発起人は、この款の定めるところにより、設立時発行株式を引き受ける者の募集をする旨を定めることができる。
会社法
第一款 設立時発行株式を引き受ける者の募集
発起人は、前項の募集をする旨を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
発起人は、前条第一項の募集をしようとするときは、その都度、設立時募集株式(同項の募集に応じて設立時発行株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる設立時発行株式をいう。以下 この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
設立時募集株式の数(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、その種類 及び種類ごとの数。以下 この款において同じ。)
設立時募集株式の払込金額(設立時募集株式一株と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下 この款において同じ。)
設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日 又はその期間
一定の日までに設立の登記がされない場合において、設立時募集株式の引受けの取消しをすることができることとするときは、その旨 及び その一定の日
発起人は、前項各号に掲げる事項を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
設立時募集株式の払込金額 その他の前条第一項の募集の条件は、当該募集(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合にあっては、種類 及び当該募集)ごとに、均等に定めなければならない。
発起人は、第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。
定款の認証の年月日 及びその認証をした公証人の氏名
第二十七条各号、第二十八条各号、第三十二条第一項各号 及び前条第一項各号に掲げる事項
第六十三条第一項の規定による払込みの取扱いの場所
前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
発起人のうち出資の履行をしていないものがある場合には、発起人は、第三十六条第一項に規定する期日後でなければ、前項の規定による通知をすることができない。
第五十七条第一項の募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをする者は、次に掲げる事項を記載した書面を発起人に交付しなければならない。
前項の申込みをする者は、同項の書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、同項の書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
この場合において、当該申込みをした者は、同項の書面を交付したものとみなす。
発起人は、第一項各号に掲げる事項について変更があったときは、直ちに、その旨 及び当該変更があった事項を第三項の申込みをした者(以下 この款において「申込者」という。)に通知しなければならない。
発起人が申込者に対してする通知 又は催告は、第三項第一号の住所(当該申込者が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
発起人は、申込者の中から設立時募集株式の割当てを受ける者を定め、かつ、その者に割り当てる設立時募集株式の数を定めなければならない。
この場合において、発起人は、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を、前条第三項第二号の数よりも減少することができる。
発起人は、第五十八条第一項第三号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の前日までに、申込者に対し、当該申込者に割り当てる設立時募集株式の数を通知しなければならない。
前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。
次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。
申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数
前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数
設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日 又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。
第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項 及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること 又は第三十四条第一項 若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。