心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律

# 平成十五年法律第百十号 #
略称 : 心神喪失者等医療観察法 

第一節 通則

分類 法律
カテゴリ   厚生
@ 施行日 : 令和五年十一月十五日 ( 2023年 11月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第二十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 22時51分


1項

決定 又は命令をするについて必要がある場合は、事実の取調べをすることができる。

2項

前項の事実の取調べは、合議体の構成員(精神保健審判員を除く)にこれをさせ、又は地方裁判所 若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。

3項

第一項の事実の取調べのため必要があると認めるときは、証人尋問、鑑定、検証、押収、捜索、通訳 及び翻訳を行い、並びに官公署、医療施設 その他の公私の団体に対し、必要な事項の報告、資料の提出 その他の協力を求めることができる。


ただし、差押えについては、あらかじめ所有者、所持者 又は保管者に差し押さえるべき物の提出を命じた後でなければ、これをすることができない。

4項

刑事訴訟法中 裁判所の行う証人尋問、鑑定、検証、押収、捜索、通訳 及び翻訳に関する規定は、処遇事件の性質に反しない限り、前項の規定による証人尋問、鑑定、検証、押収、捜索、通訳 及び翻訳について準用する。

5項

裁判所は、対象者の行方が不明になったときは、所轄の警察署長にその所在の調査を求めることができる。


この場合において、警察官は、当該対象者を発見したときは、直ちに、その旨を裁判所に通知しなければならない。

1項

検察官、指定入院医療機関の管理者 又は保護観察所の長は、第三十三条第一項第四十九条第一項 若しくは第二項第五十四条第一項 若しくは第二項 又は第五十九条第一項 若しくは第二項の規定による申立てをした場合は、意見を述べ、及び必要な資料を提出しなければならない。

2項

対象者、保護者 及び付添人は、意見を述べ、及び資料を提出することができる。

1項

裁判所は、対象者に対し、呼出状を発することができる。

2項

裁判所は、対象者が正当な理由がなく前項の呼出しに応じないときは、当該対象者に対し、同行状を発することができる。

3項

裁判所は、対象者が正当な理由がなく第一項の呼出しに応じないおそれがあるとき、定まった住居を有しないとき、又は医療のため緊急を要する状態にあって必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、当該対象者に対し、同行状を発することができる。

1項

前条第二項 又は第三項の同行状により同行された者については、裁判所に到着した時から二十四時間以内にその身体の拘束を解かなければならない。


ただし、当該時間内に、第三十四条第一項前段 若しくは第六十条第一項前段の命令 又は第三十七条第五項前段、第四十二条第一項第一号第六十一条第一項第一号 若しくは第六十二条第二項前段の決定があったときは、この限りでない。

1項

第二十六条第二項 又は第三項の同行状は、裁判所書記官が執行する。


ただし、裁判所は、必要があると認めるときは、検察官にその執行を嘱託し、又は保護観察所の職員にこれを執行させることができる。

2項

検察官が前項の嘱託を受けたときは、その指揮により、検察事務官が同行状を執行する。

3項

検察事務官は、必要があるときは、管轄区域外で同行状を執行することができる。

4項

同行状を執行するには、これを当該対象者に示した上、できる限り速やかにかつ直接、指定された裁判所 その他の場所に引致しなければならない。


ただし、やむを得ない事由があるときは、病院、救護施設、警察署 その他の精神障害者を保護するのに適当な場所に、保護することができる。

5項

同行状を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、前項の規定にかかわらず、当該対象者に対し同行状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。


ただし、同行状はできる限り速やかに示さなければならない。

6項

同行状を執行する場合には、必要な限度において、人の住居 又は人の看守する邸宅、建造物 若しくは船舶内に入ることができる。

1項

裁判所は、第三十四条第一項前段 若しくは第六十条第一項前段の命令 又は第三十七条第五項前段、第四十二条第一項第一号第六十一条第一項第一号 若しくは第六十二条第二項前段の決定により入院している者に対し、裁判所に出頭することを命ずることができる。

2項

裁判所は、前項に規定する者が裁判所に出頭するときは、検察官にその護送を嘱託するものとする。

3項

前項の護送をする場合において、護送される者が逃走し、又は自身を傷つけ、若しくは他人に害を及ぼすおそれがあると認めるときは、これを防止するため合理的に必要と判断される限度において、必要な措置を採ることができる。

4項

前条第二項 及び第三項の規定は、第二項の護送について準用する。

1項

対象者 及び保護者は、弁護士を付添人に選任することができる。

2項

裁判所は、特別の事情があるときは、最高裁判所規則で定めるところにより、付添人の数を制限することができる。

3項

裁判所は、対象者に付添人がない場合であって、その精神障害の状態 その他の事情を考慮し、必要があると認めるときは、職権で、弁護士である付添人を付することができる。

4項

前項の規定により裁判所が付すべき付添人は、最高裁判所規則で定めるところにより、選任するものとする。

5項

前項の規定により選任された付添人は、旅費、日当、宿泊料 及び報酬を請求することができる。

1項

審判のため必要があると認めるときは、審判期日を開くことができる。

2項

審判期日における審判の指揮は、裁判官が行う。

3項

審判期日における審判は、公開しない。

4項

審判期日における審判においては、精神障害者の精神障害の状態に応じ、必要な配慮をしなければならない。

5項

裁判所は、検察官、指定医療機関(病院 又は診療所に限る)の管理者 又はその指定する医師 及び保護観察所の長 又はその指定する社会復帰調整官に対し、審判期日に出席することを求めることができる。

6項

保護者(第二十三条の三の規定により保護者となる市町村長については、その指定する職員を含む。) 及び付添人は、審判期日に出席することができる。

7項

審判期日には、対象者を呼び出し、又はその出頭を命じなければならない。

8項

対象者が審判期日に出席しないときは、審判を行うことができない


ただし、対象者が心身の障害のため、若しくは正当な理由がなく審判期日に出席しない場合、又は許可を受けないで退席し、若しくは秩序維持のために退席を命ぜられた場合において、付添人が出席しているときは、この限りでない。

9項

審判期日は、裁判所外においても開くことができる。

1項

処遇事件の記録 又は証拠物は、裁判所の許可を受けた場合を除き、閲覧 又は謄写をすることができない。

2項

前項の規定にかかわらず、検察官、指定入院医療機関の管理者 若しくはその指定する医師、保護観察所の長 若しくはその指定する社会復帰調整官 又は付添人は、次条第一項第四十九条第一項 若しくは第二項第五十条第五十四条第一項 若しくは第二項第五十五条 又は第五十九条第一項 若しくは第二項の規定による申立てがあった後当該申立てに対する決定が確定するまでの間、処遇事件の記録 又は証拠物を閲覧することができる。