居住者(第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定による納付をすべき者を除く。)は、第一号に掲げる金額から 第二号に掲げる金額を控除した金額(以下この章において「予定納税基準額」という。)が十五万円以上である場合には、第一期(その年七月一日から 同月三十一日までの期間をいう。以下この章において同じ。)及び第二期(その年十一月一日から 同月三十日までの期間をいう。以下この章において同じ。)において、それぞれ その予定納税基準額の三分の一に相当する金額の所得税を国に納付しなければならない。
所得税法
第一節 予定納税
⤏ 第一款 予定納税
前年分の課税総所得金額に係る所得税の額(当該課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得の金額のうちに譲渡所得の金額、一時所得の金額、雑所得の金額 又は雑所得に該当しない臨時所得の金額がある場合には、政令で定めるところにより、これらの金額がなかつたものとみなして計算した額とし、同年分の所得税について災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)第二条(所得税の軽減 又は免除)の規定の適用があつた場合には、同条の規定の適用がなかつたものとして計算した額とする。)
前年分の課税総所得金額の計算の基礎となつた各種所得につき源泉徴収をされた又はされるべきであつた所得税の額(当該各種所得のうちに一時所得、雑所得 又は雑所得に該当しない臨時所得がある場合には、これらの所得につき源泉徴収をされた又はされるべきであつた所得税の額を控除した額)
国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定による納付に関する期限の延長(以下 この項において「期限延長」という。)により、前項に規定する居住者が同項の規定により第一期 又は第二期において納付すべき予定納税額の納期限がその年十二月三十一日後となる場合は、当該期限延長に係る予定納税額は、ないものとする。
第一項の場合において、同項に規定する予定納税基準額の三分の一に相当する金額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる。
前条第一項の規定を適用する場合において、予定納税基準額の計算については、その年五月十五日において確定しているところによるものとし、居住者であるかどうかの判定は、その年六月三十日の現況によるものとする。
ただし、予定納税基準額の計算は、その年五月十六日から 七月三十一日までの間におけるいずれかの日において確定したところにより計算した金額が本文の規定により計算した金額を下ることとなつた場合は、その日(その日が二以上ある場合には、その計算した金額が最も小さいこととなる日)において確定したところによるものとする。
税務署長は、第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者についてその年五月十五日の現況によりその予定納税基準額を計算し、その年六月十五日(同日において当該居住者が第一期において納付すべき予定納税額の納期限が国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定により延長され、又は延長される見込みである場合には、その年七月三十一日(同条の規定により当該納期限が延長された場合には、その延長された当該納期限)の一月前の日)までに、その者に対し、その予定納税基準額並びに第一期 及び第二期において納付すべき予定納税額を書面により通知する。
税務署長は、前項の予定納税基準額が前条ただし書の規定により計算されるべきこととなつた場合には、同項の居住者に対し、書面によりその旨を通知する。
前二項の規定による通知は、第百四条第一項の規定による納付をすべき居住者から その者の前年分の所得税につき確定申告書の提出を受け、又は当該所得税につき決定をした税務署長(その後 当該所得税の納税地に異動があつた場合には、政令で定める税務署長)が行う。
前項に規定する税務署長は、第一項の居住者が第百四条第一項の規定により第一期において納付すべき予定納税額について同条第二項の規定の適用がある場合には、第一項 及び第二項の規定にかかわらず、 これらの規定による通知を要しない。
⤏ 第二款 特別農業所得者の予定納税の特例
次に掲げる居住者は、予定納税基準額が十五万円以上である場合には、第二期において、その予定納税基準額の二分の一に相当する金額の所得税を国に納付しなければならない。
前年において特別農業所得者であつた居住者
第百十条(特別農業所得者の申請)の規定により、その年において特別農業所得者であると見込まれることについて税務署長の承認を受けた居住者
国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定による納付に関する期限の延長(以下 この項において「期限延長」という。)により、前項に規定する居住者が同項の規定により第二期において納付すべき予定納税額の納期限がその年十二月三十一日後となる場合は、当該期限延長に係る予定納税額は、ないものとする。
第一項の場合において、同項に規定する予定納税基準額の二分の一に相当する金額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てる。
前条第一項の規定を適用する場合において、前年において特別農業所得者であつたかどうかの判定 又は予定納税基準額の計算については、それぞれ その年五月一日 又は その年九月十五日において確定しているところによるものとし、居住者であるかどうかの判定は、その年十月三十一日の現況によるものとする。
ただし、予定納税基準額の計算は、その年九月十六日から 十一月三十日までの間におけるいずれかの日において確定したところにより計算した金額が本文の規定により計算した金額を下ることとなつた場合は、その日(その日が二以上ある場合には、その計算した金額が最も小さいこととなる日)において確定したところによるものとする。
税務署長は、第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者についてその年九月十五日の現況によりその予定納税基準額を計算し、その年十月十五日(同日において当該居住者が第二期において納付すべき予定納税額の納期限が国税通則法第十一条(災害等による期限の延長)の規定により延長され、又は延長される見込みである場合には、その年十一月三十日(同条の規定により当該納期限が延長された場合には、その延長された当該納期限)の一月前の日)までに、その者に対し、その予定納税基準額 及び第二期において納付すべき予定納税額を書面により通知する。
税務署長は、前項の予定納税基準額が前条ただし書の規定により計算されるべきこととなつた場合には、同項の居住者に対し、書面によりその旨を通知する。
前二項の規定による通知は、第百七条第一項の規定による納付をすべき居住者から その者の前年分の所得税につき確定申告書の提出を受け、又は当該所得税につき決定をした税務署長(その後 当該所得税の納税地に異動があつた場合には、政令で定める税務署長)が行う。
前項に規定する税務署長は、第一項の居住者が第百七条第一項の規定により第二期において納付すべき予定納税額について同条第二項の規定の適用がある場合には、第一項 及び第二項の規定にかかわらず、 これらの規定による通知を要しない。
前年において特別農業所得者でなかつた居住者は、その年五月一日の現況において、 その年において特別農業所得者であると見込まれる場合には、その見込みについて、 納税地の所轄税務署長の承認を求めることができる。
前項の承認を求めようとする居住者は、その年五月十五日までに、その年において特別農業所得者であると見込まれる事由その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、承認 又は却下の処分をするときは、その申請者に対し、書面によりその旨を通知する。
この場合において、却下の処分の通知をするときは、その理由を附記しなければならない。
第一項の規定を適用する場合において、前年において特別農業所得者でなかつたかどうかの判定は、その年五月一日において確定しているところによるものとする。
⤏ 第三款 予定納税額の減額
第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者は、その年六月三十日の現況による申告納税見積額が予定納税基準額に満たないと見込まれる場合には、その年七月十五日までに、納税地の所轄税務署長に対し、第一期 及び第二期において納付すべき予定納税額の減額に係る承認を申請することができる。
次の各号に掲げる居住者は、その年十月三十一日の現況による申告納税見積額が当該各号に掲げる金額に満たないと見込まれる場合には、その年十一月十五日までに、納税地の所轄税務署長に対し、第二期において納付すべき予定納税額の減額に係る承認を申請することができる。
第百四条第一項の規定による納付をすべき居住者
予定納税基準額(前項の承認を受けた居住者については、その承認に係る申告納税見積額)
第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定による納付をすべき居住者
予定納税基準額
第百六条第一項(予定納税額等の通知) 又は第百九条第一項(特別農業所得者に対する予定納税額等の通知)の規定による税務署長の通知に係る書面がそれぞれ その年六月十五日まで 又は十月十五日までに発せられなかつた場合には、前二項の申請の期限は、その通知に係る書面が発せられた日から起算して一月を経過した日まで延期されるものとする。
第一項 又は第二項に規定する申告納税見積額とは、その年分の課税総所得金額 及び課税山林所得金額の見積額につき第三章(税額の計算)の規定に準じて計算した所得税の額から、当該課税総所得金額の見積額の計算の基礎となつた各種所得につき源泉徴収をされる所得税の額の見積額を控除した金額として政令で定めるところにより計算した金額をいう。
前条第一項 又は第二項の規定による申請をしようとする居住者は、これらの規定に規定する申告納税見積額、その申請の理由 その他財務省令で定める事項を記載した申請書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
前項の申請書には、取引の記録等に基づいて同項の申告納税見積額の計算の基礎となる事実を記載した書類を添附しなければならない。
税務署長は、前条第一項の申請書の提出があつた場合には、その調査により、その申請に係る同項に規定する申告納税見積額(以下この条において「申告納税見積額」という。)を認め、若しくは申告納税見積額を定めて、第百十一条第一項 若しくは第二項(予定納税額の減額の承認の申請)の承認をし、又は その申請を却下する。
税務署長は、前条第一項の申請書の提出があつた場合において、次の各号のいずれか一に該当するときは、前項の承認をしなければならない。
その申請に係る申告納税見積額の計算の基準となる日までに生じた事業の全部 若しくは一部の廃止、休止 若しくは転換、失業、災害、盗難 若しくは横領による損害 又は第七十三条第二項(医療費の意義)に規定する医療費の支払により、同日の現況による申告納税見積額がその承認により減額されるべき予定納税額の計算の基礎となつた予定納税基準額 又は申告納税見積額に満たなくなると認められる場合
前号に掲げる場合のほか、その申請に係る申告納税見積額の計算の基準となる日の現況による申告納税見積額がその承認により減額されるべき予定納税額の計算の基礎となつた予定納税基準額 又は申告納税見積額の十分の七に相当する金額以下となると認められる場合
第一項の処分をした税務署長は、同項の申請書を提出した居住者に対し、その認めた申告納税見積額 及び当該申告納税見積額に基づき計算した予定納税額を通知し、又は理由を附して、 その定めた申告納税見積額 及び当該申告納税見積額に基づき計算した予定納税額を通知し若しくは却下の旨を通知する。
第百十一条第一項 又は第二項第二号の規定による申請に基づき第一項の承認があつた場合において、前項の規定により通知された申告納税見積額が第百五条ただし書(予定納税基準額の計算の特例) 又は第百八条ただし書(特別農業所得者の予定納税基準額の計算の特例)の規定により計算した予定納税基準額をこえることとなつたときは、その承認は、なかつたものとみなす。
第百十一条第一項(予定納税額の減額の承認の申請)の規定による申請をした居住者が同項の承認を受けた場合には、その者がその年分の所得税につき第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定により第一期 及び第二期において納付すべき予定納税額は、前条第三項の規定によりその承認をした税務署長から通知された申告納税見積額の三分の一に相当する金額とする。
第百十一条第二項の規定による申請をした同項第一号に掲げる居住者が同項の承認を受けた場合には、その者がその年分の所得税につき第百四条第一項の規定により第二期において納付すべき予定納税額は、前条第三項の規定によりその承認をした税務署長から通知された申告納税見積額から第百四条第一項の規定により第一期において納付すべき予定納税額を控除した金額の二分の一に相当する金額とする。
第百十一条第二項の規定による申請をした同項第二号に掲げる居住者が同項の承認を受けた場合には、その者がその年分の所得税につき第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により第二期において納付すべき予定納税額は、前条第三項の規定によりその承認をした税務署長から通知された申告納税見積額の二分の一に相当する金額とする。
前三項の場合において、これらの規定による予定納税額に百円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てるものとし、
これらの規定に規定する申告納税見積額が十五万円に満たないときは、これらの規定による予定納税額は、ないものとする。
⤏ 第四款 予定納税額の納付及び徴収に関する特例
第百四条第一項(予定納税額の納付) 又は第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により予定納税額を納付すべき居住者は、これらの規定に規定する納期限前に出国をする場合には、これらの規定にかかわらず、 その出国後に当該納期限の到来する予定納税額に相当する所得税を、その出国の時までに国に納付しなければならない。
税務署長は、第百六条第一項(予定納税額等の通知) 又は第百九条第一項(特別農業所得者に対する予定納税額等の通知)の規定による通知に係る書面を第百四条第一項(予定納税額の納付) 又は第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により納付すべき予定納税額(前条の規定により納付すべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)の納期限の一月前までに発しなかつた場合には、その通知に係る書面を発した日から 起算して一月を経過した日後でなければ、これらの規定により納付すべき予定納税額について国税通則法第三十七条(督促)の規定による督促をすることができない。
予定納税額(その予定納税額に係る延滞税を含む。)については、滞納処分を行なう場合においても、その年分の所得税に係る確定申告期限(その日においてその年分の所得税につき第百三十八条第一項(源泉徴収税額等の還付)又は第百三十九条第一項 若しくは第二項(予納税額の還付)の規定による還付金がある場合には、その還付金につき充当をする日)までは、滞納処分による財産の換価は、することができない。
税務署長は、第百十二条第一項(予定納税額の減額の承認の申請手続)の申請書の提出があつた場合において、 相当の理由があると認めるときは、その申請に係る予定納税額の全部 又は一部の徴収を猶予することができる。
次の各号に掲げる予定納税額について国税通則法第六十条第二項(延滞税)の規定により延滞税の額の計算をする場合には、当該各号に掲げる期間は、その計算の基礎となる期間に算入しないものとし、
同項中
「納期限(延納 又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下この項 並びに第六十三条第一項、第四項 及び第五項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間 又は納期限」とあるのは、
「所得税法第百十九条各号に掲げる期間の末日」と
する。
税務署長が第百六条第一項(予定納税額等の通知)の規定による通知に係る書面を第百四条第一項(予定納税額の納付)の規定により第一期において納付すべき予定納税額(第百十五条(出国をする場合の予定納税額の納期限の特例)の規定により納付すべきこととなつたものを除く。以下この条において同じ。)の納期限の一月前までに発しなかつた場合における当該予定納税額
当該納期限の翌日から、その通知に係る書面を発した日から起算して一月を経過した日(同日がその年分の所得税に係る確定申告期限後となる場合には、その確定申告期限。以下この条において同じ。)までの期間
税務署長が前号の通知に係る書面を第百四条第一項の規定により第二期において納付すべき予定納税額の納期限の一月前までに発しなかつた場合における当該予定納税額
当該納期限の翌日から、その通知に係る書面を発した日から起算して一月を経過した日までの期間
税務署長が第百九条第一項(特別農業所得者に対する予定納税額等の通知)の規定による通知に係る書面を第百七条第一項(特別農業所得者の予定納税額の納付)の規定により第二期において納付すべき予定納税額の納期限の一月前までに発しなかつた場合における当該予定納税額
当該納期限の翌日から、その通知に係る書面を発した日から起算して一月を経過した日までの期間