外国為替及び外国貿易法
第六章 外国貿易
国際的な平和 及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
経済産業大臣は、前項の規定の確実な実施を図るため必要があると認めるときは、同項の特定の種類の貨物を同項の特定の地域以外の地域を仕向地として輸出しようとする者に対し、政令で定めるところにより、許可を受ける義務を課することができる。
経済産業大臣は、前二項に定める場合のほか、特定の種類の若しくは特定の地域を仕向地とする貨物を輸出しようとする者 又は特定の取引により貨物を輸出しようとする者に対し、国際収支の均衡の維持のため、外国貿易 及び国民経済の健全な発展のため、我が国が締結した条約 その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するために必要な範囲内で、政令で定めるところにより、承認を受ける義務を課することができる。
経済産業大臣は、特に緊急の必要があると認めるときは、経済産業省令で定めるところにより、一月以内の期限を限り、品目 又は仕向地を指定し、貨物の船積を差し止めることができる。
外国貿易 及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約 その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するため、貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課せられることがある。
経済産業大臣は、第四十八条第一項の規定による許可を受けないで同項に規定する貨物の輸出をした者に対し、三年以内の期間を限り、輸出を行い、又は特定技術を外国において提供し、若しくは非居住者に提供することを目的とする取引 若しくは当該取引に関する特定記録媒体等の輸出 若しくは外国において受信されることを目的として行う電気通信による特定技術を内容とする情報の送信を行うことを禁止することができる。
経済産業大臣は、貨物の輸出 又は輸入に関し、この法律、この法律に基づく命令 又はこれらに基づく処分に違反した者(前項に規定する者を除く。)に対し、一年(第十条第一項に規定する対応措置(第四十八条第三項 又は前条に係るものに限る。)に違反した者にあつては、三年)以内の期間を限り、輸出 又は輸入を行うことを禁止することができる。
第一項 又は前項の規定による禁止をする場合において、経済産業大臣は、違反者(第一項に規定する第四十八条第一項の規定による許可を受けないで同項に規定する貨物の輸出をした者 又は前項に規定する貨物の輸出 若しくは輸入に関し、この法律、この法律に基づく命令 若しくはこれらに基づく処分に違反した者をいう。次項において同じ。)が個人である場合にあつては、その者に対して、当該禁止に係る期間と同一の期間を定めて、当該禁止に係る範囲の業務を営む法人(人格のない社団 又は財団で代表者 又は管理人の定めのあるものを含む。以下 この項 及び次項において同じ。)の当該業務を担当する役員(業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人 又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問 その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役、代表者、管理人 又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。次項において同じ。)となることを禁止することができる。
第一項 又は第二項の規定による禁止をする場合において、経済産業大臣は、違反者に係る次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者が当該禁止の理由となつた事実 及び当該事実に関してその者が有していた責任の程度を考慮して当該禁止の実効性を確保するためにその者による当該禁止に係る業務を制限することが相当と認められる者として経済産業省令で定める者に該当するときは、その者に対して、当該禁止に係る期間と同一の期間を定めて、当該禁止に係る範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む。)を禁止することができる。
当該違反者が法人である場合
その役員 及び当該禁止に係る処分の日前六十日以内においてその役員であつた者 並びにその営業所の業務を統括する者 その他の政令で定める使用人(以下 この号 及び次号において単に「使用人」という。)及び当該禁止に係る処分の日前六十日以内においてその使用人であつた者
当該違反者が個人である場合
その使用人 及び当該禁止に係る処分の日前六十日以内においてその使用人であつた者
経済産業大臣は、政令で定めるところにより、その所掌に属する貨物の輸出 又は輸入に関し、税関長を指揮監督する。
経済産業大臣は、政令で定めるところにより、この法律に基く権限の一部を税関長に委任することができる。