少年院法

# 平成二十六年法律第五十八号 #

第四節 矯正教育の実施

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和五年十二月一日 ( 2023年 12月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十七号による改正
最終編集日 : 2024年 04月16日 09時45分


1項

少年院の長は、法務省令で定めるところにより、在院者の日課(食事、就寝 その他の起居動作をすべき時間帯、矯正教育の時間帯 及び余暇に充てられるべき時間帯を定めたものをいう。次項 及び第八十四条第二項第九号において同じ。)を定め、これを在院者に励行させるものとする。

2項

少年院の長は、必要と認めるときは、日課に定められた矯正教育の時間帯以外の時間帯においても、矯正教育を行うことができる。

3項

少年院の長は、法務省令で定めるところにより、在院者に対し、学習、娯楽、運動競技 その他の余暇に充てられるべき時間帯における活動について、援助を与えるものとする。

1項

矯正教育は、その効果的な実施を図るため、在院者が履修すべき矯正教育課程、第十六条に規定する処遇の段階 その他の事情を考慮し、在院者を適切な集団に編成して行うものとする。

2項

少年院の長は、矯正教育を行うに当たり、在院者の心身の状況に照らしてその者が集団生活に適応することが困難であるとき、その他在院者に対して個別に矯正教育を行う必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、在院者を集団に編成しないことができる。

1項
矯正教育は、その効果的な実施を図るため必要な限度において、少年院の外の適当な場所で行うことができる。
1項
少年院の長は、矯正教育の効果的な実施を図るため、その少年院の所在地を管轄する矯正管区の長の承認を得て、事業所の事業主、学校の長、学識経験のある者 その他適当と認める者に委嘱して、矯正教育の援助を行わせることができる。
2項

少年院の長は、在院者(刑法明治四十年法律第四十五号第二十八条少年法第五十八条 又は国際受刑者移送法第二十二条の規定により仮釈放を許すことができる期間を経過していない受刑在院者を除く。以下この条において同じ。)の円滑な社会復帰を図るため必要があると認める場合であって、その者の改善更生の状況 その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、少年院の職員の同行なしに、その在院者を少年院の外の場所に通わせて、前項の規定による援助として在院者に対する指導を行う者(次項 及び第五項第四号において「嘱託指導者」という。)による指導を受けさせることができる。

3項

在院者に前項の指導(以下「院外委嘱指導」という。)を受けさせる場合には、少年院の長は、法務省令で定めるところにより、当該嘱託指導者との間において、在院者が受ける院外委嘱指導の内容 及び時間、在院者の安全 及び衛生を確保するため必要な措置 その他院外委嘱指導の実施に関し必要な事項について、取決めを行わなければならない。

4項

少年院の長は、在院者に院外委嘱指導を受けさせる場合には、あらかじめ、その在院者が院外委嘱指導に関し遵守すべき事項(以下この条において「特別遵守事項」という。)を定め、これをその在院者に告知するものとする。

5項
特別遵守事項は、次に掲げる事項を具体的に定めるものとする。
一 号
指定された経路 及び方法により移動しなければならないこと。
二 号
指定された時刻までに少年院に帰着しなければならないこと。
三 号

正当な理由なく、院外委嘱指導を受ける場所以外の場所に立ち入ってはならないこと。

四 号
嘱託指導者による指導上の指示に従わなければならないこと。
五 号
正当な理由なく、犯罪性のある者 その他接触することにより矯正教育の適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と接触してはならないこと。
6項

少年院の長は、院外委嘱指導を受ける在院者が第八十四条第一項に規定する遵守事項 又は特別遵守事項を遵守しなかった場合 その他院外委嘱指導を不適当とする事由があると認める場合には、これを中止することができる。

1項
少年院の長は、矯正教育を受ける在院者の安全 及び衛生を確保するため必要な措置を講じなければならない。
2項

在院者は、前項の規定により少年院の長が講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。

3項

第二十五条第一項の職業指導について、第一項の規定により少年院の長が講ずべき措置 及び前項の規定により在院者が守らなければならない事項は、労働安全衛生法昭和四十七年法律第五十七号)その他の法令に定める労働者の安全 及び衛生を確保するため事業者が講ずべき措置 及び労働者が守らなければならない事項に準じて、法務大臣が定める。

1項

少年院の長は、在院者が矯正教育を受けたことに起因して死亡した場合には、法務省令で定めるところにより、その遺族等(法務省令で定める遺族 その他の者をいう。以下同じ。)に対し、死亡手当金を支給することができる。

2項

少年院の長は、矯正教育を受けたことに起因して負傷し、又は疾病にかかった在院者が治った場合において、身体に障害が残ったときは、法務省令で定めるところにより、その者に障害手当金を支給することができる。

3項

少年院の長は、矯正教育を受けたことに起因して負傷し、又は疾病にかかった在院者が出院の時になお治っていない場合において、その傷病の性質、程度 その他の状況を考慮して相当と認められるときは、法務省令で定めるところにより、その者に特別手当金を支給することができる。

1項

国が国家賠償法昭和二十二年法律第百二十五号)、民法明治二十九年法律第八十九号)その他の法律による損害賠償の責任を負う場合において、前条の手当金を支給したときは、同一の事由については、国は、その価額の限度においてその損害賠償の責任を免れる。

2項

前条の手当金として支給を受けた金銭を標準として、租税 その他の公課を課してはならない。