刑法

# 明治四十年法律第四十五号 #

第二十二章 わいせつ、不同意性交等及び重婚の罪

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和五年七月十三日 ( 2023年 7月13日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十六号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役 若しくは三十万円以下の罰金 又は拘留 若しくは科料に処する。

1項

わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体 その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役 若しくは二百五十万円以下の罰金 若しくは科料に処し、又は懲役 及び罰金を併科する。


電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録 その他の記録を頒布した者も、同様とする。

2項

有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

1項

次に掲げる行為 又は事由 その他これらに類する行為 又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し 若しくは全うすることが困難な状態にさせ 又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず六月以上十年以下の拘禁刑に処する。

一 号
暴行 若しくは脅迫を用いること 又はそれらを受けたこと。
二 号
心身の障害を生じさせること 又はそれがあること。
三 号
アルコール 若しくは薬物を摂取させること 又はそれらの影響があること。
四 号
睡眠 その他の意識が明瞭でない状態にさせること 又はその状態にあること。
五 号

同意しない意思を形成し、表明し 又は全うするいとまがないこと。

六 号

予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること 又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。

七 号
虐待に起因する心理的反応を生じさせること 又はそれがあること。
八 号
経済的 又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること 又はそれを憂慮していること。
2項

行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信 若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。

3項

十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る)も、第一項と同様とする。

1項

前条第一項各号に掲げる行為 又は事由 その他これらに類する行為 又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し 若しくは全うすることが困難な状態にさせ 又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交 又は膣 若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条 及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず五年以上の有期拘禁刑に処する。

2項

行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信 若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。

3項

十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る)も、第一項と同様とする。

1項

十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。

2項

十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条第一項の例による。

1項

第百七十六条第百七十七条 及び前条の罪の未遂は、罰する。

1項

第百七十六条 若しくは第百七十九条第一項の罪 又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期 又は三年以上の懲役に処する。

2項

第百七十七条 若しくは第百七十九条第二項の罪 又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期 又は六年以上の懲役に処する。

1項

わいせつの目的で、十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る)は、一年以下の拘禁刑 又は五十万円以下の罰金に処する。

一 号

威迫し、偽計を用い 又は誘惑して面会を要求すること。

二 号
拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
三 号
金銭 その他の利益を供与し、又はその申込み 若しくは約束をして面会を要求すること。
2項

前項の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該十六歳未満の者と面会をした者は、二年以下の拘禁刑 又は百万円以下の罰金に処する。

3項

十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限る)を要求した者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る)は、一年以下の拘禁刑 又は五十万円以下の罰金に処する。

一 号
性交、肛門性交 又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 号

前号に掲げるもののほか、膣 又は肛門に身体の一部(陰茎を除く)又は物を挿入し 又は挿入される姿態、性的な部位(性器 若しくは肛門 若しくはこれらの周辺部、臀でん部 又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り 又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態 その他の姿態をとってその映像を送信すること。

1項

営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は、三年以下の懲役 又は三十万円以下の罰金に処する。

1項

配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。


その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。