中小企業者であるものづくり事業者(第十五条において「中小事業者」という。)の経営基盤の強化 及び取引条件に関する不利の補正が図られなければならない。

4項

ものづくり基盤技術の振興に関する施策は、ものづくり事業者、ものづくり労働者又はこれらに関する団体がする自主的な努力を助長することを旨として講じられるものとする。

1項

国は、ものづくり基盤技術の振興に関する総合的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、ものづくり基盤技術の振興に関し、国の施策に準じた施策及び その地方公共団体の区域の特性を生かした自主的な施策を策定し、及びこれを実施する責務を有する。

1項

ものづくり事業者は、その事業を行うに当たっては、ものづくり基盤技術に関する自主的な研究開発の実施によるほか、ものづくり基盤技術に関する能力の適正な評価、職場環境の整備改善その他ものづくり労働者の労働条件の改善を通じて、ものづくり基盤技術の水準の維持 及び向上に努めなければならない。

1項

政府は、ものづくり基盤技術の振興に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上 又は金融上の措置 その他の措置を講じなければならない。

1項

政府は、毎年、国会に、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策に関する報告書を提出しなければならない。