宿舎の維持 及び管理を行う各省各庁の長(以下「維持管理機関」という。)は、被貸与者(宿舎の貸与を受けた者 及び第十八条第一項の規定の適用を受ける同居者(以下「同居者」という。)をいう。以下同じ。)がこの法律に定める義務を守つているかどうかを監督し、常に宿舎の維持 及び管理の適正を図らなければならない。
国家公務員宿舎法
第四章 宿舎の維持及び管理
一の無料宿舎について当該宿舎の貸与を受けるべき職員が二人以上存する場合においては、当該宿舎の維持管理機関は、これらの者のうち職務の性質上最も必要と認められるものに当該宿舎を貸与しなければならない。
有料宿舎を貸与する者の選定に当たつては、当該宿舎の維持管理機関は、政令で定めるところにより、国等の事務 又は事業の円滑な運営の必要に基づき公平に行わなければならない。
有料宿舎の使用料は、月額によるものとし、その標準的な建設費用の償却額、修繕費、地代 及び火災保険料に相当する金額を基礎とし、かつ、第十八条第一項に規定する居住の条件 その他の事情を考慮して政令で定める算定方法により、各宿舎につきその維持管理機関が決定する。
新たに宿舎の貸与を受け、又はこれを明け渡した場合におけるその月分の使用料は、日割により計算した額とする。
有料宿舎の貸与を受けた者に報酬を支給する機関は、毎月報酬を支給する際 その者の報酬から使用料に相当する金額を控除して、その金額をその者に代りその使用料として国に払い込まなければならない。
有料宿舎の貸与を受けた者が第十八条第一項第一号 又は第二号の規定に該当することとなつた場合においては、その者 又はその同居者は、その該当することとなつた日から同項 又は同条第二項の規定による明渡期日までの期間の宿舎の使用料を、毎月 その月末までに、国に払い込まなければならない。
前項の規定により同居者が払い込むべき宿舎の使用料に係る債務については、同居者の全員が連帯してその責に任ずるものとする。
被貸与者は、善良な管理者の注意をもつてその貸与を受けた宿舎を使用しなければならない。
被貸与者は、その貸与を受けた宿舎の全部 若しくは一部を第三者に貸し付け、若しくは居住の用以外の用に供し、又は当該宿舎につきその維持管理機関の承認を受けないで改造、模様替 その他の工事を行つてはならない。
被貸与者は、その責に帰すべき事由によりその貸与を受けた宿舎を滅失し、損傷し、又は汚損したときは、遅滞なく、これを原状に回復し、又はその損害を賠償しなければならない。
ただし、その滅失、損傷 又は汚損が故意 又は重大な過失によらない火災に基くものである場合には、この限りでない。
前条第五項の規定は、被貸与者(同居者に限る。)の第一項 又は第二項の規定に違反したことに基因する債務 及び前項の規定による原状回復 又は損害賠償に係る債務について準用する。
公邸の修繕(被貸与者の責に帰すべき事由(前条第三項ただし書の火災を除く。)による損傷 又は汚損に係る修繕を除く。)に要する費用 及び公邸の使用につき必要とする電気、水道、ガス等に要する費用(もつぱら居住者の私用に係るものを除く。)は、国が負担する。
天災、時の経過 その他被貸与者の責に帰することのできない事由により無料宿舎 又は有料宿舎が損傷し、又は汚損した場合においては、その修繕に要する費用は、国が負担する。
ただし、その損傷 又は汚損が軽微である場合には、この限りでない。
宿舎の貸与を受けた者が次の各号の一に該当することとなつた場合においては、その者(その者が第二号の規定に該当することとなつた場合には、その該当することとなつた時においてその者と同居していた者)は、その該当することとなつた日から二十日以内に当該宿舎を明け渡さなければならない。
ただし、相当の事由がある場合には、その維持管理機関の承認を受けて、その該当することとなつた日から、公邸 及び無料宿舎にあつては二月、有料宿舎にあつては六月の範囲内において当該維持管理機関の指定する期間、引き続き当該宿舎を使用することができる。
転任、配置換、勤務する官署の移転 その他これらに類する事由により当該宿舎に居住する資格を失い、又はその必要がなくなつたとき。
当該宿舎について国等の事務 又は事業の運営の必要に基づき先順位者が生じたためその明渡しを請求されたとき。
国において当該宿舎につき宿舎の廃止をする必要が生じたためその明渡しを請求されたとき。
有料宿舎の被貸与者は、当該宿舎の維持管理機関が、第十六条の規定に違反する事実でその宿舎の維持 及び管理に重大な支障を及ぼすおそれがあると認められるものにつき、期限を附してその是正を要求した場合において、その期限までにその要求に従わなかつたときは、直ちに当該宿舎を明け渡さなければならない。
被貸与者が前二項の規定に違反して宿舎を明け渡さないときは、その者は、政令で定めるところにより、これらの規定による明渡期日の翌日から明け渡した日までの期間に応ずる損害賠償金を支払わなければならない。
この場合において、その損害賠償金の額は、当該宿舎の当該期間に応ずる使用料の額(当該宿舎が公邸 又は無料宿舎である場合には、これらを有料宿舎であるとみなして第十五条第一項に規定する算定方法により算定した使用料に相当する額)の三倍に相当する金額をこえることができない。
第十五条第五項の規定は、前項の規定により被貸与者(同居者に限る。)が支払うべき損害賠償金に係る債務について準用する。
独立行政法人の長は、当該独立行政法人の職員で宿舎の貸与を受けている者が第一項第一号から第三号までの規定に該当することとなつた場合には、直ちに当該独立行政法人を所管する各省各庁の長にその旨を報告しなければならない。