建設業法

# 昭和二十四年法律第百号 #

第一節 通則

分類 法律
カテゴリ   建築・住宅
@ 施行日 : 令和七年十二月十二日
@ 最終更新 : 令和六年法律第四十九号
最終編集日 : 2026年 08月04日 14時46分


1項

建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。

1項

建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名 又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

一 号
工事内容
二 号
請負代金の額
三 号
工事着手の時期 及び工事完成の時期
四 号
工事を施工しない日 又は時間帯の定めをするときは、その内容
五 号
請負代金の全部 又は一部の前金払 又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期 及び方法
六 号
当事者の一方から設計変更 又は工事着手の延期 若しくは工事の全部 若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更 又は損害の負担 及びそれらの額の算定方法に関する定め
七 号
天災 その他不可抗力による工期の変更 又は損害の負担 及びその額の算定方法に関する定め
八 号

価格等(物価統制令昭和二十一年勅令第百十八号第二条に規定する価格等をいう。)の変動 又は変更に基づく工事内容の変更 又は請負代金の額の変更 及びその額の算定方法に関する定め

九 号
工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
十 号
注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械 その他の機械を貸与するときは、その内容 及び方法に関する定め
十一 号
注文者が工事の全部 又は一部の完成を確認するための検査の時期 及び方法 並びに引渡しの時期
十二 号
工事完成後における請負代金の支払の時期 及び方法
十三 号
工事の目的物が種類 又は品質に関して契約の内容に適合しない場合における その不適合を担保すべき責任 又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結 その他の措置に関する定めをするときは、その内容
十四 号
各当事者の履行の遅滞 その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金 その他の損害金
十五 号
契約に関する紛争の解決方法
十六 号
その他国土交通省令で定める事項
2項

請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名 又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

3項

建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。


この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

1項

請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合においては、当該現場代理人の権限に関する事項 及び当該現場代理人の行為についての注文者の請負人に対する意見の申出の方法(第三項において「現場代理人に関する事項」という。)を、書面により注文者に通知しなければならない。

2項

注文者は、請負契約の履行に関し工事現場に監督員を置く場合においては、当該監督員の権限に関する事項 及び当該監督員の行為についての請負人の注文者に対する意見の申出の方法(第四項において「監督員に関する事項」という。)を、書面により請負人に通知しなければならない。

3項

請負人は、第一項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、同項の注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより通知することができる。


この場合において、当該請負人は、当該書面による通知をしたものとみなす。

4項

注文者は、第二項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、同項の請負人の承諾を得て、監督員に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより通知することができる。


この場合において、当該注文者は、当該書面による通知をしたものとみなす。

1項
注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。
2項

建設業者は、自らが保有する低廉な資材を建設工事に用いることができること その他の国土交通省令で定める正当な理由がある場合を除き、その請け負う建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。

1項
注文者は、請負契約の締結後、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事に使用する資材 若しくは機械器具 又は これらの購入先を指定し、これらを請負人に購入させて、その利益を害してはならない。
1項
注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。
2項
建設業者は、その請け負う建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない。
1項

建設業者と請負契約を締結した発注者(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律昭和二十二年法律第五十四号第二条第一項に規定する事業者に該当するものを除く)が第十九条の三第一項 又は第十九条の四の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣 又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。

2項

建設業者と請負契約(請負代金の額が政令で定める金額以上であるものに限る)を締結した発注者が前条第一項の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣 又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。

3項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、前項の勧告を受けた発注者がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

4項

国土交通大臣 又は都道府県知事は、第一項 又は第二項の勧告を行うため必要があると認めるときは、当該発注者に対して、報告 又は資料の提出を求めることができる。

1項

建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際しては、工事内容に応じ、工事の種別ごとの材料費、労務費 及び当該建設工事に従事する労働者による適正な施工を確保するために不可欠な経費として国土交通省令で定めるもの(以下この条において「材料費等」という。) その他当該建設工事の施工のために必要な経費の内訳 並びに工事の工程ごとの作業 及びその準備に必要な日数を記載した建設工事の見積書(以下この条において「材料費等記載見積書」という。)を作成するよう努めなければならない。

2項

前項の場合において、材料費等記載見積書に記載する材料費等の額は、当該建設工事を施工するために通常必要と認められる材料費等の額を著しく下回るものであつてはならない。

3項

建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合にあつては契約を締結するまでに、入札の方法により競争に付する場合にあつては入札を行うまでに、第十九条第一項各号第二号除く)に掲げる事項について、できる限り具体的な内容を提示し、かつ、当該提示から当該契約の締結 又は入札までの間に、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な期間として政令で定める期間を設けなければならない。

4項

建設工事の注文者は、建設工事の請負契約を締結するに際しては、当該建設工事に係る材料費等記載見積書の内容を考慮するよう努めるものとし、建設業者は、建設工事の注文者から請求があつたときは、請負契約が成立するまでに、当該材料費等記載見積書を交付しなければならない。

5項

建設業者は、前項の規定による材料費等記載見積書の交付に代えて、政令で定めるところにより、建設工事の注文者の承諾を得て、当該材料費等記載見積書に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより提供することができる。


この場合において、当該建設業者は、当該材料費等記載見積書を交付したものとみなす。

6項

建設工事の注文者は、第四項の規定により材料費等記載見積書を交付した建設業者(建設工事の注文者が同項の請求をしないで第一項の規定により作成された材料費等記載見積書の交付を受けた場合における当該交付をした建設業者を含む。次項において同じ。)に対し、その材料費等の額について当該建設工事を施工するために通常必要と認められる材料費等の額を著しく下回ることとなるような変更を求めてはならない。

7項

前項の規定に違反した発注者が、同項の求めに応じて変更された見積書の内容に基づき建設業者と請負契約(当該請負契約に係る建設工事を施工するために通常必要と認められる費用の額が政令で定める金額以上であるものに限る)を締結した場合において、当該建設工事の適正な施工の確保を図るため特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国土交通大臣 又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。

8項

前条第三項 及び第四項の規定は、前項の勧告について準用する。

1項

建設工事の注文者は、当該建設工事について、地盤の沈下 その他の工期 又は請負代金の額に影響を及ぼすものとして国土交通省令で定める事象が発生するおそれがあると認めるときは、請負契約を締結するまでに、国土交通省令で定めるところにより、建設業者に対して、その旨を当該事象の状況の把握のため必要な情報と併せて通知しなければならない。

2項

建設業者は、その請け負う建設工事について、主要な資材の供給の著しい減少、資材の価格の高騰 その他の工期 又は請負代金の額に影響を及ぼすものとして国土交通省令で定める事象が発生するおそれがあると認めるときは、請負契約を締結するまでに、国土交通省令で定めるところにより、注文者に対して、その旨を当該事象の状況の把握のため必要な情報と併せて通知しなければならない。

3項

前項の規定による通知をした建設業者は、同項の請負契約の締結後、当該通知に係る同項に規定する事象が発生した場合には、注文者に対して、第十九条第一項第七号 又は第八号の定めに従つた工期の変更、工事内容の変更 又は請負代金の額の変更についての協議を申し出ることができる。

4項

前項の協議の申出を受けた注文者は、当該申出が根拠を欠く場合 その他正当な理由がある場合を除き、誠実に当該協議に応ずるよう努めなければならない。

1項

建設工事の請負契約において請負代金の全部 又は一部の前金払をする定がなされたときは、注文者は、建設業者に対して前金払をする前に、保証人を立てることを請求することができる。


但し公共工事の前払金保証事業に関する法律昭和二十七年法律第百八十四号)第二条第四項に規定する保証事業会社の保証に係る工事 又は政令で定める軽微な工事については、この限りでない。

2項

前項の請求を受けた建設業者は、左の各号に規定する保証人を立てなければならない。

一 号
建設業者の債務不履行の場合の遅延利息、違約金 その他の損害金の支払の保証人
二 号

建設業者に代つて自らその工事を完成することを保証する他の建設業者

3項

建設業者が第一項の規定により保証人を立てることを請求された場合において、これを立てないときは、注文者は、契約の定にかかわらず、前金払をしないことができる。

1項
建設業者は、その請け負つた建設工事を、いかなる方法をもつてするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2項

建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負つた建設工事を一括して請け負つてはならない。

3項

前二項の建設工事が多数の者が利用する施設 又は工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるもの以外の建設工事である場合において、当該建設工事の元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得たときは、これらの規定は、適用しない

4項

発注者は、前項の規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項の元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。


この場合において、当該発注者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。

1項

注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。


ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。

2項

注文者は、前項ただし書の規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項ただし書の規定により下請負人を選定する者の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法 その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項ただし書の承諾をする旨の通知をすることができる。


この場合において、当該注文者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。

1項

請負人は、その請け負つた建設工事の施工について建築士法昭和二十五年法律第二百二号第十八条第三項の規定により建築士から工事を設計図書のとおりに実施するよう求められた場合において、これに従わない理由があるときは、直ちに、第十九条の二第二項の規定により通知された方法により、注文者に対して、その理由を報告しなければならない。

1項
委託 その他いかなる名義をもつてするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。