デジタル社会形成基本法

# 令和三年法律第三十五号 #

第二章 基本理念

分類 法律
カテゴリ   電気通信
@ 施行日 : 令和五年六月十六日 ( 2023年 6月16日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 : 2024年 08月14日 10時33分


1項

デジタル社会の形成は、全ての国民が、 高度情報通信ネットワークを容易にかつ主体的に利用するとともに、情報通信技術を用いた情報の活用を行うことにより、 デジタル社会におけるあらゆる活動に参画し、 個々の能力を創造的かつ最大限に発揮することが可能となり、もって情報通信技術の恵沢をあまねく享受できる社会が実現されることを旨として、行われなければならない。

1項

デジタル社会の形成は、高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用により、経済活動の促進、中小企業者 その他の事業者の経営の効率化、事業の高度化 及び生産性の向上、多様な事業の創出 並びに多様な就業の機会 その他労働者がその有する能力を有効に発揮する機会の増大をもたらし、もって経済構造改革の推進 及び産業の国際競争力の強化に寄与するものでなければならない。

1項

デジタル社会の形成は、高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用により、国民の立場に立って、国民生活の全般にわたる多様なサービスの価値を高め、及び その新たな価値を生み出すことにより、生活の利便性の向上、生活様式の多様化の促進 及び消費者の主体的かつ合理的選択の機会の拡大が図られ、もってゆとりと豊かさを実感できる国民生活の実現に寄与するものでなければならない。

1項

デジタル社会の形成は、高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用による、地域経済の活性化、地域における魅力ある多様な就業の機会の創出 並びに地域内 及び地域間の多様な交流の機会の増大による住民生活の充実 及び利便性の向上を通じて、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現、地域社会の持続可能性の確保 及び地域住民の福祉の向上に寄与するものでなければならない。

1項

デジタル社会の形成は、高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用により、大規模な災害の発生、感染症のまん延 その他の国民の生命、身体 又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある事態に迅速かつ適確に対応することにより、被害の発生の防止 又は軽減が図られ、もって国民が安全で安心して暮らせる社会の実現に寄与するものでなければならない。

1項

デジタル社会の形成に当たっては、地理的な制約、年齢、障害の有無等の心身の状態、経済的な状況 その他の要因に基づく高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用に係る機会 又は必要な能力における格差が、デジタル社会の円滑かつ一体的な形成を著しく阻害するおそれがあることに鑑み、その是正が着実に図られなければならない。

1項

デジタル社会の形成に当たっては、民間が主導的役割を担うことを原則とし、国 及び地方公共団体は、民間の知見を積極的に活用しながら、公正な競争の促進、規制の見直し等デジタル社会の形成を阻害する要因の解消 その他の民間の活力が十分に発揮されるための環境整備 並びに公共サービス(公共サービス基本法平成二十一年法律第四十号第二条に規定する公共サービスをいう。第二十九条において同じ。)における国民の利便性の向上 並びに行政運営の簡素化、効率化 及び透明性の向上 並びに公正な給付と負担の確保のための環境整備を中心とした施策を行うものとする。

1項

デジタル社会の形成に当たっては、高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用により個人 及び法人の権利利益、国の安全等が害されることのないようにされるとともに、高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用による信頼性のある情報の自由かつ安全な流通の確保が図られなければならない。

1項

デジタル社会の形成に当たっては、 情報通信技術の進展について、適確かつ積極的に対応しなければならない。

1項

デジタル社会の形成に当たっては、高度情報通信ネットワークの利用 及び情報通信技術を用いた情報の活用により生ずる社会経済構造の変化に伴う雇用 その他の分野における各般の新たな課題について、適確かつ積極的に対応しなければならない。