子ども・子育て支援法

# 平成二十四年法律第六十五号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   社会福祉
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七十六号による改正
最終編集日 : 2023年 06月23日 15時12分


1項

この法律は、我が国における急速な少子化の進行 並びに家庭 及び地域を取り巻く環境の変化に鑑み、児童福祉法昭和二十二年法律第百六十四号)その他の子どもに関する法律による施策と相まって、子ども・子育て支援給付 その他の子ども 及び子どもを養育している者に必要な支援を行い、もって一人一人の子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的とする。

1項

子ども・子育て支援は、父母 その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域 その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員が、各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行われなければならない。

2項

子ども・子育て支援給付 その他の子ども・子育て支援の内容 及び水準は、全ての子どもが健やかに成長するように支援するものであって、良質かつ適切なものであり、かつ、子どもの保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮されたものでなければならない。

3項

子ども・子育て支援給付 その他の子ども・子育て支援は、地域の実情に応じて、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われなければならない。

1項

市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、この法律の実施に関し、次に掲げる責務を有する。

一 号

子どもの健やかな成長のために適切な環境が等しく確保されるよう、子ども 及び その保護者に必要な子ども・子育て支援給付 及び 地域子ども・子育て支援事業を総合的かつ計画的に行うこと。

二 号

子ども 及び その保護者が、確実に子ども・子育て支援給付を受け、及び 地域子ども・子育て支援事業 その他の子ども・子育て支援を円滑に利用するために必要な援助を行うとともに、関係機関との連絡調整 その他の便宜の提供を行うこと。

三 号

子ども 及び その保護者が置かれている環境に応じて、子どもの保護者の選択に基づき、多様な施設 又は事業者から、良質かつ適切な教育 及び保育 その他の子ども・子育て支援が総合的かつ効率的に提供されるよう、その提供体制を確保すること。

2項

都道府県は、市町村が行う子ども・子育て支援給付 及び地域子ども・子育て支援事業が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に対する必要な助言 及び適切な援助を行うとともに、子ども・子育て支援のうち、特に専門性の高い施策 及び各市町村の区域を超えた広域的な対応が必要な施策を講じなければならない。

3項

国は、市町村が行う子ども・子育て支援給付 及び地域子ども・子育て支援事業 その他この法律に基づく業務が適正かつ円滑に行われるよう、市町村 及び都道府県と相互に連携を図りながら、子ども・子育て支援の提供体制の確保に関する施策 その他の必要な各般の措置を講じなければならない。

1項

事業主は、その雇用する労働者に係る多様な労働条件の整備 その他の労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行うことにより当該労働者の子育ての支援に努めるとともに、国 又は地方公共団体が講ずる子ども・子育て支援に協力しなければならない。

1項

国民は、子ども・子育て支援の重要性に対する関心と理解を深めるとともに、国 又は地方公共団体が講ずる子ども・子育て支援に協力しなければならない。

1項

この法律において「子ども」とは、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者をいい、「小学校就学前子ども」とは、子どものうち小学校就学の始期に達するまでの者をいう。

2項

この法律において「保護者」とは、親権を行う者、未成年後見人 その他の者で、子どもを現に監護する者をいう。

1項

この法律において「子ども・子育て支援」とは、全ての子どもの健やかな成長のために適切な環境が等しく確保されるよう、国 若しくは地方公共団体 又は地域における子育ての支援を行う者が実施する子ども 及び子どもの保護者に対する支援をいう。

2項

この法律において「教育」とは、満三歳以上の小学校就学前子どもに対して義務教育 及び その後の教育の基礎を培うものとして教育基本法平成十八年法律第百二十号第六条第一項に規定する法律に定める学校において行われる教育をいう。

3項

この法律において「保育」とは、児童福祉法第六条の三第七項に規定する保育をいう。

4項

この法律において「教育・保育施設」とは、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律平成十八年法律第七十七号。以下「認定こども園法」という。第二条第六項に規定する認定こども園(以下「認定こども園」という。)、学校教育法昭和二十二年法律第二十六号第一条に規定する幼稚園(認定こども園法第三条第一項 又は第三項の認定を受けたもの及び同条第十一項の規定による公示がされたものを除く。以下「幼稚園」という。)及び児童福祉法第三十九条第一項に規定する保育所(認定こども園法第三条第一項の認定を受けたもの及び同条第十一項の規定による公示がされたものを除く。以下「保育所」という。)をいう。

5項

この法律において「地域型保育」とは、家庭的保育、小規模保育、居宅訪問型保育 及び事業所内保育をいい、「地域型保育事業」とは、地域型保育を行う事業をいう。

6項

この法律において「家庭的保育」とは、児童福祉法第六条の三第九項に規定する家庭的保育事業として行われる保育をいう。

7項

この法律において「小規模保育」とは、児童福祉法第六条の三第十項に規定する小規模保育事業として行われる保育をいう。

8項

この法律において「居宅訪問型保育」とは、児童福祉法第六条の三第十一項に規定する居宅訪問型保育事業として行われる保育をいう。

9項

この法律において「事業所内保育」とは、児童福祉法第六条の三第十二項に規定する事業所内保育事業として行われる保育をいう。

10項

この法律において「子ども・子育て支援施設等」とは、次に掲げる施設 又は事業をいう。

一 号

認定こども園(保育所等(認定こども園法第二条第五項に規定する保育所等をいう。第五号において同じ。)であるもの及び第二十七条第一項に規定する特定教育・保育施設であるものを除く第三十条の十一第一項第一号第五十八条の四第一項第一号第五十八条の十第一項第二号第五十九条第三号ロ 及び第六章において同じ。

二 号

幼稚園(第二十七条第一項に規定する特定教育・保育施設であるものを除く第三十条の十一第一項第二号第三章第二節第五十八条の九第六項第三号ロ除く)、第五十九条第三号ロ 及び第六章において同じ。

三 号

特別支援学校(学校教育法第一条に規定する特別支援学校をいい、同法第七十六条第二項に規定する幼稚部に限る。以下同じ。

四 号

児童福祉法第五十九条の二第一項に規定する施設(同項の規定による届出がされたものに限り、次に掲げるものを除く)のうち、当該施設に配置する従業者 及び その員数 その他の事項について内閣府令で定める基準を満たすもの

認定こども園法第三条第一項 又は第三項の認定を受けたもの

認定こども園法第三条第十一項の規定による公示がされたもの

第五十九条の二第一項の規定による助成を受けているもののうち政令で定めるもの

五 号

認定こども園、幼稚園 又は特別支援学校において行われる教育・保育(教育 又は保育をいう。以下同じ。)であって、次の 又はに掲げる当該施設の区分に応じ それぞれ 又はに定める一日当たりの時間 及び期間の範囲外において、家庭において保育を受けることが一時的に困難となった当該 又はに掲げる施設に在籍している小学校就学前子どもに対して行われるものを提供する事業のうち、その事業を実施するために必要なものとして内閣府令で定める基準を満たすもの

認定こども園(保育所等であるものを除く)、幼稚園 又は特別支援学校

当該施設における教育に係る標準的な一日当たりの時間 及び期間

認定こども園(保育所等であるものに限る

に定める一日当たりの時間 及び期間を勘案して内閣府令で定める一日当たりの時間 及び期間

六 号

児童福祉法第六条の三第七項に規定する一時預かり事業(前号に掲げる事業に該当するものを除く

七 号

児童福祉法第六条の三第十三項に規定する病児保育事業のうち、当該事業に従事する従業者 及び その員数 その他の事項について内閣府令で定める基準を満たすもの

八 号

児童福祉法第六条の三第十四項に規定する子育て援助活動支援事業(同項第一号に掲げる援助を行うものに限る)のうち、市町村が実施するものであること その他の内閣府令で定める基準を満たすもの