裁判所は、学識経験のある者に鑑定を命ずることができる。
刑事訴訟法
第十二章 鑑定
鑑定人には、宣誓をさせなければならない。
被告人の心神 又は身体に関する鑑定をさせるについて必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院 その他の相当な場所に被告人を留置することができる。
前項の留置は、鑑定留置状を発してこれをしなければならない。
第一項の留置につき必要があるときは、裁判所は、被告人を収容すべき病院 その他の場所の管理者の申出により、又は職権で、司法警察職員に被告人の看守を命ずることができる。
裁判所は、必要があるときは、留置の期間を延長し 又は短縮することができる。
勾留に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、第一項の留置についてこれを準用する。
但し、保釈に関する規定は、この限りでない。
第一項の留置は、未決勾留日数の算入については、これを勾留とみなす。
勾留中の被告人に対し鑑定留置状が執行されたときは、被告人が留置されている間、勾留は、その執行を停止されたものとする。
前項の場合において、前条第一項の処分が取り消され 又は留置の期間が満了したときは、第九十八条の規定を準用する。
鑑定人は、鑑定について必要がある場合には、裁判所の許可を受けて、人の住居 若しくは人の看守する邸宅、建造物 若しくは船舶内に入り、身体を検査し、死体を解剖し、墳墓を発掘し、又は物を破壊することができる。
裁判所は、前項の許可をするには、被告人の氏名、罪名 及び立ち入るべき場所、検査すべき身体、解剖すべき死体、発掘すべき墳墓 又は破壊すべき物 並びに鑑定人の氏名 その他裁判所の規則で定める事項を記載した許可状を発して、これをしなければならない。
裁判所は、身体の検査に関し、適当と認める条件を附することができる。
鑑定人は、第一項の処分を受ける者に許可状を示さなければならない。
前三項の規定は、鑑定人が公判廷でする第一項の処分については、これを適用しない。
第百三十一条、第百三十七条、第百三十八条 及び第百四十条の規定は、鑑定人の第一項の規定によつてする身体の検査についてこれを準用する。
裁判所は、合議体の構成員に鑑定について必要な処分をさせることができる。
但し、第百六十七条第一項に規定する処分については、この限りでない。
検察官 及び弁護人は、鑑定に立ち会うことができる。
この場合には、第百五十七条第二項の規定を準用する。
前章の規定は、勾引に関する規定を除いて、鑑定についてこれを準用する。
身体の検査を受ける者が、鑑定人の第百六十八条第一項の規定によつてする身体の検査を拒んだ場合には、鑑定人は、裁判官にその者の身体の検査を請求することができる。
前項の請求を受けた裁判官は、第十章の規定に準じ身体の検査をすることができる。
鑑定人は、旅費、日当 及び宿泊料の外、鑑定料を請求し、及び鑑定に必要な費用の支払 又は償還を受けることができる。
鑑定人は、あらかじめ鑑定に必要な費用の支払を受けた場合において、正当な理由がなく、出頭せず 又は宣誓 若しくは鑑定を拒んだときは、その支払を受けた費用を返納しなければならない。
特別の知識によつて知り得た過去の事実に関する尋問については、この章の規定によらないで、前章の規定を適用する。